梅花女子大学大学院での療育が始まりました

 妻(yuheimama)です。5月16日に梅花での第1回個別療育を受けました。昨年度通っていた自閉症療育センターwillでは母子同室での療育でしたが、梅花では母子分離が基本です。しかしながら初回は、「悠平君とお母さんは別のお部屋…」と説明が始まった途端に「おかあさんいっしょ! おかあさんいっしょ!」と泣き出しそうに。これまでに何度か足を運んだ環境ではありましたが、私と離れるという状況に不安感がどっと押し寄せたのでしょう。まずは一緒に教室へ入り、悠平が療育担当の大学院生と課題に取り組み始めて落ち着いたところで、私はパーテンションで区切った別のブースに移り、担当スタッフの方と当日の課題説明と個別支援計画について話し合いました。

 この日の課題は、パズル、ブロック、ぬり絵など、家庭療育での課題と類似した内容で、悠平は所々でアドバイスをいただきながらこなすことができました。課題の合間には遊びの時間も用意されていて、メリハリのある療育を受けることができたようです。

 個別支援計画としては、複数の領域・ポイントを提案していただき、そこから重点項目を絞っていくことになりました。私からお願いしたのは、まず身辺自立、学習スキル、コミュニケーションを柱にスタートし、それらのスキルが伸びてきたら、家事スキル(タオルをたたむ、テーブルを拭くなどのお手伝い)やイラストを用いた感情表現のスキルへ発展させていっていただきたいということです。また、問題行動や進路、サポートブックの作成などを、その時々のタイミングで相談・ご指導いただきたいと希望しました。

 さっそく今回は問題行動として、幼稚園への登園拒否の現状をお話ししました。療育開始以前にも発達検査や検査結果を聞きに伺う際に、その時々の状況をお話ししてきました。悠平が完全な引きこもりにならないよう、少しずつでも人と接して社会性を育てる(現状では「社会につなぎとめておく」と言った方が正確かもしれませんが)方向へ持っていきたいと考えています。これという「特効薬」は見つかりませんが、今の悠平が参加できそうなサークルや機会があれば紹介いただけるようにお願いしました。

 こうして1回目の療育は無事に終了したのですが、帰りに思わぬトラブルが待ち受けていました。悠平は梅花のスクールバスをとても気に入っていたのですが、帰りに乗ろうとすると「のる! のらない!」「のる! のらない!」と繰り返してパニックを起こしてしまったのです。並んで待っている方々にも迷惑をかけてしまい、1台目を見送り、1時間後の2台目も見送りました。「それじゃあ、歩いて帰る?」と強い口調で迫ったら「あるかない!」と言ってバスに乗ろうとしましたが、今度は乗車口で座り込んで自分でもどうしていいのかわからないのか、またパニック。結局3台目にどうにか乗せて、満員の車内で席を譲っていただき、力ずくでシートベルトを締めて駅までたどり着きました。次は電車です。電車も「のる、のらない」を繰り返し、ようやく5本目に乗りました。片道1時間のはずが3時間もかかり、もうぐったりです。私には気付かない何かにこだわりや不快感を感じてパニックを起こしているのだと思いますが、登園拒否同様にそれが何なのかをつかめずに親は右往左往するばかりです。これから毎回こうなるかもと思うと顔面蒼白です。

 悠平がパニックを起こしたり、拒否反応を示すということは本人が何かに苦しんでいるのに違いないのですが、それが何なのか分からないというのは親として本当に悔しく、情けなく、対応に苦慮します。行き詰まり、落ち込み、寝込みながら(トホホ…)、それでも前を向いていなければ悠平を育てることはできません。「家族3人一緒なら何とかなるさ」――我が家の合言葉を思い起こし、心で半べそかきながら主人にその日の出来事を報告しました。


 追記 療育でブロックに慣れ親しんできたのか、悠平が自らブロック遊びを始めました。写真右は「ふね」、左は「とり」。手順書なしに一人で組み立てたブロックを片手に、「ふね!」と私に見せにきた悠平の笑顔は、ちょっぴり恥ずかしそうで、それでいてちょっぴり自慢げでした。私も「上手だね〜」と言いながら、思わず微笑んでいました。

【追記】2012年5月19日
 yuheimamaです。今回のエントリーに、「友さん」さまから、励ましのコメントをいただきました。ありがとうございました。
 「悠平の法則」「悠平ルール」を見出すために、状況に対処しつつ、粘り強く観察を続けていきたいと思います。「あきらめる」については、一度テーマとして取り上げたいと思っています。
 今後も、ご訪問とコメントをぜひお願いいたします。