命の輝き感じる岩手・花巻「るんびにい美術館」

  妻(yuheimama)です。お盆に3泊4日で、岩手・宮城・山形を訪れました。目的は悠平の祖父母の墓参、親戚へのあいさつ、そして観光です。悠平は、以前にも紹介した通り、芸術家・岡本太郎先生のファンです。

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 アートに関心があるのならと、今回は岩手県花巻市にある「るんびにい美術館」を見学することにしました。

 「るんびにい」という不思議な響きを持つ言葉、調べてみると、お釈迦さま誕生の地のことだそうです。るんびにい美術館では「命の輝きとの出会い」をテーマに、主に知的障害のある作者たちによる造形作品を展示しています。作品は、絵画、焼き物、刺し子など、どれも型にはまらないユニークな表現ばかりです。例えば玄関に脱ぎっぱなしにした靴そのもの、といった印象の焼き物や、布が波打つほどに名いっぱい刺繍を施した刺し子など、通常の美術展ではお目にかかれない作品が並んでいました。また、写真で紹介されている作者の着ている服を見ると、不揃いの赤い丸が数えきれないほど描き込まれています。これは何だ?と思ったら、作品名に「イクラのパジャマ」と書かれていました。どの作品も「お手本」や「正しいやり方」を習ったのでは生み出されなかったであろう、表現の力を感じさせるものばかりでした。

 美術館内の写真撮影はOKだったのですが、作品の接写は不可ということで、ここに紹介できないのが残念です。掲載した写真で館内の雰囲気は伝わるかと思います。悠平も持参したカメラで作品の写真をたくさん撮影していました。

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  障害者アートというと、最近では「アール・ブリュット」「アウトサイダー・アート」という言葉が使われることが多いのですが、こちらの美術館では、命にはアウトサイドもインサイドもなく、あらゆる境界線を越えて広がっているという考えから「ボーダレス・アート」という呼び方をしています。命や生き方を価値付けしようとする風潮がある中で、「ボーダレス」を謳う美術館の姿勢、そしてひっそりと、でも強烈に存在感をアピールする作品群に、私は確かに命の輝きや強さを感じました。願わくは、悠平の心にもその輝きが届きますように。

 

るんびにい美術館 https://kourinkai.net/museum-lumbi/index.html

高度な迷(?)解答

 妻(yuheimama)です。1学期が終わり、夏休みが始まりました。1学期の学習を振り返ると、算数で筆算での足し算に苦戦したことが思い出されます(「筆算も視覚アプローチで」を参照ください)。その後、悠平仕様の学習法を駆使しながら、量をこなすことによって理解が進みました。夏休みには、宿題として計算プリントが出されました。国語では、漢字練習と基本的な文法・読解問題に取り組んできました。夏休みの宿題でも漢字プリントが出されています。
 

 読解問題では、1学期終盤に「お~!」と驚く出来事がありました。

本文)海の水をなめてみよう。あ、しょっぱい。どうしてだろう? それは海の水の中にいっぱいしおがはいっているからだよ。
問題)海の水の中にはなにがはいっている?

 答えはもちろん「しお」。が、悠平の答えは「みねらる」でした! これはこれで正解です。なんと高度な名(迷?)解答。採点した先生は「みねらる」に〇を付けた上で、私宛てに『「文には何て書いてある?」と聞くと、「しお」と答えていました』と書き添えてくださいました。

 カタカナを習った後も、ひらがなで「みねらる」と書いてしまうあたりが、微笑ましいのですが、それより何より、どこで海水にはミネラルが含まれると学習したのやら。幼少のころは、自閉症の悠平には、何事も意識して教えていかないと身につかないと躍起になったものですが、少しずつ、少しずつ、学ぶ力をつけてきたのでしょう。嬉しく思うと同時に、悠平の親離れが始まっているようにも思えて、ちょっとばかり切なくなりました(大げさでしょうか…?)。

 とはいえ、長~い夏休み。放課後等デイサービスに通所する以外は、四六時中一緒です。きっと、「留守番できるようになってくれないかしら」「一人で外出できるようになればいいのに」などなど、さらなる自立を願うことでしょう。揺れる母心はしばし封印。一つでも悠平が自分でできることを増やしていけるよう、この夏休みも取り組んでいきたいと思います。

夏の始まりは富士山

 yuheipapaです。タイトルに「富士山」と書きましたが、実はミニチュアの富士山、「富士塚」のことです。富士山は信仰の対象として知られますが、江戸時代は庶民がそう簡単に登れるわけではなく、江戸の町や近郊のあちこちに富士塚を作って富士登山の代わりとしたそうです。念の入ったことに、富士山から運んだ溶岩で覆われているところが多いようです。現存する富士塚の中には、本物と同じく7月1日に山開きをし、1年のうちでこの日だけ登ることができるところもあります。そうしたことを知って去年、今年と、たまたま7月1日が週末に当たっていたこともあり、悠平と一緒に東京の富士塚の山開きを巡りました。

※ウイキペディア「富士塚」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E5%A1%9A

 ことしまず訪ねたのは練馬区の「江古田富士」。西武池袋線で池袋から三つ目の江古田駅で下車、すぐそばにある江古田浅間神社の境内にあります。国の重要有形民俗文化財に指定されています。直径約30メートル、高さ約8メートルとのことですが、実際に行ってみると、小山全体がこんもりと木に覆われており、うっそうとした林の印象です。天狗や猿の石像もあって、厳粛な信仰の場であることを実感しました。

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【写真】江古田富士の頂上から麓を望む

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【写真】江古田富士の中腹を登る悠平

 次は池袋へ出て、東武東上線に乗り換えて二つ目の下板橋駅から徒歩で10分足らず。池袋氷川神社の境内にある「池袋富士」へ行きました。こちらは高さ約5メートル、すそ野は南北に幅約18メートルの大きさです。木がなく溶岩がむき出しで、山容がよく分かります。好天だったこともあり、江古田富士とは違った「陽」の明るい印象でした。

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【写真】池袋富士の登山道に並ぶ参拝者

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【写真】池袋富士の山頂から

 昨年の山開きでは台東区下谷の小野照崎神社にある「下谷坂本富士」、文京区本駒込の駒込富士神社、北区中十条の十条富士塚にお参りしました。駒込富士神社は富士塚の上に神社の本殿があります。駒込富士神社、十条富士塚は山開きの日だけでなく、1年を通じて登ることができますが、6月30日と7月1日は祭礼で、境内や周囲に露店も出て大にぎわいでした。

 年間を通じて登れる富士塚はほかにもあります。品川区北品川の品川神社にある品川富士は都内有数の規模。頂上からは京浜急行の電車がよく見えます。渋谷区千駄ヶ谷の鳩森八幡宮では、境内の千駄ヶ谷富士登山の御朱印もあります。

 今回の記事は、何だか観光案内のようになってしまいました。

「変身」にまつわる幾つかの出来事

  妻(yuheimama)です。6月は悠平の誕生月。悠平、12歳になりました。昨冬のクリスマスプレゼントでの仮面ライダー変身ベルトに続き、誕生日プレゼントに変身ベルトのオプションパーツをリクエストした悠平。「変身」ブームが止まりません(クリスマスプレゼントについては「年末は仮面ライダーとともに」を参照ください)。

  悠平の誕生日は6月下旬なのですが、「6月になったらプレゼント用意してあるかも」と思ったらしい悠平は、6月に入るや否やクローゼットの中を物色。すぐにプレゼントを見つけてしまいました。悠平は、「お母さん、プレゼントあった!」とうれしそう。「やられた…」と思いつつ、私は「お誕生日まで、待てる?」と尋ねました。悠平は当然のごとく「待てない」と返答。教育的指導としては「我慢させる」のが正解だったのかもしれませんが、お祝いの品を手にしてニコニコしている悠平の顔を見てしまい、母、少し甘くなってしまいました。「今日、(プレゼントを)開けちゃったら、お誕生日の日にはプレゼントないけど、いい?」と確認すると、「いいよ~」との返事。結局、3週間以上早く、プレゼントをわたすことになりました。悠平は「一足お先に、ハッピーバースデ~」と、自分で自分にお祝いしながら大はしゃぎ。その日一日、変身ベルトにプレゼントの「ハザードトリガー」を装着して変身しまくったのは、言うまでもありません。

 

仮面ライダービルド DXハザードトリガー

仮面ライダービルド DXハザードトリガー

 

 

  6月中旬、悠平が利用する福祉サービスのコーディネートをする相談支援員の家庭訪問がありました。今年から担当者が変わり、私も悠平も初顔合わせです。訪問時、玄関先であいさつをすると、悠平は自室に直行。その後、リビングで相談支援員と私が話をしていると、変身ベルトを装着した悠平が、ベルトグッズを持参してやってきました。「では、変身してみます」――周囲の状況をまったくわきまえず、変身デモンストレーションを始めてしまいました。私は少々焦りましたが、相談支援員は慣れたもの。自閉症積極奇異型の、空気を読まない一方的なかかわり方を見て取りながら、サービス精神旺盛な(?)悠平の性格も、笑顔で受け止めてくださいました。

  相談支援員とはこれから長いお付き合いになります。軽くない知的障害やコミュニケーションに困難がある自閉症がある場合、サービス利用にも親の意向が強く出てしまいがち。将来に向けて、少しでも悠平の意思・選択を尊重できるよう、支援員の方と悠平との直接のかかわりを大切にしていきたいと思いました。

 最後は親戚の結婚披露宴でのエピソード。新婦が親戚のお姉さん、初顔合わせの新郎は電車の運転士さんです。披露宴会場の入り口にはプラレールが走り、出席した子どもたちには新郎が運転する豪華特急列車のプラレールがプレゼントされました。悠平、肌身離さずプラレールを抱えていました。途中、着物姿の新郎新婦がお色直しのため退場。再び会場のドアが開き、ドレスとタキシードに着替えた新郎新婦にライトが当たると、悠平は一言「変身した!」。――笑顔で横切る新郎新婦の姿に「うわ~、きれい」「かわいい~」と盛り上がる会場をよそに、私は「結婚式で衣装を着替えるのは、お色直しって言うんだよ」と真面目に説明しながら、笑いを禁じえませんでした。

  毎週日曜日、『仮面ライダービルド』を観ています。いろいろなフォームに変身していく仮面ライダーを悠平と一緒に楽しみながら、「一番楽しみなのは、君がどんな大人に変身していくかだよ、悠平」と心の中でつぶやく母でありました。

ラーメン開眼

 yuheipapaです。
 悠平は食べ物については保守的で、以前は味や舌触りが分かっている食べ慣れたものしか口にしようとしませんでした。それが最近は、わたしが「チャレンジしよう」と言いながら勧めたら、とりあえず一口かじってみる、ということが増えてきました。そうやって食べられるようになってきたものの一つはラーメンです。
 以前の記事で紹介しましたが、今年春に千葉県君津市に九州ラーメンを食べに行った際には、当初は悠平もラーメンにチャレンジしてみるつもりでいたのですが、結局は食べ慣れたチャーハンになりました。

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 ラーメンへのチャレンジはそれから間もなくでした。西武池袋線沿線のお寺を訪ねに出掛けたある日曜日、昼食を練馬区の江古田駅前で取ることとしました。実は江古田にはわたしが大学生のころに気に入っていたラーメン屋さんがありました。何十年ぶりかで訪ねてみたのですが、駅前の一角にお店は健在。味も舌の記憶と寸分の違いもありませんでした。この店のラーメンはスープは薄口の醤油味ですが、大量のイリコから出る魚介風味が最大の特徴です。これが和の風味が大好きな悠平には良かったのでしょうか。悠平には別に半チャーハンもあったのですが、お椀に麺とスープ、一切れだけ入っていたチャーシューもつけて取り分けてやると、黙々と食べました。「おいしい?」と聞くと、返ってきた言葉は「おいしい」と一言だけでしたが、箸を止めずに一気に食べたところを見ると、気に入ったようです。
 その後も外出中の食事では時折、中華系のお店に入り、わたしがラーメンを頼んで悠平に取り分けるようになりました。いずれも悠平は「おいしい」と言って食べていますが、最初に食べた魚介風味の一杯は特に気に入ったようです。江古田のこのお店の支店と言えばいいのか、同じ店名でメニュー構成やラーメンの特徴が全く同じ店がJR中央線の高円寺駅近くにあるのをネットで見つけました。ちょうど、高円寺で昼食を取る外出計画を立てているときでした。悠平に「この間のラーメン屋さんと同じラーメンがあるよ」と言うと、「ここがいい」と二つ返事。ほかにも悠平が好きなカレー屋などもあったのですが、迷うことはありませんでした。初回と同じように、ラーメン一杯を2人で取り分けで食べ、悠平はほかに半チャーハンも。悠平はやはり無言で箸を動かし、満足した様子でした。
 実は、わたしは体重など健康面の理由から、ここ数年はラーメンは控えるようにしていました。悠平に分けてやることで、わたしの食べる量を減らすことができます。父子で一杯のラーメンを分け合って、ともに満足ですが、いずれ悠平もちゃんと1人前を食べるようになるでしょう。その時にわたしはどうするか。ちょっとした悩みになっています。

 以下は、これまでに悠平が食べたラーメンの一部です。

【江古田のラーメン】
 記念すべき一杯です

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【高円寺のラーメン】
 江古田のラーメンとまったく同じです 

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【自宅近くの中華屋さんのラーメン】
 鶏ガラスープの東京ラーメン。麺がおいしい 

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 悠平に取り分けです。チャーシューは食べますがナルトはいつも「いらない」

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 タンメンも「おいしい」と言って食べました

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花を楽しむ悠平~アジサイ 2018

 yuheipapaです。
 悠平との「父子乗り鉄と巡礼」で最近、外出中の悠平にいちだんと成長を感じるようになってきました。
 以前は悠平の関心の第一は電車でした。どこに出掛けるかはわたしが提案し、悠平は乗りたい電車に乗れるようならOKを出す、というやり方で決めていました。帰路、「きょうは何が一番楽しかった?」と聞くと、ほぼ必ず「○○線の○○電車に乗ったこと」と答えていました。それが最近は、違う答えが増えています。
 ここのところ、わたしの運動不足解消を兼ねて、悠平と外出するとなるべく歩く距離を増やすように心掛けています。鎌倉なら、JRの電車を北鎌倉駅で降りて、いくつか寺や神社にお参りしながら鎌倉駅まではたいてい歩きます。先日は鎌倉の大仏を参拝した後、江ノ電が混んでいるようだったので、そのまま江ノ島まで歩きました。その日、悠平に「何が一番楽しかった?」と聞いて、帰ってきた答えは「歩いたこと」でした。
 また、5月の下旬からは、例年よりも開花が早いアジサイを見に、あちこちへ出かけています。そんな日の「何が一番楽しかったか」の答えは「アジサイを見たこと」でした。しばらく前から、言葉遣いと言うか、言語での表現が豊かになってきたとは思っていましたが、感性や感受性も増してきているのでしょうか。アジサイを美しいと感じるようになってきたのだとしたら、とてもうれしいのですが。もしかしたら、単に好きな電車に乗れなかった、乗った電車の中にお気に入りがなかっただけかもしれません。
 悠平が「アジサイを見て楽しかった」と話すのを聞いて、思い出すことがあります。
 悠平が小学校に入学する年、今から5年前の3月、わたしと悠平とで奈良県宇陀市の室生寺にお参りに行きました。大阪に住んでいたころです。室生寺は、真言密教の中で高野山が女人禁制だったのに対して、早くから女性の参拝を認めていたので「女人高野」の呼び名で知られます。
 ※室生寺公式ホームページ http://www.murouji.or.jp/
 ちょうど春の特別拝観で、金堂に国宝や重文の見事な諸仏像が立ち並ぶ光景を間近で、息を呑みながら眺めました。その後、ご朱印をいただきながら、お寺の女性の方と少し話をする機会がありました。女性の方が悠平に「大きいね。何年生?」と声を掛けてくれたのですが、悠平は返事ができず、照れたようにニコニコするばかりだったのがきっかけでした。
 わたしが悠平の自閉症のことを話しました。参拝に来られる方の中には、車いすの方もいらっしゃるとのこと。「体が動くということは、ありがたいことですね。美しいものをたくさん見せてあげてください」と言われました。以来、悠平には努めて美しいもの、そして本物を見せてやるようにしてきました。親としてできることの一つだろうと思うからです。だから、悠平に「何が楽しかった?」と聞いて「アジサイを見たこと」と答えるのを聞いたときには、「悠平も『美しい』とか『きれい』と感じるようになったのか」と思いました。本当にそうだとしたら、親としてこれほどうれしいことはありません。これからも美しいもの、本物を悠平と一緒に見ていこうと思います。

 ※参考過去記事

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 以下は悠平と一緒に見に行った今年のアジサイです。

 ▼明月院:鎌倉を代表するアジサイの名所の一つです。JR横須賀線北鎌倉駅から徒歩10分。濃いブルーのアジサイで知られます。見ごろの時期は混雑します。本堂後庭園のハナショウブもきれいでした。

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 ▼浄慶寺:川崎市麻生区にあるあじさい寺。ネットでたまたま知りました。小田急線柿生駅から徒歩10分ほどです。丘陵地の斜面に植えられたアジサイもきれいですが、境内にはユニークな羅漢さんの石像がいくつもあり、見飽きません。酒を飲んで踊ったり、パソコンを操作中の羅漢さんまで。悠平も楽しそうでした。

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 ▼正覚寺:横浜市都筑区にある“穴場”のあじさい寺。横浜市営地下鉄ブルーラインのセンター南駅から港北ニュータウンの住宅街を5分ほど歩いていくと、重厚な山門に着きます。開発前は一帯はきっとこんな感じだったのだろうと思わせるように、緑が豊かな境内です。アジサイのほかハナショウブやスイレンがきれいでした。訪問した日は雨模様で、悠平と一緒に傘をさしてのお参りでしたが、やはりアジサイは雨に映えます。

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悠平の心配事

 妻(yuheimama)です。私、先日、風邪を引いてしまいました。微熱ながら発熱が数日続きました。悠平は、私が咳をしたり、検温をするたびに、「大丈夫?」と声を掛けてくれました。「母を心配してくれているのね。なんて優しい!」と、感動してしまいました。が、しかし…ある一言で、悠平が最も心配していた事柄が、私の体調ではない事実が判明したのです!

 そのとき悠平は、「大丈夫? 明日、行ける?」と聞いてきました。「明日、行ける?」というのは、朝のスクールバス乗り場への付き添いのことです。悠平は、生活習慣へのこだわりがことのほか強く、スクールバス乗り場と自宅間の送迎は私でなくては対応できません。これまで何度かyuheipapaの送迎を働きかけてみましたが、頑なに拒否してきました。そんなことが何度かあって、悠平は担任の先生との間で「今度、お母さんの具合が悪い時は、お父さんとバス乗り場まで行きます」と約束を交わしていたのです。悠平が最も心配していたのは、「朝、お父さんと行かなくてはならないかも」ということだったのです。

 それが分かって以来、「大丈夫?」と聞かれると、私はわざと「明日の朝にならないと分からない。熱があったら、お父さんと行ってね」と声を掛けるようになりました。悠平は思いっきり顔をしかめて、「いや~」と低い声で答えていました。

 最も体調が悪かった朝には、相変わらず「いや!」と言う悠平に、yuheipapaが「お母さんがかわいそうだと思わないの?」と尋ねたところ、「思わない!」と言う始末。――えっ、そうなの? なんてかわいそうな私…。最後には、次回こそお父さんと行く、行かなかった場合は週末のお楽しみであるお父さんとのお出掛け(=乗り鉄巡礼)には行かないというペナルティを受ける、という趣旨の念書にサインをさせ、鎮痛剤を飲んで私が送っていきました。

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 これまで、私が高熱を出して送迎できない日には、悠平は学校を欠席せざるをえませんでした。こちらが高熱でぐったりしていても、元気な悠平は「お母さん、お昼ごは~ん」「おやつ~」「夕ごは~ん」とマイペース。こちらは食欲がないのに、ゆっくり寝てもいられません。さらに、通知表の出欠欄には、「事故」として記録され、目が点です。まぁ、本人の病欠ではないし、確かにアクシデントなのかもしれませんが、ちょっとトホホな気分。悠平の適応力の向上が母のQOL(生活の質)をも向上させます! 悠平のため、私のため、念書を手に、これからも働きかけを続けていこうと思います。