夏休み2018 その3(完)

 yuheipapaです。悠平と過ごした夏休みの振り返りの3回目。これでひとまず完結です。

▼百裂拳の駅
 東京の品川から神奈川県・三浦半島へ走る京浜急行電鉄がことし創立120年とのことで、劇画「北斗の拳」とタイアップしたスタンプラリーやラッピングトレイン、イベント列車の運行などを7月30日から9月17日まで実施しました。中でも「ここまでやるのか」と少なからず驚いたのが「駅名看板の特別装飾」です。
 対象の駅は三つ。それぞれ劇画のキャラクターに合わせて駅名をアレンジ。キャラクターのイラストが付きました。驚いたのは京急蒲田(かまた)駅(東京都大田区)の「京急かぁまたたたたーっ駅」です。描かれたイラストは、北斗百裂拳を繰り出している京急の制服姿のケンシロウ。「北斗の拳」と言えばこれに決まり、というシーンでしょう。京急蒲田駅は入口が複数ある大きな駅ですが、この看板はJR蒲田駅へつながる商店街に近い、同駅のメインと呼んでいい入口にありました。

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 横浜市港南区の上大岡(かみおおおか)駅は、ラオウのイラストが入った「上ラオウ岡駅」になり、横須賀市の「県立大学駅」は「北斗の拳立大学駅」となって、イラストは制服姿のケンシロウでした。

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 北斗の拳は1983年に少年ジャンプで連載開始。ちょうどわたしが就職した年でした。翌84年にはテレビでアニメの放送が始まっています。2003年に登場したパチスロ機は、ビッグボーナスを引き当てるとケンシロウとラオウの対決画面に移り、ケンシロウが勝ち続ける限りコインが増え続けるというゲーム性が人気を呼びました。
 実は悠平がケンシロウやラオウに出会ったのはこのパチスロ機を通じてです。と言ってもパチンコ店の本物ではなく、温泉ホテルのゲームコーナーでした。もう随分前のことです。湯上りについ、わたしが手を出したのですが、幼児期は回転する物体が大好きだった悠平は、パチスロ機の回転ドラムに興味を示したのか「ぼくも!」と叫んでチャレンジ。以来、ゲームコーナーで見かけるとつい100円、200円と遊んで、ビッグボーナスのケンシロウとラオウの対決シーンも目にしたことがあります。
 そういう「ケンシロウ体験」があるので、京急のホームページで「京急かぁまたたたたーっ駅」を知った時には、悠平も即座に「見に行こう!」と同意しました。
 それにしても大胆な看板。行き交う利用客も、看板に気付くと一様にスマホや携帯電話を取り出して写真を撮っていました。

▼まぐろきっぷで小旅行
 もう一つ、京浜急行の話題です。乗車券と食事、レジャーがセットになった「みさきまぐろきっぷ」という企画商品があります。
 ※京浜急行電鉄「みさきまぐろきっぷ」
 http://www.keikyu.co.jp/information/otoku/otoku_maguro/index.html
 そろそろ夏休みも終盤という週末に、悠平と二人で利用してみました。実は「京急かぁまたたたたーっ駅」の看板を見た後、どうせなら「上ラオウ岡駅」と「北斗の拳立大学駅」も見ようと悠平と相談。それならついでに終点まで行って、昼ごはんにマグロを食べようということになりました。
 利用してみての感想ですが、うまく使えば1日たっぷり楽しめそうです。気付いたことを書きとめておきます。

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 ・途中下車が可能
 京急線の電車は出発駅(きっぷ購入駅)と三崎口駅の間の往復が利用できますが、ほかに途中下車も何度でも可能です(ただし後戻りはできません)。わたしと悠平は横浜駅からスタート。三崎口までの間に「上ラオウ岡駅」(上大岡駅)と「北斗の拳立大学駅」(県立大学駅)で途中下車して、駅の外に出て駅名看板の写真を撮ったりしました。これだけでも利便性の面で好印象です。

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 ・楽しいけど暑いオープントップバス
 「三浦・三崎おもひで券」の使途はレジャーやおみやげなど、バリエーションはけっこう豊富です。出発前に京急のホームページを見ながら「悠くん、どれがいい?」と相談したところ、迷わずにオープントップバスを指定。わたしもこのタイプのバスには乗ったことがなく、試してみましたが、なかなか楽しめました。
 バスの出発の1時間前に三崎口に着いたので、座席は2階の最前列に。外観の塗装が京急の特急電車をイメージした色使いである点も悠平の気を引いたようです。城ヶ島までの30分ほどのドライブでしたが、路線バスとは全く違う道をゆっくり走り、三浦半島の景色も遠くの富士山も楽しめました。目の前に座った女性ガイドさんが話し上手で楽しめました。
 難点は直射日光を浴びること。日差しの強い日で、一応はバスの車内ということなのでしょうか、日傘は使用不可。帽子を持参していなかったお客さんは大変だったと思います。

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 ・子どもは別メニュー
 食事はこの企画切符のメインです。クーポン(「まぐろまんぷく券」)が使える店の混雑具合も、サイトでほぼリアルタイムで表示されます。入った店では、クーポンで注文できるメニューが4種類用意されていました。それは事前にサイトで知っていたのですが、ちょっと予想外というか予期していなかったのは、子どもは別メニューになること。出発前にサイトを見ながら「このお店なら、お父さんはこの海鮮丼。悠くんはどれにする?」などと悠平と相談していました。要は、大人と同じものを注文するなら差額の支払いが必要で、そうでなければ子どもは安い価格帯のメニューから選ぶ仕組み。それならそうと、サイトにひと言、分かりやすく説明がほしいと感じました。

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 幸い悠平は、差額料金なしのマグロ漬け丼を「おいしいね」と言いながら完食。幼児期なら、期待していたものが食べられないとほぼ確実にパニックを起こしていました。こんなところにも成長を感じます。ちなみにわたしは予定通り、海鮮丼をいただきました。

 食事の後は海南神社にお参りして、おみやげはマグロの頭部の俗に「脳天」と呼ばれる部位の冷凍を買いました。解凍は、まず塩水で洗い、キッチンタオルとラップで巻いて冷蔵庫へ。翌週の週末、店で教わった通りに自宅でやってみたら、まるでどこかの高級店じゃないかと思えるぐらいおいしい刺身になりました。

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▼夜の大仏
 8月最後の週末は夜の鎌倉を悠平と2人で訪ねました。夏休みも終了間近ながら、昼間は暑いし外出をどうしようか、と思いながら調べていて、「かまくら長谷の灯かり」というイベントを知りました。神奈川県鎌倉市の中で、鎌倉大仏や長谷観音で知られる長谷・極楽寺地区を舞台に、八つの寺院・施設が一斉にライトアップするイベントで、今年で3回目とのことでした。
 ※「かまくら長谷の灯かり」 http://www.hasenoakari.jp/
 大仏のライトアップも面白いなと思い、悠平を誘ってみましたが、意外にも拒否。昨年の様子の画像などもネットで調べて見せたのですが「行かない」の一点張り。よくよく聞いてみると「夜は暗くて怖い」とのこと。思わず笑ってしまいました。「お父さんが一緒だから大丈夫だよ」などなど、いろいろ説得を重ねるうち、今度は一転して「行く」と上機嫌に。どう話したのが良かったのか、何がきっかけで一転したのか、今もよく分かりません。

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 まだ日のあるうちに江ノ島に着き、夕食を済ませて外に出ると、夕日に富士山が映えていました。この辺り、よく晴れた冬の朝から午前中は、きれいな富士山を見ることができます。江ノ電に乗って長谷に着いた頃には、すっかり日も暮れていました。イベントは夜8時半で終了なので、とても8か所すべてを回ることはできません。せいぜい2カ所だろうと思い、まず鎌倉大仏(高徳院)、次に長谷観音を回りました。

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 駅から高徳院に向かう道は人もまばらなように感じましたが、高徳院に着いてみると結構な人出でした。昼間と同じように拝観券を買って入場。ライトアップされた大仏の顔つきは自然光の下で見るのとは違って、かなり険しく感じました。悠平はもともと鎌倉の大仏はお気に入りの場所の一つなので、真っ暗な中でも怖がることもなく、夜の大仏を満喫したようでした。

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 長谷観音では発光ダイオードが仕込まれた提灯を入口で手渡されました。光の色が一定の時間で青や紫、緑、白などと変わっていきます。すべて同期しているようで、入場客が下げている提灯の光の色が一斉に変わる様は、何とも幻想的でした。

 こうして悠平12歳、小学生最後の夏休みは終わりました。一緒にあちこち出掛けていて、そのときはそうと気付きませんでしたが、今振り返ればパニックを起こしたことは一度もなかったように思います。本当に成長しました。

 

※参考

yuheipapa.hatenablog.com

yuheipapa.hatenablog.com