夏休み2017 その2

 yuheipapaです。絵日記風の夏休みの記録の続きです。

▼「空飛ぶ団子」をがまん

 yuheimamaも一緒に、家族3人で岩手のyuheimamaの両親の墓参に行きました。久しぶりに親戚の皆さんにもごあいさつ。悠平もしっかりと「こんにちは」と言えるようになっています。滞在中は一関、平泉の観光にも行きました。JRが盛岡~一関に走らせている観光列車「ジパング」で一関へ。特急用の車両を改造した特別な列車で、わたしも悠平も見たことはあったのですが、乗るのは初めて。先頭車両は運転台のすぐ後ろが展望席になっており、楽しめました。

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 一ノ関駅でyuheimamaのいとこと合流。車で厳美渓、平泉へと案内してもらいました。厳美渓は奇岩と急流の景勝地。以前から行ってみようと思っていたのですが、いざ現地に来てみてちょっとびっくりしたのは、岩場の上にできている行列。実は流れの対岸に団子屋さんがあり、ワイヤに吊るした籠に団子とお茶を入れて、急流越しに届けています。代金も籠に入れて支払う仕組み。名付けて「空飛ぶ団子」。その行列が予想以上に長くできていました。

 実は旅行前の下調べで、こんなユニークな団子屋さんがあることを知り、「悠くん、岩手で団子食べようか」と持ち掛けたところ、空を飛ぶ、との点がいたく気に入ったようで「ぼく、空飛ぶ団子を食べるよ」と楽しみにしていました。

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 あまりの行列に、「空飛ぶ団子」の購入は断念。流れの反対側に渡って、店で食べることにしました。悠平にしてみれば、突然の予定変更です。以前なら泣きわめいてパニックを起こすところですが、最近は随分と自分でコントロールできるようになり、このときもパニックはありませんでした。そんなときはなるべく、「悠くん、頑張ったね。よく我慢したね」と声を掛けるようにしています。

 さて、お店で買い求めた「空を飛ばない」団子は、みたらし、オーソドックスなこしあん、ゴマあんの3種類。悠平は団子は初めての経験。醤油味のみたらしは気に入ったようですが、あんこ、ゴマあんには手を出そうとしませんでした。それでもまた一歩、前進です。

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 平泉では世界遺産中尊寺毛越寺(もうつうじ)を参拝しました。悠平と来るのは2回目。私は大学1年生の時以来、通算で4回目になりますが、奥州藤原3代の栄華と滅亡の舞台に立つと、その時々でいろいろなことを考えます。今回はあいにくの雨でしたが、松尾芭蕉奥の細道の紀行で立ち寄った際も、雨の金色堂を詠んだ句「五月雨の 降残してや 光堂」を残しています。雨の金色堂に出会えたのはむしろ運が良かったのかもしれないと思いつつ、芭蕉の見た光景に、しばし思いをはせてみました。

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▼200段の石段も平気

 岩手旅行の帰途、宮城県の松島に1泊しました。2年前に1度、やはり家族で岩手からの帰りに寄っているのですが、その際には修復中で見学できなかった瑞巌寺の本堂が、修復が終わり一般公開されているのを知って見てみたいと思いました。

 岩手から新幹線で仙台へ。在来線の東北線に乗り換えて松島駅で降りました。宿は高台にあり、幸いなことに到着時は晴れていて、日本三景の一つ、松島の島々がきれいに見えました。

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 翌日は朝のうちは雨交じりのあいにくの天気でしたが、瑞巌寺は想像以上に見ごたえがありました。

 昼食後は遊覧船に。これもまた悠平が楽しみにしていました。悠平が初めて船に乗ったのは4歳の時、伊豆・下田の遊覧船だったと思います。この時はすんなりとは行かず、嫌がってパニックを起こした記憶があります。いつからでしょうか、今では船が大好きです。今回は松島の湾内周遊ではなく、移動時間の節約を兼ねて、松島から塩釜への航路にしました。所要1時間弱。景勝を楽しみました。

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 塩釜で訪ねたのは、東北鎮護・陸奥国一之宮の塩竃神社です。由緒は奈良時代、近くに国府鎮守府を兼ねた多賀城が設置されたころまでさかのぼるという古社です。遊覧船の桟橋からゆっくり歩いて30分ほど。表参道に着きます。鳥居をくぐってすぐに、約200段の急な石段があります。思わずため息が出ますが、悠平は5歳で私と一緒に西国観音巡礼を始めて以来、古社古刹巡りで山道、石段は数多くこなしており、最長では800段の石段を登ったこともあります。200段はものの数ではなく、文句ひとつ口にせず登り切りました。

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 夕方、JR仙石線で仙台に戻って、帰京は夜の新幹線。仙台駅ビルの中の飲食店街で、少し早目の夕食にしました。仙台と言えば牛タン焼き。ホヤなど海産物も食べたかったので専門店ではない店にしましたが、お肉大好きの悠平は厚切り牛タンをばくばくと食べ、私の口に入ったのはわずか。悠平が満足そうだったので、良しとしました。自分へのお土産に牛タンジャーキーと笹かまぼこを買って、新幹線に乗りました。

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ムーミン列車

 関東三十六不動尊は神奈川、東京、埼玉、千葉の4都県にまたがっています。うち東京が19カ所と過半数を占め、さらにそのうちの16カ所は23区内にあって、東京在住の私には回りやすい巡礼霊場なのですが、千葉県の5カ所は成田市新勝寺を除いていずれも内房、外房の遠隔地です。移動に時間がかかる場所は、なるべく悠平が夏休みで時間に余裕があるうちに回ることにしました。

 「夷隅」と書いて「いすみ」と読みます。34番の夷隅不動尊・宝勝院はいすみ鉄道の沿線にあり、35番の波切不動尊大聖寺も、いすみ鉄道の始発駅になっているJR外房線の大原駅近くにあります。いすみ鉄道乗り鉄を兼ねて、2カ所を回りました。

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 いすみ鉄道ムーミンのキャラクターをあしらった車両や、国鉄時代のままのディーゼル列車を運行しており、鉄道ファンや地域おこしに関心のある人たちの間では知られた鉄道です。私と悠平は3回目の訪問。春は沿線に黄色い菜の花が咲き誇り、その中を進む黄色い車両がとても絵になるのですが、緑が濃いこの時期も、黄色がよく映えました。

 この日は途中から雷雨。ほかにもお寺を回る予定だったのですが、変更して上総一ノ宮の玉前神社にお参りしました。真っ黒で光沢のある珍しい社殿でした。

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▼東京さくらトラム

 夏休みも終わりに近づいてきました。手軽なお出かけを、という日は、悠平と一緒に都電荒川線に乗ります。この日、乗ったのは「東京さくらトラム」のヘッドマークを付けた車両。外国人観光客にも親しんでもらえる愛称を、ということで東京都交通局が公募の上で決めたようです。

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 北区の飛鳥山電停で下車。江戸時代に庶民の行楽地として整備された飛鳥山公園は、春は桜の名所としてとてもにぎわいます。園内には、明治の経済人、渋沢栄一がこの地に住んでいたことにちなむ「渋沢史料館」、王子製紙など製紙産業との深いゆかりにちなむ「紙の博物館」のほか「北区飛鳥山博物館」の三つの博物館があります。時間の都合で渋沢史料館と紙の博物館の二つを見学。渋沢栄一が賓客の接待にも使ったという洋館の「青淵文庫」も見学できました。

 紙の博物館には新聞紙のロールの実物や、新聞ができるまでの工程の説明も。マスメディア企業に勤務する私にとって、新聞は今までの半生を掛けた仕事です。「悠くんがご飯を食べられるのは新聞のおかげだよ」と話しました。いつか理解してくれたらうれしいです。

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