「読書の秋」に起きた悲喜劇

妻(yuheimama)です。先日、悠平が絵本『だちょうのたまごにいちゃん』を新聞広告の中に見つけ、欲しがりました。絵本はおもちゃと違って、興味を持てばできるだけ読み聞かせたいと思っているので、さっそく注文。届いた日から何度も繰り返し読みました。

この『だちょうのたまごにいちゃん』は、『たまごにいちゃん』シリーズの1冊で、悠平はこれを機に、手持ちのシリーズ本を代わる代わるリクエストするようになりました。シリーズ1冊目の『たまごにいちゃん』では、本当はもう卵から出ていなければいけないはずのにわとりが、お母さんに甘えたり、卵だからできる遊びが楽しくて、あえて殻をわろうとしないという、「成長しなくてはいけないけれど、親にもっと甘えていたい」という子ども心情を重ね合わせたストーリーが展開されています。

たまごにいちゃん (ひまわりえほんシリーズ)

たまごにいちゃん (ひまわりえほんシリーズ)

シリーズはここから派生したエピソードから成っています。甘えん坊の悠平と重ねると、読み聞かせながら私自身もほんわかした気分になれるのですが、ある日、とんでもないことが起こりました。

私が洗面所にいると、キッチンにある冷蔵庫がピーピーと音を立てています。わが家の冷蔵庫は、ドアを開けっ放しにしておくと音が鳴るので、悠平が勝手に冷蔵庫を開けて閉め忘れたのだと思って、キッチンに行ってみました。すると悠平がニコニコ笑顔で「たまごにいちゃんみたい」と言って、半分に割った卵の殻を頭に載せているのです。それだけ見ればかなり笑える情景なのですが、冷蔵庫の卵ケースは割られた卵でドロドロ。私は思わず「何やってんの〜!!」と、大声で怒ってしまいました。

おそらく悠平はなぜ怒られたのか分からなかったのでしょう。「ごめんなさい」とも言えずに、不安げな表情で泣き出してしまいました。私も頭の中では「冷静に。怒らないで、何がいけなかったのかを悠平に分かるように教えなければ」と考えてはいたのですが、表面を拭いてもドロドロと細かい溝に入っていく卵と格闘していると、腹立たしさが勝ってしまいます。ようやく一段落し、深呼吸して悠平に「卵を食べないときは、割りません」と言い聞かせることができました。悠平も、分かってか分からずか「わりません!」と宣誓。とりあえずは一件落着です。

翌朝、スクールバスを待っているとき、悠平の頭頂部にかすかに黄身がくっついているのを発見しましたが、そのままお見送り。学校への連絡帳に前夜の出来事を書くと、先生からの返信には「ものすごい発想をしますね」と書かれていました。まったくもって、そう思います。過ぎてしまえば笑える喜劇ですが、絵本を読み込んでこんなことが起ころうとは、母にとっては思いもよらぬ悲劇でした。