モールで文字練習

妻(yuheimama)です。悠平は筆圧が弱いため、書くことが苦手です。これまで、文字を書く前段階である直線や曲線を引く運筆を繰り返し、ひらがなののぞり書きなどの練習をしてきました。なぞり書きならなんとかひらがなが書けるので、あとは練習の積み重ねかと思っていましたが、ST(言語)の療育で、空間認知の弱さを指摘されました。空間認知というと難しく聞こえますが、例えば白紙を前に文字を書くとき、何をどこに書いていいのかが分からないということです。線を書くにしても、始点と終点の位置関係が判然とせず、結果的にぐにゃぐにゃの線の固まりになってしまうのです。

そこで出された課題が、字を書くために手と目だけでなく、触覚や聴覚も用いる練習法です。具体的には、紙にあらかじめひらがな1文字を書いておき、そこにモールを張り付け、モールを指でなぞってから(=触覚)、鉛筆で書く練習をします。

書くときには、始点と終点を意識しやすいように、マークをつけたりシールをはっておきます。さらに「左から右」「上から下」といった声がけをして聴覚にも働きかけます。1枚の作業を終えた後には、私が指で悠平の背中にひらがなを書き、続いて悠平が私の背中に書きます。こうして視覚だけでなく、触覚や聴覚も動員した練習を1文字ずつ続けています。仕上げは、なぞり書きによる反復練習。この際に使っているのは、文字部分が溝になっていて、書く位置が分かりやすく、文字の形が手の感覚に伝わりやすい教材を選びました。

みぞをなぞるハローキティのはじめてのあいうえお

みぞをなぞるハローキティのはじめてのあいうえお

STの先生からは少しずつ文字のイメージができているという評価があり、最近ではひらがなのほかに漢数字にも取り組んでいます。漢数字は、鉄道好きの悠平が興味を持ちやすいよう、例えば「青山一丁目の一」「三軒茶屋の三」といったように、駅名から教えてきました(「オリジナル教材第2弾「駅名クイズ」」]を参照ください)。

モール文字を作って書いた後には、車や電車のシールを紙にはって「何台ですか?」「何両ですか?」と数量を問う問題も作ってみました。漢数字と数量のマッチングもバッチリです。

これまで作ったひらがなのモール文字は36字。コンプリートを目指してこれからも頑張ります!