音楽が好き!

   妻(yuheimama)です。以前にも紹介しましたが、悠平は「仮面ライダー エグゼイド」の主題歌「EXITE」を聞いて以来、三浦大知さんのファンです。

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 三浦大知さんが出演する音楽番組を観るようになり、年末には紅白歌合戦も観ました。その後、三浦大知さんが出演していなくても「紅白出場歌手が出る」と言っては、音楽番組を録画して繰り返し観るようになりました。紅白ではJ-POPからロック、演歌まで幅広いジャンルの歌手が出場するためか、悠平は、私が自分からは聴かないような演歌も聴いています。先入観なく、気に入った曲を聴いているといえばその通りなのでしょうが、ティーンエージャーが好みそうな「〇〇〇48」等はリモコン操作でバンバン飛ばして、大御所の演歌に見入っている様子は何とも不思議。演歌は比較的スローテンポだから分かりやすいのかとも思いましたが、カラオケで思いっきり大人向けの歌詞を歌う悠平を見ると、若干、冷や汗が…。

 今のところ、「一番好きな歌手は誰?」と尋ねると、やはり「三浦大知さん!」と答えます。さらに「じゃあ、二番目は?」と聞くと、演歌歌手かと思いきや、音楽番組で知った「MAN WITH A MISSION」と答えます。MAN WITH A MISSION(マン ウィズ ア ミッション)は、メンバー全員がオオカミの被り物をしたロックバンドで、音楽そのものより、その見た目が好きなんだろうなぁと推測。 

Remember Me

Remember Me

 

  悠平は夏の盛りに、「MAN WITH A MISSION、今度、紅白に出るといいね」と早くも年末に思いをはせています。演歌でもロックでも、余暇の楽しみがまた一つ広がったことを母はうれしく思っています。

初心に返った夏休みの学習

 妻(yuheimama)です。今年の夏休みの学習は2本立て。週3回の放課後等デイサービスで、学校の宿題プリントに取り組むことで1学期の復習を。週3回の家庭学習で、四谷学院療育55段階の教材を中心とした新しい学習を進めています(療育55段階については「夏休みの家庭療育&家庭学習」を参照ください)。

 悠平に新しい内容を教えるとき、本人が興味を持ってスーッと頭に入っていく場合と、自閉症の認知特性から、教え方をあれこれと工夫しないと理解が進まない場合があります。また、どうにも苦手な領域というのもあって、私自身が手詰まりになったときや、本人の理解度が達していないと判断したときには、しばらく時間をおいて再チャレンジすることがあります。この夏、スーッと頭に入るとまではいかないものの、本人が楽しみながら学習しているのが掛け算。しばらく時間をおいての再チャレンジで、かつての取り組みとは変化がみられたのが迷路でした。

 書字が遅かった悠平は、運筆と目と手の協応課題として小学部3~4年のころ、ドリル形式の公文の迷路に取り組んでいました。易しいものから始め、後半は乗り物好きなこともあり、「めいろあそび のりもの」にチャレンジ。公文の教材は少しずつ難易度を上げていくスモール・ステップの構成で知られていますが、このスモール・ステップはあくまで健常児基準。知的障害児にとっては1枚1枚が結構大きなステップである場合もあります。当時の悠平にとって、「めいろあそび のりもの」の後半は歯が立たず、一緒に復習しても、次にはまた迷路の壁を突き破ってゴールするという荒業が続いたため、お蔵入りしていました。 

めいろあそび のりもの (めいろ 6)

めいろあそび のりもの (めいろ 6)

 

  先日、夏休みを前に小学部時代の教材を整理していたところ、後半1/3ほどが残った「めいろあそび のりもの」を発掘。試しに1枚、課題として出してみました。すると、悠平は荒業なしにスルスルスルッとゴールしてしまいました。さらに「もっとやりたい」と言って、2枚目も。この様子を目にして、スキルを身に着けるにはトレーニングが必要だけど、できないときには躍起になって繰り返すより、少し時間を置くことも大切だと改めて思いました。おそらく悠平は迷路ではない別のトレーニングで、迷路を解くのに必要な能力を獲得してきたのだろうと思います。

 それでも、難易度が上がってくると、スムーズにゴールできないこともあります。以前は行き止まりに入り込むと、イライラしたり、壁を突き破って無理やりゴールしていましたが、今夏は行き止まりになると「あぁ~」と悲嘆にくれながらも、別の道を探すために戻ってみるという「試行錯誤」をしたり、「どうしたらいい?」と支援要求を出すようになりました。課題をこなすスキルとともに、試行錯誤や支援要求といった以前にはみられなかった姿勢も獲得してきたのだと、成長を感しました。

 そもそも迷路をはじめとして、療育は目的ではなく、発達を促すための手段。壁にぶつかると「これが限界なのかも」と頭をよぎることもありますが、そんなときは別の手段を試すべし。初心に返った気持ちになりましたが、「3×3=7」と毎日、間違えられると、やっぱりトレーニングも大切だと思うのでした…。

2回目の美容院~ヘアスタイルにリクエストも!

 妻(yuheimama)です。7月20日から夏休みがスタートしました。今年は週に3回、放課後等デイサービスに通所できるようになったので、これまでに比べ、母としてはグッと楽になりました。隔世の感です(小1のとき、あっという間に放デイを辞めた経緯は「あぁ、幻の放課後デイ」を参照ください)。さらに最近では、通所のない日には悠平の方から「映画に行く」「カラオケに行く」など希望を言ってくるので、私が血眼になって行き場を求め、情報収集することも減りました。先日は、通所のない日に美容院に行きました。

 5月に初めて行ったときには、やや緊張気味でしたが(「イケメン目指して美容院デビュー」を参照ください)、今回は「また、お兄さんに切ってもらう」と意欲的。美容院に入るなり、「よろしくお願いします!」と元気に挨拶して、席に着きました。悠平には今回、前髪を短くしたいというリクエストがありました。

 テレビの旅番組が好きな悠平は、俳優の火野正平さんが自転車で旅をするNHK-BS「にっぽん縦断こころ旅」のファン。火野正平さんがいつも帽子を被って、前髪が見えなくなっている状態を見て(そもそもスキンヘッド?)、「前髪をなくしたい」と言い出しました。しかし、前髪だけを全部切るのは、おかしすぎ。「じゃあ、前髪をできるだけ短くして、似合うように髪を切ってもらおう」と言い聞かせてから、いざ美容院へ。どんなスタイルになるのやら。

 美容師さん、さすがプロ! 前髪をこれまでの半分くらいの長さにして、こざっぱりと仕上げてくださいました。前回は30分程度でカットしてもらったのですが、今回はスタイルを変えるため、1時間近くかかりました。

カット開始はお昼の12時。
悠平「何時くらいまでかかりますか?」
美容師「うーん、3時」
悠平「長すぎますよ~。ムリ~」
美容師「早くやるには、協力し合わないと。僕も頑張るから、動かないように頑張って」

 こんな感じで、悠平が飽きそうになると「協力し合わなきゃ」と声を掛けてくださり、言われるたび悠平はムフフと笑って姿勢を正していました。

悠平「今、どこを切っていますか?」
美容師「(頭の左側に手を当て)この辺」
悠平「側頭部ですね」
美容師「正しい日本語だね~。側頭部とはなかなか言わないよね(笑)」

 ちなみにこの後、「じゃあ、頭頂部はどこ?」と質問されると、ちょっと迷っておでこを指してしまった悠平でした。悠平が美容院に慣れ、美容師さんにも悠平に慣れていただいて、高校生になったら一人でカットに行けるかな、とちょっと期待。でもその前に、シャンプー台でシャンプーをしてもらえるようにならないと。シャンプー台が倒れるにつれ、「ヤダ、怖い。やめる~」と声を上げつつ、いざシャンプーしてもらったら「気持ちいいです!」と大きな声を発するに違いないと、母はふんでいます。

七夕の願いごと

 妻(yuheimama)です。今日は七夕。先日、悠平は放課後等デイサービスで制作した短冊付きのうちわを持ち帰りました。短冊には願いごとが書かれていました。

 「自分で電話をかけられますように」

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願いごとは色鉛筆で薄く書かれていました

 ――5月上旬に学校の家庭訪問がありました。担任の先生が来宅され、悠平の中学部での課題の一つ、自宅―スクールバスバス停間の一人登下校について相談しました。その中で、一人で何かトラブルに見舞われたとき、家に電話ができることが必要とのお話がありました。悠平はまだ自分の携帯電話を持っておらず、自宅で親戚と電話しているときに、時々話をする程度の経験しかありません。そこで、自宅の固定電話でyuheipapaとの会話にチャレンジしたり、電話を使う機会をつくって慣らしていかなくてはと考えました。

 家庭訪問から数日後、今度は放課後デイでの個別面談がありました。放課後デイでは帰宅時、送迎車の中からスタッフが自宅に「もうすぐ到着します。ご準備お願いします」と電話連絡をくださいます。面談した児童発達管理者から、「その電話を悠平君にかけさせてみてはどうでしょう」という提案をいただきました。家庭訪問での話の内容も伝え、「グッド・タイミングです!」と、さっそくお願いすることにしました。

 1回目。電話が鳴り、私が出ると「もしもし、お母さん。もうすぐ到着します」と、名乗りもせずにいきなり本題に入ってしまいました。声変わりした低い声に、「オレオレ詐欺?」と思わなくもありません。次の通所日、電話を掛けるときは名乗るようにと伝えました。

 2回目。私が電話に出ると、悠平は「〇〇です」と、名字を名乗りました。間違ってはいないのですが、自宅に電話をかけて名字を名乗るのもいかがなものか。私は「悠くんも〇〇(名字)だけど、お家も〇〇だから、今度は悠平ですって言って」と伝えました。

 3回目。ついに「もしもし悠平です。もうすぐ到着します。ご準備お願いします」と言うことができました。スタッフのセリフをそのまま真似て、母に敬語を使うところはご愛敬。以後、家庭でもyuheipapaからの電話に出るなど、少しずつできることを増やしています。

 夏休みには、一人下校に備えて、GPS付きのキッズ携帯を探そうと思っています。すべての操作を悠平一人でこなし、電話と一人下校が実現するよう、母も七夕の夜に願います。

梅雨の時期の楽しみ~アジサイ2019

 yuheipapaです。東京は梅雨の真っ最中。雨の日は気分も沈みがちですが、この季節にも楽しみはあります。この数年、悠平と2人で梅雨時の休日にはあちこちにアジサイを見に行っています。ことしのアジサイの写真をスケッチ風にまとめてみました(写真は特に注記がないものは、悠平ではなくわたしが撮っています)。

【多摩川台公園:東京都大田区】
 ことし最初にアジサイを見に行ったのは、東急東横線多摩川駅からすぐの多摩川台公園でした。近くの多摩川浅間神社のお参りのついでに足を伸ばしました。この公園は都内のアジサイの名所の一つですが、とはいえ時期はようやく5月の下旬に差し掛かるころで、早咲きのガクアジサイがちらほらと咲き始めたところでした。古墳を中心に造成された広い公園で、池にはスイレンも咲いていました。
 実は多摩川浅間神社は境内から東横線の鉄橋を行き交う電車がよく見え、鉄道趣味方面でも有名です。電車が大好きな悠平のお気に入りの場所の一つです。映画「シン・ゴジラ」では、ゴジラの東京侵入を阻止しようとする自衛隊のタバ作戦の指揮所が置かれました。

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【無量寺:東京都北区】
 東京には御府内八十八カ所という巡礼霊場があります。弘法大師・空海ゆかりの四国八十八カ所をなぞった霊場です。去年からゆっくりとしたペースですが、悠平と2人で巡っています。そのうちの一つ、東京メトロ南北線西ケ原駅に近い無量寺は、境内が緑豊かな庭園のようでとても美しく、東京にこんな場所があったのかと、ちょっと驚きました。本堂に賽銭箱はありませんが、代わりに托鉢のタヌキが立っていたのがユニーク(この写真は悠平が撮りました)。西洋アジサイはうっすらと色付き始めたころで、それもまた風情を感じました。季節を変えて、再訪したいと思うお寺でした。

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【東急世田谷線と豪徳寺:東京都世田谷区】
 6月に入ってアジサイの色付きも進んできたころ、東急世田谷線の沿線を巡ってみました。線路沿いにもアジサイはけっこう目に付きます。電車とアジサイの写真は始発駅(終着駅)の三軒茶屋駅近く。目青不動尊の通称で知られる最勝寺の山門前です。
 実はこの日は、復活した招き猫電車が目当てだったのですが、残念ながら運行はお休み。写真の招き猫電車は別の日に撮影したものです。

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 さて、電車に乗って、その招き猫で知られる豪徳寺へ。数は多くはありませんが、きれいなアジサイが咲いていました。サツキもきれいでした。奉納の招き猫は相変わらずたくさん。ちょっと変わった1匹もいました。わたしはちょっとお願い事があったので、招き猫の絵馬を奉納しました。

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【池上妙見堂:東京都大田区】
 東急池上線の池上駅が最寄りになる池上本門寺は、日蓮が生涯を終えた場所として日蓮宗の大本山になっている大きな寺です。以前、寒い時期だったと思いますが、その広い境内を歩いていて、妙見堂というお堂に行き当たりました。境内のそこかしこにアジサイが植えられており、アジサイの季節には見事な眺めになるだろうと感じたのを思い出して、訪ねてみました。期待に反せず、見ごたえがありました。

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【高幡不動尊・金剛寺:東京都日野市】
 京王線の高幡不動駅から徒歩数分。一般に高幡不動尊の呼び名で知られる金剛寺は、広い境内に五重塔や小高い山もあり、春の桜、秋の紅葉とともにアジサイが有名です。見ごろが真っ盛りの6月中旬に悠平と訪ねました。通算では4、5回目になるでしょうか。
 いろいろな種類のガクアジサイ、ヤマアジサイが咲き誇り、さながらアジサイ図鑑のようでした。いちいちの名前までは控えてきませんでしたが、それにしても一口にアジサイと言っても、いろいろな種類があるものだと感心しました。
 青モミジもきれいで、紅葉の時期には東京とは思えないような見事な眺めになります。それぞれの季節に見ごたえがある、お奨めの寺です。

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 悠平が撮った写真も2枚、アップします。2枚目の写真はたまたまかもしれませんが、花への光の当たり方が何ともいい具合なのですが、惜しいことに背景によその人の体が写り込んでしまいました。たぶん、花にレンズを合わせるのに夢中で、周囲の状況には注意が向かないのかもしれません。でもそんなことは親の勝手な理屈で、悠平がきれいだと感じた花をきれいに撮ることができた、ということが大事なのだと思い直しました。

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【番外編:小石川後楽園のハナショウブ】
 東京ドームの隣り、東京都文京区の小石川後楽園は水戸徳川家が作った庭園です。6月の中旬に差し掛かるころ、ハナショウブが見ごろでした。
 庭園は7万平方メートルの広さがあり、やはり春の梅、桜、秋の紅葉など季節の風物が楽しめます。

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こども新聞購読スタート

 妻(yuheimama)です。わが家では、4月から悠平用にこども新聞の購読を始めました。こども新聞は日々のニュースを分かりやすく解説し、漢字にルビをつけるなど、読みやすくする工夫がされています。読解力が少しずつついてきた悠平に、小6の3学期、学校の担任から勧めていただいたことがきっかけです。

 ネットで「こども新聞」を検索すると、全国紙が発行する「朝日小学生新聞」「毎日小学生新聞」「読売KODOMO新聞」が表示されました。朝日と毎日は日刊、読売は週刊です。購読料はいずれも税込みで朝日1769円、毎日1580円、読売550円。さて、どれにしましょうか。

 悠平は4月から中学生になることをとても楽しみにしていました。その悠平に小学生新聞をわたすのは気が引けました。また、毎日届いても読み切れないだろうとも思いました。そこで週1回の「読売KODOMO新聞」の無料お試しサービスに申し込みました。届いた新聞はタブロイド判・オールカラー・20ページで、写真やイラスト、漫画もあって、手に取りやすそうです。悠平に現物を見せ、「週1回、こども新聞、とってみる?」と尋ねたところ、「とってみるよ」との返事。申し込みの電話をしようかと思っていた矢先、読売新聞の販売店から「KODOMO新聞、ありがとうございました」と電話がかかってきました!?

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 こうして購読スタートしたこども新聞。悠平は毎週届くのを楽しみに熟読…とはいかず、母が内容をチェックして、悠平が興味を持ちそうな記事や日々の生活、学習に関連する記事を「悠くん、それ、新聞に載ってたよ」と持ち掛けています。先日、「新・新幹線試験モデル」という記事が写真入りで掲載されていました。鉄道好きの悠平に「悠くん、こども新聞に新しい新幹線の記事が出ていたよ」と声を掛けると、「見るよ!」と言って、悠平はついに自分から紙面をめくり、記事を読み始めました。

悠平「仙台―青森間を走るんだ」
母「じゃあ、(墓参に)岩手に行くときに見られるかもね」
悠平「いや、無理だと思う」
母「なんで?」
悠平「夜しか走らないから」
母「あぁ、試験車両だもんね」
悠平「うん」

 おぉ、ちゃんと記事内容を理解しています。母の質問にも因果関係を把握して答えることができました。日々の学習の成果が表れていると、母は心で笑顔です。これからも、こんなやり取りが増えていくといいなと思っています。興味のある記事から読みはじめ、徐々に紙面に掲載されたほかの記事にも目がいくように、とは期待しすぎでしょうか。

【おまけ】
 以前に特別支援学校高等部を見学したときのこと。新聞を使った授業をしていたのですが、見ると「〇〇小学生新聞」でした。知的障害児の認知力を考慮すると、そうなるのは分かるのですが、高校生に小学生新聞というのが少々切なくもありました。そんな思いを心の片隅で引きずっていた昨秋、知的障害者へのわかりやすい情報提供、情報保障に取り組む一般社団法人スローコミュニケーションのセミナーに参加しました。同法人のホームページでは、「わかりやすいニュース」https://slow-communication.jp/news/を読むことができます。

 車いすを利用している方にとって、道路の段差をなくすことがバリアフリーの一例であることは分かりやすいのですが、知的障害者にとってのバリアフリーはなかなかイメージしにくいものです。わかりやすい日本語、情報は知的障害者にとっては重要なバリアフリーであると同時に、日本語を学んでいる外国人の方々にも有用です。NHKのニュースウェブでも「やさしい にほんごの ニュース」コーナーがあります。こうした取り組みが今後も広がっていってほしいと、日々、やさしい日本語を心掛けて悠平に話しかける母は願っています。

イケメン目指して美容院デビュー

 妻(yuheimama)です。中学生になり、悠平、美容院デビューしました。また一つ、社会参加(?)できました。

 自閉症・発達障害のあるお子さんは、感覚過敏や多動があり、慣れない場所や人が苦手であるため、外での散髪が難しい場合があります。悠平もこれまで、テレビを見せながら10分程度でなんとかかんとか私がカットをしてきました。今回、中学生になったのを機に、お店でのカットにトライです。

 まず、以前から悠平が自閉症であることを話していた、私の行きつけの美容院に相談してみました。悠平を連れてシャンプーを買いに行ったこともあって、悠平にとっては見慣れた場所でもあります。美容院でのカットにあたって、シャンプー台は姿勢が変わって不安に感じるかもしれないので初回はカットのみにする、飽きてくると途中で「あと何分?」「終わりにしたい」など大きい声で言い出すことが予想される、といったことを伝えました。美容師さんからは、はさみを使っているときに急に動くと危ないので、それがなければ大丈夫だと思うとお返事をいただきました。

 迎えた当日。悠平には、事前にイラストを描いてカットの過程を知らせ、はさみを使っているときに急に動くと危ないので、できるだけ動かないようにと伝えました。

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 美容院には3席ありますが、予約した時間帯は悠平のみに対応をしてくださいました。はじめは悠平も美容師さんも緊張気味でしたが、途中から会話が始まり、ドライヤーを使ったときに悠平が「気持ちいいです!」と言って、大爆笑。後半、悠平が「あと何分?」「早く帰りたいよ~」と言い出した時には、美容師さんが「イケメンになるには時間がかかるんだよ」「かっこよくなって中学校行きたいでしょ?」等、応じてくださり、30分ほどのカット時間を和やかに過ごすことができました。最後に私が会計をしていると、悠平と美容師さんは立ち話。帰り際には元気に「ありがとうございました!」とあいさつすることができました。

 実は当初、yuheipapaが理髪店に連れていくことを検討していました。yuheipapaが通っている理髪店は、混雑することが多く、ネットで「福祉理容」に対応しているほかの理髪店も検索してみましたが、多くは高齢者や身体障害のある方へのサービスのように思え、踏み出せずにいました。ママ友たちに聞いたところ、短時間でカットしてくれるいわゆる1000円カットを利用しているお子さんや、幼児期から同じ美容師さんにお願いしているお子さんなど、お子さんのタイプに合わせてそれぞれに工夫していました。悠平の場合、簡単な会話ができるようになってから、個別対応してくれる美容院にお願いできてよかったと思います。

 悠平がカットしてもらえるようになったと同時に、地域に悠平の理解者がまた一人増えたことを、感謝と共にとてもうれしく思いました。