夏休み2015(2)楽しみ方いろいろ銚子電鉄〜家族旅行、お刺身も大丈夫に

yuheimamaも一緒の夏休みの家族旅行は、千葉県銚子市にしました。利根川の河口に位置し、日本有数の漁港として、またしょうゆ醸造の町として知られています。街の中心部には坂東三十三観音霊場の二十七番、飯沼観音円福寺があります。旅行の目的は円福寺へのお参りのほか、JR銚子駅を起点に市内9駅をゴトゴト走る銚子電鉄でした。
この銚子電鉄はいろいろな楽しみ方があります。旅行2日目は、1日乗車券の「弧廻(こまわり)手形」で全線を乗りつぶしました。銚子駅から終点の外川駅まで片道310円のところ、この1日乗車券は620円。つまり全線を1往復すれば、それだけで元が取れます。さらに市内の観光施設2カ所の入場割引券と、ぬれ煎餅1枚の引換券付き。ぬれ煎餅は焼き立ての煎餅にしょう油を染み込ませた地元名産品です。銚子電鉄は少しでも売り上げを伸ばそうと、自社でぬれ煎餅を製造、販売しています。引き換えは、観光地の犬吠埼に近い犬吠駅構内にある売店で。最初の一口は、しょう油のからさしか感じられないように思いましたが、食べ進むうちに、独特のしっとり感がやみつきになり、わたしも悠平もすっかりはまってしまいました。
【写真説明】銚子駅で発車時刻を待つ銚子電鉄の元京王電鉄車両。1日乗車券「弧廻手形」とおまけの「ぬれ煎餅」
 
さて、銚子駅から一つ目の仲ノ町駅には車両基地があり、駅の入場券を買うだけで見学ができます。かつて東京の営団地下鉄を走っていた車両は、懐かしい赤地に白帯の丸ノ内線の塗装でした。現在の主力電車は元京王電鉄の2編成で、うち1編成は京王時代の緑色の塗装です。大正時代にドイツで製造されたミニ電気機関車「デキ3号」は、わたしと悠平が楽しみにしていた車両。間近でゆっくり見ることができました。
【写真説明】仲ノ町駅銚子電鉄車両基地。黒い塗装が大正時代製造のデキ3号機。レトロ感があふれる仲ノ町駅の出札口
 
乗り鉄」として、銚子電鉄で面白かったのは、発車の際の車内アナウンス。「発車します。ご注意ください」の部分にエコーがかかっています。何とも不思議な気分でした。
円福寺へのおまいりは、最寄りの銚子電鉄観音駅で下車。この駅には銚子電鉄直営のタイ焼き屋さんがあり、何とタイ焼きを凍らせた「鯛スイーツ」を販売中でした。これは試してみなければと、カスタード入りとつぶあん入りを1個ずつ購入。最初は警戒気味だった悠平は、一口食べてみてすっかり気に入ったのか、カスタード入りを一人で1個、食べてしまいました。
【写真説明】犬吠駅を出発する元京王電鉄車両。こちらは銚子電鉄の塗装とか。冷やしタイ焼きは暑い日にはぴったりのおやつでした
 
円福寺弘法大師ゆかりと伝わる古刹で、境内には目を引く鮮やかな朱色の観音堂に、五重塔もありました。大きな仏像もあったので、「悠くん、大仏の真似をしてごらん」と水を向けましたが、気分が乗らなかったのか即座に「いや」とことわられてしまいました。鎌倉に初めて行ったときには、前日から大仏の真似の練習をしていたくらいに大仏好きの悠平ですが、最近では気分が乗ると仁王様の真似なども見せてくれます。
※参考過去記事:初めての鎌倉、お気に入りは=2014年5月7日
 http://d.hatena.ne.jp/yuheipapa/20140506/1399332890
【写真説明】坂東観音の二十七番札所、円福寺の大仏。後ろは観音堂。宿の夕食に出た子ども用の刺身盛り合わせ。たっぷりの量で、さすが日本有数の漁港の町です
 
銚子には2泊しました。その中で、悠平の食域がまた一つ広がりました。有数の漁港の町とあって、泊まった宿の夕食は、子どもにも刺身がたっぷり。これまでは偏食が激しかった悠平は手を付けようとせず、代わりに私がいただくのが常でした。今回は事前に、暗示に掛けるように「悠くん、今度の旅行ではお刺身も食べてみよう」と何度も話しかけていました。その甲斐あってか、特に抵抗もなく、目の前の刺身をパクリ、パクリと食べました。2日間でマグロや金目鯛などを一通り。ただ甘海老は頑として食べず、またどうやら一番気に入ったのはタイのようでした。わたしに似て、白身好きなのでしょうか。これで酢飯が大丈夫になれば、お寿司屋さんにも家族で行けるようになりそうです。
【写真説明】犬吠埼灯台から望む太平洋。犬吠駅の周辺でひときわ目立っていた「巡礼の寺」満願寺
 
犬吠埼に近い海辺の宿でしたので、灯台に登って内部を見学したり、短時間でしたが久しぶりの海水浴も楽しみました。最後の日は、犬吠駅に近い満願寺に参拝した後、観光客用のシャトルバスで移動しながら、銚子ポートタワーからの眺望を楽しんだり、ずらりと漁船が停泊する漁港のすぐそばを走ったり。最後に寄った銚子駅から徒歩数分の銚子セレクト市場では、しょう油が入った「しょうゆソフトクリーム」を食べてみました。ほんのり香るしょう油の風味がソフトクリームの甘さをいっそう引き立てているようで、後に尾を引くおいしさ。ヤマサ醤油のオリジナル商品のようですが、東京でチェーン展開しても確実に売れるように思いました。
【写真説明】銚子ポートタワーから望む利根川と銚子漁港。後に尾を引くおいしさのしょうゆソフトクリーム。
 
楽しい家族旅行でしたが、悠平のいちばんのお気に入りは、やはりこれまでの家族旅行と同じく、駅まで迎えに来てくれた宿のワゴン車だったようです。