難しい説明

妻(yuheimama)です。急に暖かくなったと思ったら、また寒くなったりと寒暖差の激しい日々が続いています。東京ではインフルエンザの流行が警報レベルに達し、まだまだ手放せないのが加湿器です。

middle×Disney 超音波式加湿器 ブラウン DS-KW1201(BR)

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今冬、加湿器を出した際に、悠平から「これは何ですか?」と質問されました。私は説明しようとして口ごもりました。「空気が乾燥しているときに、水蒸気で湿り気を与えるための機械」と説明したかったのですが、悠平に分かるように説明するのは難しい。というのも、自閉症児は目に見えないものを理解するのに困難があるからです。

目に見える、例えばリンゴや車などは、物体に対してラベルをはるがごとく名称を教えれば覚えていけるのですが、今回のように加湿、空気、乾燥、湿り気といった目に見えないものを伝えるのは困難を極めます。あれこれ考えて「冬はほっぺがカサカサしたり、のどがカラカラしやすいから、そうなりにくくする機械」と苦し紛れの返答をしました。悠平も分かったような分からなかったような微妙な表情。日頃の療育で、悠平の説明力を向上させる課題に取り組んでいますが、私の方もまだまだ説明力不足のようです。日頃、「なぜ、どうして?」と悠平に質問しても、なかなか答えられない悠平のもどかしさが、少し分かったような気がしました。

加湿器をきっかけに、目に見えないものは説明しにくい、理解されにくいことを再認識しました。日常生活を振り返ると、ほかにも目に見えなくて理解されず、困っていることが多々ありました。抽象概念です。特に私が感じているのが「危ない、汚い、恥ずかしい」という意識の希薄さです。これらは安全、衛生・健康、マナーといった日常生活のベースになるものです。言葉で言ってもなかなか通じないので、結局のところ、その場その場で生活習慣として教え込んでいます。例えば、危ないに対しては、信号を見てから横断歩道を渡る、信号がないところでは左右を確認してから道を渡るといった具合です。ただ、こうした習慣は本人が別の場面に応用することが難しいので、活動範囲が広がると同時に次から次へと教えることが増えていきます。路上の信号が分かったとしても踏切の信号が分かるとは限らないのです。

今後、少しずつでも1人で活動する幅を広げていってほしいと願う一方で、言語面でも生活面でもまだまだ課題が多いなぁと感じる毎日です。