今年度の療育

妻(yuheimama)です。大阪在住時の小児神経内科の主治医からの紹介で、6月から東京都内にあるクリニックに通い始めました。初診時に、紹介状やこれまでの発達検査の結果を見ていただき、現在一番困っている習慣やルールへの固執についてを話しました。悠平の様子を観察した医師は、ズバッズバッと悠平の障害特性を指摘。現在の悠平にこれまでの療育の成果が見られることを評価し、今後は作業療法士(OT)と言語聴覚士(ST)による療育を受けることを勧めました。OTによる感覚統合療法で、姿勢を保つことが難しく、すぐににゃぐにゃになる点を改善し、体を支えることに使っていた気力・体力を周囲からの働きかけに集中できるように移行させるのが狙いです。STではコミュニケーション力の向上を目指します(感覚統合療法については「世界自閉症啓発デー・発達障害啓発週間によせて〜悠平・解体新書!?<二覚編>」を参照ください)。昨年度は療育センターに応募したものの、人数オーバーで選に漏れてしまったので、本格的な療育は1年ぶりになります。

OTではまず、感覚統合用の室内ブランコや滑り台、またがって遊ぶロディーなどで体のバランスのとり方を見たり、筋力の弱い部分などを確認していきました。これらはいずれも遊び感覚で取り組めるので、悠平も楽しそうです。楽しみながら、体の使い方や力の入れ方・抜き方などを、体で覚えていってほしいと思います。

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STでは初回、言葉の発達を調べる検査を受けました。幾つかの項目について検査した結果、特に悠平に特徴的なのが、目で見て理解する視覚認知力と聞いて理解する聴覚認知力の差が大きいことでした。STによると、この差が大きいために、不安感が強く、自信が持てずにイライラがつのったり、自分なりのルールにこだわるのだろうという評価でした。また、言語領域全般に遅れがみられるため、何かを説明することに困難があり、本人も苦しんでいるのではないかとのことでした。これらの指摘は、全くその通りだと思いました。療育方針として、語彙を増やして、それらの語彙を抽象化(=概念化)するトレーニングと、写真日記・絵日記を付け、自分のことを振り返る学習を積み、説明力・表現力をつけることが提案されました。

具体的には、毎回、動物や果物といったテーマが与えれ、それに属するものを30以上集めてノートに書いていきます(悠平は自律して書けないので私が代筆)。「動物」という概念に属する具体物が犬や猫といった個別の動物になります。こうして、あるグループ(=概念)と具体物の関係を意識するように促します。同時に、30という個数は悠平にとって調べながらでないと集められない数なので、語彙を増やしていくことにもなります。調べるときには、小学校入学時に買っておいた図鑑を使っています。

動物 (小学館の図鑑NEO)

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さらに、毎日1個ずつ、物や単語の説明をノートに書き留めて、読み上げる課題が課されました。STの時間に実際に救急車のミニカーを手に「これは車です。四角いです。白いです。ボディーに赤のラインが入っています」という具合に取り組みました。「どんなもの?」「どんな色?「どんな形?」といった投げかけをして、説明していく練習です。

また、週に2〜3回の課題として、写真日記(絵日記も可)があります。これは、自分の行動を振り返り、短文で書き留め、説明する練習です。検査の際、正解できなった時系列を意識することにもつながるかもしれません。

医師からはOT、ST、それぞれ隔週1回の療育を勧められましたが、クリニック内での療育は予約制でニーズが多いためか、やむを得ず3〜4週間空いてしまうこともあります。その分、家庭でフォローしていくように努めたいと思います。子供を毎日机に向かわせられるかは、親が毎日机に向かえるかにかかっていると思います。まだまだ療育ママはのんびりできないようです。

【写真説明】
家庭療育・学習用に、スケジュールボードを作りました。毎日取り組む言葉の説明は「ことばクイズ」とし、「おえかき」で運筆の練習、毎日ではない30個の言葉集めや、絵日記、スマイルゼミは悠平自身がどれをやるか、選べるように設定しました(スマイルゼミについては「家庭学習にお試し新アイテム」を参照ください)。