心安らぐ絵本の時間

 妻(yuheimama)です。悠平は今、春休み。春休み前も休みっぱなしだったのですが、休み前と休み中では私の気分が全く違います。新学期に登園できるかは大きな課題ですが、少なくても今は正々堂々と(?)休めるので、ずっと気が楽です。

 幼稚園を休んでいる間は、「今日は行くかも」「やっぱりダメか」と期待と不安が入り混じる朝を迎え、行かないとなるとその日1日をどのように過ごそうかと重たい気持ちで考えていました。はじめのうちは「なんで行かないのよ? 今日1日、予定が狂っちゃうじゃない!」と心の中で叫びながら、うんざりした気持ちで悠平と接していました。程なく幼稚園でトラブルがあったことを知り、自分の気持ちをうまく表現できなずに抱え込んでいたかもしれない悠平に、苛立ってばかりで優しくできなかったことで自己嫌悪。それからは、悠平をリラックスさせてあげようと苛立つことはなくなりましたが、気持ちは晴れません。どうすれば登園する気持ちになれるのか答えは見つからず、一日中パソコンやDVDばかり見ている悠平を外出に誘っても、トミカのごほうびがないと「嫌」と言われる始末。さすがに連日トミカを買い与えるわけにもいかず、日々の買い物にすら支障をきたし、いわば「自宅軟禁状態」でした。春休み直前にはストレスで抑うつ状態と体調不良がぶり返してしまいました。

 そんな中、悠平と二人並んで絵本を読む時間は心を和ませてくれました。私も主人も読書が好きで、悠平にも本好きになってほしいと、赤ちゃんの頃から絵本の読み聞かせをしてきました。「おぎゃーおぎゃー」と泣いていても、絵本を見せれば泣き止む赤ちゃんでした。

 お気に入りの絵本は何十回でも繰り返しせがむので、一時は読み聞かせを負担に感じたものでした。それが今、不安な日々を過ごす中で、毎日の習慣として決して崩れることのない絵本タイムは、私の心に落ち着きを取り戻してくれる貴重な時間となっています。悠平は好きな絵本のセリフを大体覚えています。時には悠平がセリフを言ったり、悠平が好きな場面では目を合わせて二人で微笑んだり…ちょっと大げさかもしれませんが、悠平が生まれてきてくれたことに素直に喜びを感じます。先日は『まめうしのおかあさん』を広げ、「まめうしくんは おかあさんが だいすき。おかあさんも まめうしくんが だいすき」と読んだ後、「お母さんはゆう君が大好き。ゆう君は?」と悠平の顔を見ると、「ゆう君もお母さんが大好き!」と、大きな声でニッコリ笑顔で言ってくれました。

 悠平のためにと始めた読み聞かせが、いつしか私の心の安定にもつながっていました。本持つ力はすごいなぁと、今さらながら気付かされました。実はマスメディア企業の出版部門にいたり、その後もフリーランスの編集者だった私です。