放課後等デイサービスをスタート!

妻(yuheimama)です。1学期は学校に慣れることを最優先に、放課後や休日に障害児を預けられる「日中一時預かり」「放課後等デイサービス(以下、放課後デイ)」といった福祉サービスに申し込まずに過ごしてきました。学校にだいぶ慣れてきたこともあり、夏休み中も利用できるサービスを1つは受けられるようにしたいと、6月から放課後デイの受け入れ先を探し始めました。

A事業所は、今年4月に開設された施設です。自宅から比較的近く、ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)や音楽療法を取り入れたサービス内容に興味があったので電話をしてみました。残念ながらすでにキャンセル待ちという状況だったので断念しました。

B事業所は、曜日によって空きがあるとのことだったので、6月下旬に見学に行きました。yuheipapaも休日出勤の代休が取れたので、付き添いです。いざ施設に入ると、悠平はレゴブロックを見つけてyuheipapaと遊び始め、私は施設内を見学しながら担当者に質問をしていきました。少し気になったのは、室内に視覚支援や構造化の要素が見当たらない点でした。放課後デイには自閉症のお子さん以外もいらっしゃるので、自閉症児に特化した支援は難しいのかとも思ったのですが、質問してみると、B事業所では「世の中は自閉症の人に合わせた環境ではないので、うちでは特にそういう支援(=構造化、視覚支援)はしていません。個々のお子さんに合わせた対応はしていきますが、ひとつひとつ(言葉で)説明していくと、できるようになるんです」というお答えでした。

ここで私は、悠平にとってこちらのサービスが合うのか考えてしまいました。言葉による説明の理解に限界がある悠平は、視覚支援があるとすんなりと物事に取り組むことができます。スキルを身につけた後は支援を減らしていって最終的に独力でできるように促してきました。私は、確かに世の中はまだまだ自閉症児者に配慮した環境にはなっていないけれど、そうした環境に少しでも適応していけるように障害特性を踏まえた支援やトレーニングが必要なのだろうと考えています。世の中が自閉症仕様にできていないので、自閉症に合わせた構造化や視覚支援はあえてしないという方針のB事業所とは、自閉症児の療育に対する基本的な考え方や方法論がわが家とは異なると判断しました。そこで、こちらには時間を取って見学させていただいたことにお礼を申し上げて、放課後デイの申し込みは遠慮することにしました。

C事業所は、7月からこれまで行ってきた日中一時サービスを中止して放課後デイに移行する施設です。6月上旬に問い合わせをした際に、送迎の都合もあってか悠平の通う支援学校の低学年は週に1回、特定曜日のサービスと決まっていて、定員にはまだ余裕があるとの説明を受けました。仮予約が可能とのことだったので、予約をお願いし、6月末に見学・面談に伺いました。面談に訪れると、部屋は広々として明るく、バリアフリー設計で安全な造り。スタッフの方は、まず悠平がどういった特性なのかをじっくり話を聞いてくださいました。活動内容を伺うと、初めに個別の設定課題をしてから、集団活動や遊びに移るとのこと。課題までやっていただけるとは期待以上です。一方、悠平は私がスタッフと話している間、すっかりくつろぎモード。大きなぬいぐるみで遊んだり、構造化された空間でビデオを見て楽しんでいました。悠平に「学校の帰りにここに遊びに来てみる?」と訪ねると「きてみる」との答え。私としては夏休みからお願いするつもりでいましたが、悠平自らカレンダーを見て「つぎは 7がつ○にちに きます」と初日から来ることを宣言。私もC事業所なら悠平を安心して預けられ、気になることがあれば相談もしやすいと感じました。こうしてついに、悠平の放課後デイ・デビューの運びとなりました。

【写真説明】時間の過ごし方を分かりやすくするため、スケジュールボードを変更しました。

★ビフォー★

★アフター★


放課後デイをどの事業所に申し込むかにあたり、情報収集はネットやメール、電話で行いましたが、最も肝心なサービス内容の確認や事業所の運営方針は、実際にその場を見学し、スタッフと納得のいくまで話し合うことが非常に重要だと実感しました。面談の時にサポートブックを持参したことも、話をスムーズに進める上で有効でした(サポートブックについては「就学前、母の宿題『サポートブック』」を参照ください)。

母としてはちょっとドキドキだった初日、悠平は淡々とした表情で「たのしかった」と言って帰宅。楽しかったと言っても、気が張っていたのでしょう。疲れているはずなのになかなか寝付けないようでした。放課後デイも悠平のペースで徐々に慣れ、学校とは違うスタッフ、お友達と一緒に、在宅時とは違った体験をすることで、楽しく新しい何かを学んでいってくれたらいいなと思います。