ゆっくり、楽しく、着実に――支援学校のカリキュラム

 妻(yuheimama)です。連休前半の3連休に家族旅行を予定していたのですが、連休前日の金曜日、学校から帰宅した悠平が発熱してあえなくキャンセル。翌日、小児科を受診するとB型インフルエンザと診断され、「いまごろインフルエンザ〜!?」と思いましたが、その日の夕刊に「B型インフル患者増」(4月27日朝日新聞夕刊)との記事が出ていて、「そうだったのね」と納得しました。翌日には私も発熱し、筋肉痛と関節痛でなかなか寝付けず「今年2度目のインフルか…」と思ったものの(1月にA型にかかりました)、休日診療で検査してもらうと結果は陰性。「風邪ですね」と言われて一安心。インフルエンザも風邪もyuheipapaにうつらなかったのは不幸中の幸いでしたが、結局連休前半は寝正月ならぬ「寝連休」となりました。

 前置きが長くなりましたが、今回は支援学校の授業内容について簡単に紹介したいと思います。支援学校の授業は1コマ30分で行われています。普通校の場合は1コマ45分なので、これは大きな違いです。支援学校には多動なお子さんや着席して何かに取り組むことに慣れていないお子さんもいるので、そうした児童たちが集中できる時間を考慮してのことだと思います。科目の呼称も普通校とは異なるので、順を追って紹介します。

 まず「せいかつ」。毎日、1時間目とその日の最終コマに設定されているこの時間には、朝の準備と朝の会、遊び、給食、着替え、帰りの準備と帰りの会などが含まれます。「えっ、これが授業?」と思われるかもしれませんが、ここにはトレーニング要素がいっぱい含まれています。着替えや排泄、食事などには身辺自立の要素が、遊びには大型遊具を使った感覚統合療法やコミュニケーションの要素が入っています。給食のときにはエプロンを着用するのですが、エプロンの色や形は自由で、唯一、学校からの要望は「一人で着られるものにしてください」。悠平はというと、後ろで紐を結ぶタイプのエプロンはまだ着られませんが、ボタンは自分で留め外しができるので、前ボタンの真っ白い給食白衣を用意しました。これに白い給食帽をかぶると、さながら小さなパン屋さんといった感じ。サイズ合わせに試着した時に「悠くん、パン屋さんみたい!」と声を掛けると、鏡の前に走っていって「コックさんみたい」と上機嫌。毎日ボタンのスキルを生かしながら給食に臨んでいます(ボタンの練習に関しては「学び方は違っても、学ぶ力はあるのです――2012年を振り返って」を参照ください)。

 次に「ことば・かず」。これは国語・算数にあたる授業で、1学年12人が3グループに分かれて受講します。悠平の学年は1クラス6人が2クラスあり、「ことば・かず」の授業では学年単位でグループ分けがされています。このグループは、発語のないお子さんも含めて個々の言語や認知の状態や特性を配慮して分けられていて、グループごとに授業内容が異なります。

「生活」の授業は、ひらがなの「せいかつ」とは違って、植物を育てたり観察する理科的内容、公共機関の利用などを含む社会科的内容、クッキングや誕生会を含む家庭科的内容から成っています。

 このほかに、ルールややりとり課題を設定して遊ぶ「のびのび」、音楽的な「うた・リズム」、図工的な「えがく・つくる」、体育的な「からだ」の授業があります。音楽的・図工的・体育的といっても「=音楽・図工・体育」ではありません。例えば「えがく・つくる」には感触遊びが含まれていたり、「からだ」には平衡感覚や協応性を養うという、動きの基礎となる運動が組み込まれるなど、認知・身体的障害特性を考慮した内容になっています(身体的障害特性については「世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間によせて〜悠平・解体新書!?<五感編>」 「世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間によせて〜悠平・解体新書!?<二覚編>」を参照ください)。

 学校が始まって1カ月足らずですが、いずれの教科からも「ゆっくり、楽しく、着実に」という印象を受けます。5月には日曜参観があるので、実際の授業内容や悠平の授業を受ける姿を見るのが楽しみです。といっても、まずは習慣性の強い悠平が、休日である日曜日に登校できるかが第一関門なのですが(休日の登校<登園>については「視覚支援で「おたのしみ会」を楽しめるかな?」「残念!「おたのしみ会」」を参照ください)。