世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間によせて――悠平・解体新書!? <不思議編>

 妻(yuheimama)です。今日4月2日は、世界自閉症啓発デーです。昨年は発達障害自閉症関連のブックレビューを連載しました(「世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間によせて〜ブックレビュー(1)医師による入門書・概説書」を参照ください。ブックレビューは(1)〜(4)まであります)。今年はどのようテーマを取り上げようかと考えていたところ、キーワード検索をきっかけに当ブログを訪問してくださる方々が「3歳児健診」「自閉症 兆候」といったキーワードを使用しているケースが多いことに気付いたため、まずは悠平に見られた乳幼児期の自閉症の兆候(サイン)をまとめてみることにしました。題して「悠平・解体新書!?」。悠平には赤ちゃんのころから不思議な様子が見受けられましたが、当時は発達障害の知識が皆無だったことから、それらが障害のサインだとは気が付きませんでした。知識があれば、1歳半ころには障害に気が付いて、もっと早く療育できたかも・・・という自戒の念を込めて紹介します。

 発達障害児をお持ちの親御さんには「あるある」と笑っていただき、近くに自閉症児・者がいないながらもご縁があって当ブログを読んでくださっている方々には「そうなんだ〜」と思っていただければ幸いです。そして、「もしかしたらうちの子、自閉症かも?」と不安に思って当ブログを訪問してくださった親御さんには、自閉症のさまざまな特性をまず知っていただけたらと思います。

  • 何度も首を左右に振る〜ベビーベッドに寝ているころから見られました。同じ動きを反復する「常動行動」といわれる自閉症に特徴的な動きです。
  • 自分でくるくる回る〜これも常動行動です。
  • 乗り物や三輪車に乗らず、タイヤを回す。ミニカーを動かしながら、寝そべってタイヤの動きを見る。洗濯機が回る様子に見入る〜常動行動です。映画『レインマン』でも自閉症のレイモンドがドラム式洗濯機をジーッと見ているシーンがありました(「久しぶりに『レインマン』を観ました」を参照ください)。
  • つま先立ちで歩く〜自分で感覚を刺激する自己刺激と呼ばれる動きです。
  • テレビの画面を横目で見たり、絵本をあえて顔の横に持っていって、横目で見る。
  • 発語が消える〜悠平の場合は、1歳7カ月で発語があったものの、だんだんとなくなり、3歳5カ月から言葉が発達し始めました。
  • 逆さバイバイ〜バイバイと手を振るときに、手のひらを相手に向けず、自分に向けて振ります。ピースサインを覚えた時も、初めは逆さピースでした。
  • 自分の欲しいものを取ってほしいときに、親などの手をほしいもののところに持っていく〜クレーンハンドと呼ばれる現象です。
  • 道順にこだわる〜いつもと違う道を通ったときや、特定の(嫌な?)場所を通るとパニックを起こしました。
  • 公園で遊ぶとき、遊具で遊ぼうとしない〜「想像力の発達の偏り」から体の使い方、遊具の扱い方が分からなかったのかもしれません。
  • 名前を呼ばれても振り向かないことがある〜例えばテレビを見ているときに(視覚)、名前を呼ばれても気付かない(聴覚)ことがあります。これは視覚・聴覚の2つの感覚を同時に処理できず、1つしか働いていない状態で、シングルフォーカスと呼ばれます。
  • あまり笑わない〜悠平はあやしてもあまり笑わない赤ちゃんでした。ベビーマッサージをしたり、ほっぺたをなでたりと、体に刺激を与えると笑いました。
  • 寝ころんで遊ぶことが多い〜体幹が弱いせいか、長時間同じ姿勢を保つのが難しいからだと思います。
  • 走り回る〜体幹が弱く、バランス感覚が悪いため、ゆっくりした動きが苦手で、勢いに任せて走っていました。悠平には「よちよち歩き」がなく、つかまり立ちからいきなり走り出しましたが、当時は「エネルギーが有り余っている子」だと勘違いしていました。


【写真説明】ハトを追い掛けて走り回る1歳の悠平です。東京・上野動物園

  • スプーンやフォークなどの食具をなかなか使えない〜手先の不器用さからでしょうか、手づかみがなかなかとまりませんでした。
  • 偏食〜離乳食では何でもよく食べていた悠平が、1歳半を過ぎたころからどんどん食べられなくなり、偏食になりました。
  • ストローでうまく吸えない〜吸い込む力が弱かったのか、ほ乳瓶からの移行に時間がかかりました。
  • 睡眠障害?〜障害と言うほどではないかもしれませんが、毎晩寝かしつけに1〜2時間、さらに頻繁に夜泣きをしました。多い日は朝起きるまでに7回夜泣きすることも。今はさすがに夜泣きはしませんが、不定期に朝5時起きが数日続くといった、独特の睡眠リズムがあるようです。

 以上が、悠平に見られた主な兆候です。お子さんの特性によってこのほかにも、特定のマークにこだわったり、物を並べることにこだわる、人に関心を示さないなど、さまざまな兆候が見られる場合があります。このうち幾つか当てはまったからといって、そのお子さんが絶対に自閉症だということではありません。
 ただ、1歳半健診などでは、自閉症の兆候が出ているのに医師によっては「様子を見てみましょう」となることもあります。気になる場合は、専門機関に相談してみた方がいいと思います。本当に自閉症だった場合、当ブログでも紹介してきましたように療育(治療教育)によって適応能力を向上させ、支援する方法があります。「早期発見→早期絶望」ではなく、早期に発見できればそれだけ早く療育を開始することができます。


【追記】2013年4月2日8時25分
 世界自閉症啓発デー・日本実行委員会の公式サイトです。
 http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/