セリフにびっくり、センスにうっとり!?

 妻(yuheimama)です。最近、悠平との間で1〜2往復の会話が成り立つようになってきました。例えば私が「今日は園で何したの?」、悠平「さんりんしゃにのった」、私「楽しかった?」、悠平「たのしかった」。答えやすい質問を選んでの質疑応答のようなやり取りですが、私から見ると大進歩です。さらに、雨の日には窓から外を眺めて「あめが しとしと ふってるね」と絵本に出ていた表現を当てはめて言ったり、幼稚園で一緒だったお友達に偶然会えた帰り道、「サイコーのいちにちだった!」とアニメのセリフを引用したりで驚かされます。ちゃんと場面とセリフが噛み合っているのです。

 悠平の表現の幅が広がってきているなぁとうれしく思っていたある日、療育園からの帰りに空を見上げた悠平が「ひこうき」と言いました。見上げると確かに飛行機が飛んでいました。しばらくその飛行機を見続けた悠平が、今度は「にじ」と言いました。「飛行機雲」という言葉を知らなかったので、自分の持っている語彙で表現しようとして「にじ」になったのだと思いますが、私は「飛行機の後ろの白い線は、虹じゃなくて飛行機雲って言うんだよ」と教えながら、空に描かれた白い線を虹と表現した感性に「詩的だわ…」とうっとりしてしまいました。

 一般に自閉症児・者には、想像力の障害があるといわれ、何かを別の何かに見立てるのが苦手だとされます。確かに悠平の場合、発達検査では積み木で車を作る課題ができなくて、そうした領域の発達指数は低く出ます。それでも最近、比喩表現を使うようになってきたのです。先ほどの「にじ」は、名称を知らなかったが故の発想だったのでしょうが、例えばクロワッサンを目の高さまで持っていって「おつきさまみたい」と言ってみたり、みかんの皮をむいて2つの房を広げて「ちょうちょみたい」と言ってみたり。ここ数日は季節柄か、お風呂で泡を口の周りにいっぱいつけて「サンタさんみたい」と言って、泡を食べています(食べないで〜!!)。

 コミュニケーションをサポートするために視覚支援は有効ですが、悠平が言葉で考えや気持ちを表現してくれると、親としてはうれしいものです。これからもびっくりするようなセリフやうっとりするような表現が飛び出してくることを楽しみにしています。絵本の読み聞かせを続けてきたことが、悠平の言語力にプラスに働いているのでは…と、ちょっとだけ自信を持った母でありました。

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 yuheipapaです。

 先日の3連休に、家族で京都府宮津市天橋立に行ってきました。年末年始は自宅で過ごす予定なので、ちょっと前倒しで温泉にでも、と思い、日ごろ奮闘している妻の慰労を兼ねて計画した家族旅行です。実はいちばんの目的は日本海のカニ。偏食の激しい悠平はと言えば、宿にお願いして悠平の好きなものばかりを盛り合わせたスペシャルランチを用意してもらい、ご満悦でした。

 天橋立の近くには西国観音霊場28番の札所の成相寺があります。船で対岸に渡ってケーブルカーで山に上がり、さらに登山バスに乗って参拝。乗り物好きの悠平は終始、ハイテンションでした。ちなみに初日、京都駅から乗った天橋立へ直通の特急電車は、昭和40年代に製造された、旧国鉄色の塗装もまぶしい183系でした。

 ちょうど日本海側は全国的に寒波到来とのことで、3日目の朝は一面の雪景色になっていました。乗る予定だった京都駅へ直通の特急は大幅に遅れ、仕方なく各駅停車で福知山に出て、そこから別の特急に乗り継ぎました。時刻表通りなら2時間で帰れたところを倍以上の時間がかかりましたが、悠平は満員の各駅停車の車内で立ったままでもパニックを起こさずに済みました。成長したものだと思います。