自閉症療育センターwillでの療育が終了

 妻(yuheimama)です。自閉症療育センターwillでの1年間の療育が、3月23日に終了しました。隔週1回1時間の個別療育と、月1回の保護者研修、前期後期の目標設定とその評価のための個別面談の組み合わせ。最後は悠平の幼稚園登園拒否という問題が起きてしまいましたが、全体を通して「willでの療育―家庭療育―幼稚園生活」がうまく連動し、充実した1年になったと思います。もちろん発達障害といえども発達はするわけですから、すべてが療育の成果というわけではないのでしょうが、療育が発達を促す原動力になったのは間違いないと実感しています。今回は、この1年の悠平の発達を振り返り、これからの課題を考えてみたいと思います。

 まず、身辺自立。トイレトレーニングを続行中です。遊びに夢中になっているときなどに失敗することもありますが、パンツに慣れて日中は自分からトイレに行けることが多くなってきました。次の課題は外出時を含む、日中の「完全パンツ化(!?)」です。
 歯磨きは雑ではありますが、手順書を見ながら自分で磨けるようになってきました。いずれは手順書なしに磨けるように移行していきたいです。
 着替えは、前と後ろを間違えることが多々ありますが、被るタイプの服は一人で着脱ができるようになりました。次のステップとしては、前か後ろのどちらかにワッペンをつけるなどの援助をすることで、間違えずに着られるようになること。ボタンのある服はその後ですね。
 食事ではまだ手づかみ癖が直りませんが、それでもスプーン・フォークに加えて補助箸を使えるようになってきました。手づかみは気長に注意していくしかありませんが、これからはできるだけ補助箸の使用を促していきたいと思っています。
 身辺自立については、療育と同時に幼稚園の影響も大きかったと思います。クラスのお友達の行動に刺激され、悠平が関心を持ったタイミングで担任の先生、保育補助の先生が自立を後押ししてくださいました。感謝です!

 課題学習では、小さな進歩が数多く見られました。悠平は手先の力が弱いこともあり、書くこと、はさみやのりをつかうことはいずれも苦手でした。それが今では、補助具をつけて鉛筆で線を書くことや、不器用ながらもはさみやのりを使えるようになりました。また、洗濯ばさみを使った課題のおかげか以前よりも手先に力を入れられるようになり、ガチャガチャのハンドルを自分で回せるようになったり、ブロックをはめたり外したりを一人でできるようになりました。今後も手先のトレーニングを続けて、動作の精度を上げていくようにしたいと思います。
 また、ひらがなをマスター、単語レベルなら読めるようになってきました。さらに一歩進んで一人で絵本が読めるようになると、本好きの悠平にとって楽しみがひろがるだろうと期待しています。カタカナ学習は、途中で「お勉強しない」が始まったため、あまり進んでいないのですが、以前に比べれば部分的に読めるようになってきています。先日は外出中に看板を見て「アートネイチャー」と突然言ったので、びっくりしました(笑)。
 数字は2桁までは読めるようになってきました。まだ、量の概念があいまいなようなので、課題学習に限らず生活の中でも、例えばお菓子や果物の数を数えることで個数を意識させるようにしていこうと思っています。
 コニュニケーション面では、人に何か依頼したり要求する場合に「〜ください」と言えるようになりました。表現も単語〜2語文から3語文へ発展し、語彙も増加しています。言葉がどの程度話せるようになるかは未知数と言われていますが、根気よく日々の生活を描写しながら発達を促していきたいと思います。またそれと同時に、コミュニケーションを言語に限定して捉えずに、視覚支援できるところはどんどんやって、意思疎通や身辺自立の促進に役立てていきたいと思います。

 個別療育を受けることによって、悠平のその時点でのスキルが分かり、次につなげていくための課題が見えてきます。家庭で療育を始められたのも、willで療育のプロセス(評価―課題設定―再評価)を学ぶことができたからです。ここにあらためて、willのスタッフの方々に感謝申し上げます。ありがとうございました。
 3月13日には新年度の療育機関・梅花女子大学大学院で発達検査を受けました。評価は4月に伺うことになっているので、この1年の発達経過と検査結果をベースに、新たな1年の療育に向かいたいと思います。