今年の3冊―悠平編―

 妻(yuheimama)です。前回は「今年の3冊」として、私が共感した3冊の本を紹介しました。今回は、悠平にとっての「今年の3冊」を紹介します。残念ながら悠平自身が選んだわけではないのですが、母の目から見て、悠平が特に気に入っているように思えた3冊です。

 まずは、渡辺有一ねこざかなのはなび』(フレーベル館)です。悠平が3歳の時に出会った「ねこざかな」シリーズの1冊で、魚の中に猫が入った奇想天外な存在「ねこざかな」が花火大会を見に行くお話です。シリーズ第1弾の『ねこざかな』がボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞を受賞しただけあって、色使いが鮮やかでしかけもある、とても楽しい絵本です。悠平が、さかながねこの口から手足を目一杯広げて飛び出したシーンを見て「モモンガみたい」と感想を口にしたのが、私にとっては印象的でした。

ねこざかなのはなび

ねこざかなのはなび

 次は、ラッセル・ホーバン『おやすみなさいフランシス』(福音館書店)です。この絵本、実は悠平にというより、私が子どもの頃に読んでいたので思わず書ってしまった本です。夜、なかなか寝付けない熊のフランシスが、部屋に怖いものがいるのではないかと何度も妄想(?)してはお父さんにたしなめられ、最後は妄想しすぎて疲れてぐっすり眠るというストーリー。これまで読んできた絵本より、文章が少し長いこの絵本。買った当初は最後まで聞くことなく、飽きてしまってガッカリだったのですが、11月に入ると連日最後まで聞いていてくれるようになりました。少しずつ集中力が持続し、ストーリーを楽しめるようになってきたようです。私にとって思い出の絵本になったように、悠平にとっても思い出の絵本になってくれればいいなぁと、ちょっぴり期待です。
おやすみなさいフランシス (世界傑作絵本シリーズ)

おやすみなさいフランシス (世界傑作絵本シリーズ)

 最後は、嘉納 純子『あのね、サンタの国ではね…』(偕成社)です。サンタクロースがクリスマスまでの1年間をどのように過ごしているのかを、1月から月ごとに描いています。毎年、クリスマスにはクリスマス絵本をプレゼントしているのですが、これまでは「12月」という月や季節感をまだ意識していないようでしたので、キャラクターで楽しめる『おさるのジョージ』やディズニー・アニメ『カーズ』のクリスマス絵本を贈っていました。今年は、日常のホワイトボードを使った週間スケジュールの確認(「視覚支援でステップアップ」を参照ください)や療育園での毎日の日付・カレンダー確認の成果か、「月」の単位を意識できるようになったので、この絵本を選びました。この本にはキャラクターは一切出てきませんが、悠平の認知レベルと本の内容がフィットしたようで、悠平は元気よく「1月! 2月!…12月!」と私と一緒になって読み上げています。
あのね、サンタの国ではね…

あのね、サンタの国ではね…

 余談ですが、これまでクリスマス絵本はクリスマス当日にプレゼントしていました。そうすると、お正月になってもクリスマス絵本を読み続ける羽目になっていたので、今年は前倒ししてクリスマスの1か月前、11月下旬にさりげなく読み聞かせを始めました。ちょうどその時期に、療育園で12月下旬にクリスマス会が開かれることを告知され、悠平の気持ちは一気にクリスマス・モードに! 11月30日には園から帰宅すると、家中のカレンダーを「11月おしまい」と言ってめくってまわり、トミカのカタログを眺めては「サンタさん、これだね」と毎日、違うおもちゃを指さしています(笑)。さてさて、今年のプレゼントは何にしましょうか。

 それはさておき、来年も悠平の心に残るすてきな絵本にたくさん出会えますように!