補陀落浄土の日光へ〜夏休みの家族旅行

yuheipapaです。夏休みの家族旅行で先月、栃木県の日光に行きました。大阪にいたころ、休みの日は悠平と一緒に「父子乗り鉄と巡礼」であちこちの寺社を巡りました。中でも日本最古の巡礼とされる西国三十三所の観音霊場は2巡を終えました。関東には、坂東三十三観音という巡礼霊場があり、3月に東京に転居して以降、悠平と一緒にぽつぽつとまわり始めています。その十八番の札所が、奥日光・中禅寺湖の名前のいわれになっている中禅寺というお寺です。今回の旅行は、日光東照宮をはじめとする世界遺産の社寺の拝観もさることながら、私としてはこの中禅寺のお参りが目的の一つでした。
中禅寺湖周辺は、いろは坂男体山華厳の滝などで知られる景勝地です。男体山は二荒山(ふたらさん)とも呼ばれ、観音様のいらっしゃる場所である補陀落(ふだらく)浄土に通じる信仰の対象です。奈良時代の末に霊場として日光を開いた勝道上人は、男体山観音菩薩のいる浄土と信じ、15年の歳月をかけて山頂を極めたと伝えられます。ふもとの中禅寺湖畔には二荒山神社中宮祠があり、山頂には奥宮があります。
以前にもこのブログに書きましたが、巡礼の道程を重ねる中で、私の内心にもいろいろな変化がありました。霊場を巡りながら観音菩薩に、悠平の今後の人生に幸あれと祈る、その祈りを重ねながら、私自身の悠平との向き合い方が少しずつ変わっていったのだと、そのような自覚がありました。そんな体験を経たうえで東京に転居して、坂東の霊場巡りを始めるに際して、とても強く関心を引かれたのが勝道上人の逸話でした。上人が補陀落浄土と信じた男体山を見てみたいと思っていました。
【写真説明】遊覧船から望む補陀落浄土、男体山

中禅寺湖では親子3人で遊覧船に乗りました。天気も良く、小一時間ほど、男体山をゆっくりと眺めることができました。湖畔の中禅寺ではお寺の方の説明を聞きながら観音像を拝観した後、般若心経を読経。東照宮では修学旅行か林間学校とおぼしき小学生の団体もいて大変な人出でしたが、中禅寺は拝観客も多くはなく、ゆっくり過ごすことができました。
悠平も観音様の前では神妙に手を合わせていましたが、でもいちばん楽しかったのは、東武鉄道の特急スペーシアやバス、遊覧船といろいろな乗り物に乗ったことだったようです。
【写真説明】乗ってきた遊覧船に手を振りながら見送る「出発進行ルール」は健在

坂東三十三観音 http://www.bandou.gr.jp/
中禅寺 http://rinnoji.or.jp/precincts/cyuuzenji