子育ての目標は「自立」

 東京は昨日、今日とせっかくの週末も雨交じりです。天気が良ければどこか親子で散歩でも、と思っていたのですが、悠平もこの数日、風邪気味で鼻をぐずぐずさせており、仕方なく家の中で遊んでいます。
 いずれこのブログでもきちんと紹介しようと思いますが、発達障害児についての本の中で、現在読み進めている新書が今のわたしの心情にとてもしっくりときます。発達障害児を育てるにあたって、その目標をどこに置くのか。人はだれしもわが子の誕生に接したとき、気が早いと思いながらも、わが子が成長してこんな人間になってほしいと、様々な夢を抱くと思います。そのわが子が、ほかの子と違っていることが分かったとき、はぐくんでいた夢は現実のものにはならない、その夢はあきらめなければならないことが頭では理解できても、心情的には葛藤が残ります。わたしもそうでした。45歳の時に悠平が生まれました。遅くに持った初めての子ということもあって、誕生の瞬間からあれこれと将来を妻に話したりしていました。そのこと自体、とても楽しく幸せなことでした。
 今読み進めている本の著者は発達障害児の子育ての目標を「自立」という言葉で表現し、自分で生活できること、人に迷惑をかけないこと、人の役に立つこと、の3点だと説きます。心が晴れ渡るような思いがしました。考えてみれば、簡単なことでした。親としてわが子にかける期待はどんな内容であっても、突き詰めてみればみな同じことなのです。仮に心身にハンディキャップを負うこともなく成長し、社会的にエリートと目されるコースを歩んだとしても、人に迷惑をかけ、人の役に立つこともない生き方しかできないなら、それは子育ての失敗だろうと思います。
 悠平と一緒に歩んでいくこれからの道のりは、色々なことが待っていて困難に満ちているのだろうと思います。悠平なりに、人に迷惑をかけることなく社会に貢献できる生き方ができるように―。壁に当ったとき、迷ったときには、それが目標であることを思い出しながら、悠平にとって何がいい選択なのかをわたしたち両親が考え、道を切り開いていけばいいのだと、今は妻と話しています。

 目下の悠平のお気に入り絵本「ねこざかな」シリーズです