「父の日」もやっぱり2人で乗り鉄と巡礼

 yuheipapaです。16日の父の日は悠平と2人で「乗り鉄と巡礼」。京都・宇治の三室戸寺黄檗・万福寺〜伏見稲荷大社〜東山・三十三間堂〜豊国神社〜方広寺と回りました。
 三室戸寺ではあじさいが見ごろ。混む前にと、家を早めに出てバスと京阪電車を乗り継いで午前9時半には着いたのですが、早くも相当の混雑でした。午後はごった返したのではないでしょうか。三室戸寺は西国霊場の第十番札所で、わたしも息子も3回目。これまでの2回はつつじと紅葉のころで、あじさいの季節の参拝は今回が初めてです。さすが関西で有数のあじさいの名所とあって見事でした。悠平もきれいな花を見るのは楽しいのか、上機嫌でした。


 今回は、以前から気になっていた隣の黄檗にある万福寺に寄りました。禅宗である黄檗宗の本山で、広い境内に中国・明代の建築様式の堂宇が並び、回廊で結ばれています。仏像も、大きな布袋様が笑っていたり、明代の中国の仏師の作品という羅漢像も日本の仏像にはないユニークな表情で親しみがわきました。静かな境内で、とても気に入りました。もっと早く来れば良かったと思いました。

 JR黄檗駅から奈良線に乗り稲荷駅で降りれば、伏見稲荷大社はすぐ目の前です。壮大な規模のようで、朱色の鳥居が連なる奥の山は1周すると2時間かかるとのことです。山をめぐる本格的な参拝は後日にすることにして、この日はふもとの本殿でお参りした後、ちょっとだけ鳥居を見るだけにしました。

 昼食は伏見稲荷大社の参拝客の宿泊施設「参集殿」食堂で。事前にあれこれリサーチしたのですが、宇治のような観光地、伏見稲荷大社のような寺社の門前には食事を取れる店の数はそこそこあっても、ちまちました京料理のお弁当や会席料理の店、そうでなければうどん、そば、丼ぶりものなどが主の食堂で、偏食の激しい悠平が大丈夫そうな店は多くはありません。ただ最近、悠平は外食でカレーライスが食べられるようになってきました。特段甘口でない、大人と一緒のカレーでも大丈夫です。参集殿の食堂が確実にカレーを置いているようだったので、ここにしました。
 わたしは人気商品の一つという和風御膳1050円、悠平にはカレーライス630円を注文。カレーは福神漬けが別皿で出てきて、白ご飯とカレーだけを食べたい悠平にはありがたい配慮でした。何の変哲もないふつうのカレーでしたが、悠平はぺろりと完食。私も和風御膳をおいしくいただきました。

 昼食後、京阪電車伏見稲荷駅から七条駅へ。地下駅から階段を上がると鴨川のほとりです。歩いて10分足らずの三十三間堂を中心に、見て回りたい寺社が付近に5〜6か所あったのですが、暑い中を歩いてきたせいもあってか、悠平はだんだん「おうちに帰る」モードに。三十三間堂と豊国神社、神社に隣接する方広寺に絞ることにしました。
 興味深かったのは方広寺です。豊臣秀吉の没後に鋳造された大きな鐘の銘文に、徳川家康が因縁をつけて大坂冬の陣に持ち込んだといわれる有名なその大鐘を間近で見ることができました。実は現存していることを知ったのはつい最近。秀吉が大仏を造ってこの地に据えたことも、今までぼんやりした知識しかありませんでした。
 鐘は重さ82トン!! 「君臣豊楽」「国家安康」の文字は白く囲ってあります。現場で肉眼では文字は判別できませんでしたが、帰宅して写真を拡大してみると、はっきり読めます。「君臣豊楽」を「豊臣が栄える」の意に、「国家安康」は「家康」の2文字の間に「安」の字が入っており、家康の首がとぶことを願ったものだと、家康がいちゃもんをつけたというのが通説です。開戦の口実は何でもよかったとはいえ、これはあまりに嫌な性格だったようにも思えます。ただ、家康の策謀はそれだけではなかったようで、やはり司馬遼太郎が評するように、家康は稀代の大政治家だったのでしょう。ともあれ、この鐘を見てとても得した気分になれました。
※ウイキペディア「大坂の陣」に「方広寺鐘銘事件」の説明があります
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9D%82%E3%81%AE%E9%99%A3
【写真】方広寺の鐘

【写真】「君臣豊楽」「国家安康」の文字

 暑い1日で汗だくになりながらの乗り鉄と巡礼でしたが、なかなか楽しい「父の日」の休日でした。
 以下はおまけの「鉄」写真です。

 三室戸寺から万福寺への移動は、臨時バスで京阪宇治駅に出て京阪宇治線を利用しました。京阪宇治駅でホームに出てみたら、発車を待っていたのは何と悠平待望の「きかんしゃトーマス号」。実は前日、京阪電車に乗る予定を知ったときから悠平は「きかんしゃトーマス号に乗るよ!」と何度も宣言するように口にしていました。実際のところ、そう都合よく遭遇するかどうか分からず、場合によっては悠平がパニックを起こして手こずるかも、と覚悟していたのですが、本当にびっくりするくらいドンぴしゃりのタイミングでした。悠平は欣喜雀躍。私はホッと一安心でした。

 JR奈良線稲荷駅構内に残る「ランプ小屋」です。明治期に最初に開業した東海道線は、大津市膳所駅から京都駅まで現在のコースではなく、この稲荷駅を経由して京都駅に至っていたそうです。このランプ小屋はその当時から残る唯一の鉄道建築で、現役時はランプの保管所だったとのこと。旧国鉄の最古の建築物でもあるそうです。