絵日記・悠平の夏休み

 悠平の夏休みも、長いようで過ぎてみればあっという間。今週からは幼稚園に通う日々が始まります。夏休みの様子を、絵日記風にまとめて書き留めておきます。
 ▽8月1×日 鉄道模型フェスティバル
 大阪・梅田の阪急百貨店で開催していた「鉄道模型フェスティバル2011」を悠平と妻、わたしの3人で見に行きました。NゲージやHOゲージのジオラマがいくつか置かれ、大人もそれなりに楽しめます。悠平も鉄道模型は決して嫌いではないのですが、今回はそれぞれのセットを一瞥しただけで、ものの10〜15分ほどで飽きてしまった様子でした。幼児は入場無料でしたが大人は500円。妻と2人で1000円は、悠平の関心度やここで過ごした時間と比べると、正直なところ割高に感じました。
 会場の隣りでは鉄道関連グッズの即売を行っており、わたしは新幹線車両をデザインしたクリアファイルを購入。通勤に使っている阪急京都線の沿線を紹介するDVDが500円と格安で売っていたのでこれも購入。DVDは帰宅後、悠平がさっそく食い入るように見ていました。悠平の最近の一人遊びの一つに、電車のアナウンスがあります。電車のおもちゃを転がしながら「つぎは〜、たかつき〜、たかつき〜」と大きな声でアナウンスの真似をします。駅名も高槻のほか大阪や茨木が登場。大阪に住んでいるとの自覚があるのかどうかは分かりませんが、次は阪急線の駅名も登場するかもしれません。

 ▽8月1×日 久しぶりにワイバイク 
 東京から転居して初めて、悠平がワイバイクに乗りました。引っ越しの荷物に埋もれたままになっていましたが、思い立って引っ張り出しました。ワイバイクとは、ひとことで言えば「ペダルのない、三輪車と自転車の中間乗り物」というところです。
※参考過去記事「悠平ライダー登場」
http://d.hatena.ne.jp/yuheipapa/20100923/1285252359
 マンションの近くに広い公園があり、引っ越してきた時から妻とは「ここならワイバイクにもちょうどいいね」と話していました。悠平は実に約半年ぶりのワイバイク。大喜びで乗り回しました。

 この公園にはセミもたくさんいて、植木のそこかしこにとまって盛んに鳴いています。人慣れしていないのか、素手で簡単につかまえられるので、悠平にも触らせてみました。特に怖がる様子はないのですが、力の加減がうまく調節できないのか、握りつぶしてしまいそうになります。慌てて取り上げ、逃がしてやりました。

 コミュニケーション能力や社会性の欠如など、自閉症発達障害は心因的、内面的な障害がクローズアップされることが多いのですが、ほかにも感覚や運動能力の面での障害が無視できません。ドアを静かに閉めることができず、バタンと大きな音をたててしまうのが典型で、力を自覚的に加減することが困難なのです。

 ▽8月2×日 3人で京都に
 岩手県に住む妻のいとこが手術を受けるのでお守りを送ろうと、悠平も連れて3人で京都に出掛けました。先日の祇園祭以来です。
 事前にあれこれ調べて、河原町の繁華街の真ん中にある蛸薬師堂が病気平癒で有名と知りました。
 ※蛸薬師堂 永福寺 http://www7a.biglobe.ne.jp/~takoyakusido/
 せっかくなので、歩いて15分ほどの六角堂というお寺にも行くことにしました。実は先日の南紀旅行で青岸渡寺に行った際にご朱印帳を買い求め、西国三十三カ所をお参りして回ることにしました。青岸渡寺は一番の札所、六角堂は十八番です。
 ※西国三十三カ所巡礼 http://www.saikoku33.gr.jp/
 阪急電車で終点の河原町の一つ手前、烏丸駅で降りて六角堂へ。行ってみて初めて知りましたが、生け花の池坊流と縁の深いお寺でした。境内にはたくさんハトがおり、悠平はいつものように「きゃあきゃあ」と追いかけまわしていましたが、やがてベンチに座り込んで見ているだけになりました。

 京の台所として知られる錦市場をブラブラと歩きながら蛸薬師堂にお参り。お守りを買って帰りました。手術は成功とのことでした。

 ▽8月2×日 飛行機を見に大阪空港へ
 妻は自宅で休養することにして、悠平に飛行機を見せてやるため、大阪空港に連れて行きました。
 9月のお彼岸に、妻の父母の墓参のため岩手に行く計画を立てているのですが、さすがに大阪から陸路では時間がかかり疲労も増しそうです。何とか飛行機で、と考えているのですが、やはり問題は悠平です。
 ダスティン・ホフマン自閉症の男性を演じた映画「レインマン」をご存知でしょうか。トム・クルーズ演じる弟が兄を西海岸に連れて行くのに飛行機を使おうとしたところ、空港で兄ダスティン・ホフマンが大パニックを起こすシーンがあります。悠平は狭い乗り物に激しい拒否反応を示すことがあり、昨年の秋の箱根ではとうとうロープウエイに乗れませんでした。果たして飛行機に乗ってくれるのかどうか。今のうちから慣れさせようとの、親の魂胆です。
 阪急電車大阪モノレールを乗り継いで空港へ。展望デッキに上がると、目の前に滑走路が広がり、大小の飛行機が離着陸する様子がよく見えます。悠平は、と言えば、ニコニコしながら飛行機を眺めていて、まんざらでもない様子でした。

 売店で飛行機のおもちゃも買って帰宅。「悠くん、飛行機で岩手に行くぞ」「おじいちゃん、おばあちゃんのお墓にごあいさつに行くぞ」と毎日言い聞かせています。悠平は「ひこーき」と答えていますが、さてどうなるでしょうか。

 ▽8月2×日 すし屋でもから揚げ
 夏休みもあとわずかということで、夕食はちょっとぜいたくに、すし屋に3人で行きました。自宅近くにある回転ずしですが、南紀・勝浦から直送の魚が自慢のなかなかおいしい店です。それより何より、わが家にとっては鶏のから揚げを置いているのがありがたい。偏食が激しい悠平は魚をほとんど食べません。すし屋に行っても手が出るのはイクラぐらいですが、この店では、悠平にはから揚げときつねうどんを注文し、わたしと妻は好みのすしをゆっくり食べることができます。

 ふだんは週末の昼食に利用していますが、夕食に行くときは少し奮発するとき。やはり、昼と夜では回ってくるネタのグレードが違います。ただし、悠平はいつでもひたすらから揚げ。東京では、から揚げを置いているすし屋を探し出すことができませんでした。この店は本当に貴重です。次は、から揚げを出すお好み焼き屋はないかと探しています。せっかく大阪にいるので、家族で行きたいなあ(笑)。