進化する写真日記

 妻(yuheimama)です。2014年から不定期に書き続けている写真日記。4冊目に突入しました。

 初めのころは、私が悠平に「いつ・どこで・だれと・何をした」といった要素を質問し、悠平が答えた短文を私が書き留めるスタイルで進めていました(「夏休み2014まとめ―療育編―」を参照ください)。徐々に、「つ」や「し」など、書きやすいひらがなを自分で書くようにしていきました。書くことへの苦手意識や、表現力の不足からか、当初はあまり乗り気ではない課題でした。

 2016年夏にサーカスを鑑賞し、それを題材としたところ、ついに自力で日記を書くに至りました(「サーカス! サーカス! サーカス!」を参照ください)。以後、楽しかったことがあると自分から「写真日記やる」と言って、取り組むようになりましたが、テーマはほとんど乗り物。毎回、「AからBまでCにのりました。楽しかったですorおもしろかったです」というパターン。何が楽しかったのか、どうおもしろかったのかを表現するのは難しいようでした。

 それがここへきて、変化が現れました。テーマは相変わらず乗り物ですが、文末の表現にバリエーションがみられるようになったのです。ケーブルカーに乗った日の日記では「こうようとゴジラをまんきつしました(=紅葉とゴジラを満喫しました)※↓」、地下鉄の新型車両に乗った際には「7りょうへんせいにのったのは、はじめてです(7両編成に乗ったのは初めてです)」。

※「ゴジラをまんきつ」とは?~紅葉の中にゴジラが現れるというイベントを開催していました

  日常的には使わない「満喫」という言葉を悠平の日記で目にしたときには、とても驚きました。どこでそんな言葉を覚えたのだろうと不思議に思いました。家庭や学校、絵本ではなさそうです。残るはネットかテレビでしょうか。そこで思い当たったのが、テレビの旅番組です。悠平はローカル線や路線バスの旅が大好きで、録画しては繰り返し見ています。番組の終わりにはしばしば「絶景やグルメを満喫しました」といった表現が使われています。自閉症児者は一つの場面で覚えたことをほかの場面で活用するのが苦手だといわれますが、悠平の乗り物好きは自閉の苦手領域を凌駕したようです。

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 今年は残りわずかとなりました。来年も写真日記を続け、新しい表現、そして願わくは新しいテーマにも取り組んでいってほしいと思います。