発達障害啓発週間の終わりに

 妻(yuheimama)です。4月2日の世界自閉症啓発デーとともに始まった発達障害啓発週間は、8日が最終日。ブックレビューを書くに当たり、過去に読んだ本を読み返し、知識・情報を再確認できたり、以前には印象に残っていなかった記述が今の自分たちにとって参考になることもありました。実は2月から少しずつ書き溜めていたのですが、自分にとってとても充実した時間でした。同時に、読んでくださった方々に少しでも参考としていただけることがあれば、うれしく思います。

 報道などでご存知の方も多いかと思いますが、世界自閉症啓発デーの4月2日には日本各地のタワーや橋18カ所でライトアップが行われました。このイベントは、NPO法人「あっとオーティズム」が企画し、各地に依頼行脚をして実現したものです。理事長の佐伯さんは「例えば、電車の中で大声を出す子供に出会った時、周りの人が『あの子、自閉症かも』と見守ってくれる社会になってほしい。今回のイベントがそのきっかけになれば」と語っています(2012年3月29日/朝日新聞夕刊)。

 ブックレビュー(4)で紹介した漫画『光とともに…』15巻第29話にも、米国に住む親戚が帰省した際、自閉症の中学生・光の行動を見て「スペシャルニーズ」と表現し、「シアトル空港で泣き叫んでた子供がいたけど、お母さんがオーティズムだって言ったら気にしてないよってみんな…」と語る一節があります。それを聞いて光の母・幸子は「オーティズムと言えば気にしてないよって言ってもらえる国 いつか行ってみたいな 子供達もつれて――」と思います。

 私たち夫婦も、悠平が外出先でパニックを起こした時に、たびたび周囲の視線を感じてきました。「どうしたんですか」「大丈夫ですか」と声を掛けていただいたときには、「障害があってパニックを起こしているんです」と説明するのですが、親のしつけが悪いように捉えられ「ママが甘いんだ!」と厳しい言葉を投げつけられたこともあります。発達障害児を持つ親御さんなら多かれ少なかれ似たような経験がおありなのではないでしょうか。「あっとオーティズム」の佐伯さんは「周囲が(自閉症の)症状を理解してくれるだけでも力になる」と述べています(同上)。全く同感です。今後もこのブログをはじめ、周囲の方々にも自閉症発達障害を少しでも理解していただけるよう、微力ながら働きかけていきたいと思います。

 最後に、ブックレビュー(2)で取り上げた『自閉症の僕が跳びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心』の著者・東田直樹さんに、同書を当ブログで紹介させていただいたことを連絡したところ、コメントをいただきましたので紹介します。「ブログに僕の本を紹介してくださって、どうもありがとうございます。感想も嬉しかったです。当事者の人が少しでも生きやすい世の中になってくれるように、これからも頑張ります」(「東田直樹オフィシャルブログ」4月3日コメント欄)。当事者と、そして家族も生きやすい世の中になるよう、一緒に頑張りましょう!
※東田直樹オフィシャルブログ http://higashida999.blog77.fc2.com/