夏休み2015(3)完:これからの歩き方

トミカ博と鎌倉・夏の花
横浜で開催されていたトミカ博に悠平と行きました。大阪でも2回行っていますので、今回が3回目です。有料入場者にもらえる記念のトミカと、ふだんは売っていないイベント限定モデルを買うのが主な目的。有料ですがゲームにチャレンジすれば、成績に応じてレアもののトミカがもらえるのですが、最低でも40分、50分待ちの行列ができており、また悠平もゲームにはほとんど関心がないので、展示をざっと眺めた後は、商品売り場に直行です。
大阪時代から、トミカ博で買うのはトミカ1台と決めていました。この日、悠平が狙っていたアンパンマンバイキンマンの限定モデルは残念ながら売り切れ。幼児のころはここでパニックでしたが、もう今は大丈夫。「悠くん、残念だけど売り切れだって。別のを選ぼう」と言うと、「残念だね〜」と言いながら、すぐに別の限定モデルを選びました。
レジに向かっていると、ふと視界に気になるものが。プラレールのイベント限定モデルも並んでおり、その中に何と、京阪電鉄の「パト電車」がありました。琵琶湖のほとり、滋賀県大津市内の京阪石山坂本線を走っていたパトカーそっくりのラッピング電車です。大阪にいるころ、悠平と一緒に乗ったことがある思い出の電車です。
※参考過去記事:「先達」になって西国三十三所を再び巡礼(もちろん「乗り鉄」も)※追記・「出発進行ルール」も思わず忘れたパトカー電車=2012年9月17日
 http://d.hatena.ne.jp/yuheipapa/20120917/1347839093
悠平よりもわたしの方が気になってしまい、後悔しないためにと、思い切って買ってしまいました。衝動買いでしたが、後悔はしていません。
【写真説明】混雑するトミカ博会場。買わずにいられなかった限定モデル「パト電車」
 
昼食を取った後は、鎌倉に向かいました。サルスベリやハスなど、この時期ならではの花を見たいと思ったのですが、鎌倉駅に近い本覚寺、妙本寺と歩いたところで、暑さのため予定を大幅に短縮することにしました。鎌倉駅に戻ってJR線で一駅の北鎌倉駅に移動。円覚寺を参拝し、早めに帰宅しました。
【写真説明】本覚寺サルスベリとハス
 
【写真説明】妙本寺のノウゼンカズラ円覚寺のユリ
 


▼箱根で乗り物三昧
夏休みも終わりに近づいて、さてどこに行こうかと思案。昨年、大阪から戻って来て間もなく始めた坂東三十三カ所観音霊場の巡礼は、残り8カ所になりましたが、行きやすいところからまわっていたため、残っているのは、最寄りの駅やバス停から徒歩1時間とか、長く歩くところが多いです。炎天下では危険なので、涼しくなってから行くことにしました。ふと、箱根に日帰りはどうだろうかと思いつきました。小田急系列の乗り物が割安になるフリーきっぷがあり、火山性活動のため早雲山から桃源台へのロープウエーが長期運休中とはいえ、ロマンスカーに登山電車、ケーブルカー、海賊船、バスと乗り物が豊富です。悠平に提案したところ、すぐに飛びついてきました。
【写真説明】向ヶ丘遊園駅からロマンスカーに。先頭車両も乗客はまばらでした
 
早起きして自宅を出たのは7時ごろ。小田急線の向ヶ丘遊園駅ロマンスカー・エクサ(EXE)に乗り換え、箱根湯本に着いたのは9時ちょっと前でした。火山活動のため客足が減っていると聞いていましたが、夏休み中の週末というのにロマンスカーも乗客はまばらで、箱根湯本の駅も登山鉄道の電車も空いていました。考えようによっては、「乗り鉄」が存分に楽しめるわけです。
【写真説明】箱根湯本から強羅まで登山電車に。強羅―早雲山をケーブルカーで往復。早雲山から先のロープウエーが運行中止のため、ケーブルカーも空いていました
 
結局、箱根湯本からは登山鉄道で強羅へ→早雲山までのケーブルカーを往復→強羅からバスで桃源台へ→桃源台から元箱根まで海賊船で芦ノ湖をクルーズ→元箱根からバスで箱根湯本、と乗り物三昧でした。
【写真説明】この日、悠平が一番楽しかったと言った芦ノ湖の海賊船。
 
強羅から桃源台に向かう途中で、仙石にある長安寺というお寺に寄りました。箱根の寺社を検索していてたまたま見つけたのですが、五百羅漢の石像が緑豊かな広い境内のそこかしこにあって、楽しめました。中に「バカボンのパパ」としか言いようのない一体が。「悠くん、ここにバカボンのパパがいるよ」と言うと、悠平もオリジナルを知ってか知らずか「バカボンのパパ」と笑いながら指さし、大喜びでした。
【写真説明】長安寺の五百羅漢像
 
「巡礼」はもう一カ所、箱根神社に。実はわたしは今までに、箱根湯本には優に10回以上は来ているのですが、いずれも労働組合の会議や合宿などで1泊か2泊したらそのまま帰っていました。芦ノ湖まで来たのはたぶん20年ぶりぐらい。箱根神社は初めてでした。深い緑がさわやかでした。
【写真説明】うっそうとした箱根神社の参道。狛犬は苔に覆われていました
 
湖畔の食堂で遅めの昼食を取った後、バスで箱根湯本に戻って、立ち寄り温泉で一汗流し、帰りもロマンスカー・エクサでした。この日バスには3回乗りましたが、いずれも違う塗装の車体で、バスにうるさい悠平も満足。わたしたち父子には充実の1日でした。
【写真説明】「悠平箱根バスコレクション」〜この日乗った3台のバスです
  
しかし、この人出の少なさでは、観光業は大きな打撃だろうと思いました。火山性活動で立ち入りが規制されているのは、箱根の中のほんの一部の地域。しかし小田急線で行く箱根周遊のメーンルートの一部であるロープウエーが運休しているのが、客足減に大きく影響しているように思えます。早く火山性活動が収まり、にぎわいが戻るといいなと思います。
【写真説明】ケーブルカーの終点、早雲山駅


▼これからの歩き方
夏休み最後の週末、父子のお出掛けは横浜で乗り物三昧でした。
JR南武線で川崎駅に出て、京浜東北線に乗り換えひとまず鶴見駅で下車。曹洞宗大本山総持寺にお参りしました。石原裕次郎の墓があることでも知られる大きなお寺です。以前から気になっていたのですが、ちょうど良い機会と思って訪ねました。敷地の広さ、門やお堂の大きさは、京都や奈良の大寺院に似た雰囲気を感じました。あいにくの雨模様だったので墓地の見学はやめました。天気のいい日に再訪したいと思います。
【写真説明】曹洞宗大本山総持寺。首都圏の一角にこんなに大きく、こんなに静かな寺院があるとはちょっと驚きでした
 
再び京浜東北線に乗って横浜駅で下車。地下鉄みなとみらい線の1日乗車券を購入して、この日のメーンイベントの始まりです。
夏休みの最後にどこに行こうか、あいにく天気は悪そうだし、といろいろネットで調べていて、始まったばかりの「ヨコハマ乗りものフェスティバル2015 Autumn」を知りました。みなとみらい地区から山下公園にかけての地域にある交通に関連した五つの施設を回るスタンプラリーです。
【写真説明】概要は http://www.hara-mrm.com/event/event1508_01.html

五つは原鉄道模型博物館、日産グローバル本社ギャラリー、帆船日本丸・横浜みなと博物館、三菱みなとみらい技術館、日本郵船氷川丸日本郵船歴史博物館(二つのうちどちらか)。悠平に提案したところ、日産グローバル本社ギャラリーに行けると聞いたとたんに興奮状態。昨年の夏休みにも原鉄道模型博物館と一緒に訪ねたのですが、実際の車の運転席に座ってハンドルを握ったことが楽しい思い出として残っているようで、「車は3台に乗ります!」と宣言。ほかの施設のことはどうでもいいような様子でしたが、そうやってこの日の過ごし方が決まりました。
【写真説明】原模型博物館の0番ゲージレイアウト。日産ギャラリーで悠平が気に入ったうちの1台。後ろからの撮影は悠平の指定です
 
最初に行ったのは原鉄道模型博物館。ここの0番ゲージの鉄道模型のレイアウトはいつまでも見飽きないのですが、悠平は早く日産ギャラリーに行きたくて心ここにあらずの状態。早々に隣のビルの日産ギャラリーに移動しました。悠平はさっそく好みの車を入念に品定め。気に入った車の運転席に座ってハンドルを握り、気が済んだら降りて次の車を探します。3台終わったところで「悠くん、3台終わったよ。どうする?まだ乗る?それとも、もう行く?」と声を掛けると、「じゃあ行こうか」と、さっぱりしたような顔で答えました。
その後、雨の中を移動しながら、スタンプラリーを1日でコンプリート。最後に訪ねた氷川丸で記念品の特製ポストカード集をもらいました。
【写真説明】スタンプラリーの記念品

【写真説明】みなとみらい地区の日本丸と、船内のステンドグラス
 
【写真説明】氷川丸から見る横浜マリンタワーホテルニューグランド氷川丸の船内
 
この日、みなとみらい地区に保存されている帆船日本丸や、山下公園に係留保存されている氷川丸は、悠平よりもわたしの方が楽しんだかもしれません。横浜はyuheimamaと結婚する前、30代の終わりごろに2年半、仕事で住んでいた街でした。当時は担当していた仕事がきつく、私生活にも余裕をなくしていました。横浜の街歩きを楽しむこともなく、仕事だけが自己実現であるかのように思い込み、追われるように働いていました。その後、転機があり人生観も変わりました。
あれから十数年がたって、日本丸氷川丸の甲板に立って横浜のビル群を眺めるという、当時はできなかったそういう楽しみ方を悠平と一緒にしていることが、少し不思議な気がしました。
もうあと数年で、わたしの組織人、企業人としての半生は終わります。その後の生き方は、できれば悠平と一緒に何かできればいいなあと、漠然とですが考えています。「悠平と歩く道」のこれからの歩き方を、少しずつでも準備していこうと、終わりゆく夏の一日にそんなことを思いました。