気持ちの切り替えに一苦労

 妻(yuheimama)です。子どもは概して夢中になっている遊びを切り上げて、身辺のことや勉強など「しなくてはならないこと」にスムーズに取り組めず、大人はついイライラしてしまうものですが、自閉症児の場合はことに気持ちの切り替えが難しいようです。悠平にはこれまで、気持ちを切り替え次の活動に移らせる場合、タイマーで「終わりの予告」をすることが有効でした(「お地蔵様のご利益!?」を参照ください)。今もこれはある程度有効なのですが、先日私がインフルエンザで寝込んだ際、家で一人遊びを満喫した(せざるを得なかった?)悠平は、一人での楽しみ方が増えたのか、切り替えに抵抗することが多くなってきました。

 明らかに増えたのはテレビを見る時間です。悠平は自分で操作できるDVDや録画でアニメ映画を見ることは好きでしたが、ライブ放送の幼児向けアニメや知育番組はほとんど見ることがありませんでした。それが先日来、特にCSの『ディズニージュニア』というチャンネルをすっかり気に入ってしまったようなのです。これを見始めると、番組途中で「ご飯を食べよう」「お風呂に入ろう」と声を掛けたところで、「あ〜あ〜あ〜あ〜」と甲高い声を上げて抵抗します。時間に余裕があるときは、内容の区切りがいいところまで待ってやったり、初めから区切りのいいところを見計らって声を掛けるようにしますが、外出時など時間に余裕がない時は大騒ぎです。悠平は金切り声を出すわ、こちらはイライラするわ…攻防戦が繰り広げられます。

 そんなわけで日常的には一つ面倒が増えたのですが、見方によっては、これまで面白いと思わなかった番組への内容の理解が進んで、悠平の楽しめる幅が広がったともとらえることができます。それはそれで喜ばしいこと。余暇活動の選択肢が増えたというプラスの面もあります。我が身を振り返れば、家事であってもメールであっても、何かをしているときに悠平に声を掛けられると「5分待って」「○○が終わるまで待って」と、私自身すぐに対応できないことがよくあります。こちらは必ずしも「お楽しみ」を切り上げるわけではないのですが、そこは大人と子供の違い。悠平の気持ちが分からないでもありません。

 日課表を作ってあらかじめ「何時から何時まではテレビ」「次は○○」と提示することも考えましたが、こうしてしまうとテレビを「見なくてはならないもの」と位置付けてしまうのでは…とあらたな懸念が浮上しました。手持無沙汰の時にテレビをつけ、一緒に歌ったり踊ったりしてご機嫌な悠平に、「この時間は余暇活動としてテレビ」と強制することになっては本末転倒です。当面は可能な限りタイミングを見計らうよう心掛け、徐々に「切り替えなければならないときもある」という体験を積み重ねて、切り替えを促していくようにしていこうと思います。そして頑張って切り替えられたときには「よく我慢したね」「えらいよ〜」と、ほめ言葉を忘れずに。

 テレビの見方一つとっても、なかなか難しいものだと思います。


 yuheipapaです。悠平のお気に入りが一つ増えました。はめ込み式で組み立てる電車のプラモデル「Bトレインショーティー」です。JR西日本の通勤電車が1両入ったシリーズは、大阪駅や京都駅などの駅売店に置いてあります。実はしばらく前から、これを欲しがる悠平との間で攻防戦が続いていたのですが、先日の父子乗り鉄の際に、とうとう1箱買いました。悠平は大喜びで、お寺の参拝の間中、箱を手に持ったまま。帰宅して電車を組み立てた後も、箱に入れたり出したりでご満悦。こんなに喜ぶのなら、トミカに替わるご褒美としての使いようがあるかなと思います。もともと私も嫌いじゃない分野だけに、数が増えていきそうな予感があります。
※「Bトレインショーティー」オフィシャルサイト
 http://bandai-hobby.net/train/