強力な動機

 妻(yuheimama)です。知的障害者にとって金銭管理は難しいことです。悠平には、小学生のときから学習の中で紙幣や硬貨の種類、数え方、金額の大小を教え、学校でも買い物学習に取り組んでいただきました。中学生になったらお小遣いを毎月渡し、ほしいものを買うためにお金を貯めたり、お金を使うと残高が減るということを、実感できるように準備してきました。月のお小遣いはひとまず500円。残高が分かりやすいように、100円ショップで買ったコインケースに入れ、項目がシンプルなお小遣い帳を用意しました。

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 4月以降、月初めに悠平に声を掛け、お小遣いをコインケースに入れ始めました。以来、悠平が欲しがる物があると、「お小遣いで買ったら?」と提案しました。が、親と一緒に外出すると、結局、親がほかの物と一緒に買ってしまったり、ポイントカードのポイントで支払ってしまうことが多く、悠平もあえて自分で支払おうとはしませんでした。

 以前、知的障害者の金銭管理についての講演会で、買ってもらうことに慣れてしまうと、成人しても自分でお金を払いたがらなくなる方もいるというエピソードを聞いていたので、やはり練習は必要なようです。これまでの買い物学習では、予算で1回買いきりだったので、お小遣いを貯めて買う行為は、本人にとってはまた別の体験なのでしょう。やみくもに買えばいいというものではありませんが、このままでは金銭管理の練習になりません。

 そんなある日、悠平が電気機関車のプラレールをほしいと言い出しました。クリスマス近くだったので、本人はプレゼントとしてほしかったのかもしれません。でも母は、「じゃあ、お小遣いで買ったら?」と懲りずに提案。すると悠平、すぐにでもほしかったらしく「そうするよ!」と張り切って答えました。強力な動機です。母はすかさず、悠平の机の引き出しにしまってあるお小遣い帳とコインケースを取り出し、悠平に残高を知らせました。4月から1円も使っていなかったので、4500円ありました。ネットでプラレールの値段を確認すると、種類にもよりますが、2000円あれば足りそうです。そこで悠平にお金を財布に入れるよう指示して、いざ買い物へ。悠平が一番欲しかったモデルはなかったのですが、納得して買えるモデルがあったので、自分で支払って持ち帰りました。悠平、ニコニコです。

 帰宅後、すぐに自分の部屋にプラレールを持ち込みました。その日は家庭学習で、買い物を文章題仕立てでおさらい。悠平、文章を読んでにんまりです。初めて自分でお小遣い帳も付けました。これからも学習と生活を関連付けながら、楽しくスキルアップしていきたいと思います。

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 本年も当ブログを読んでいただきありがとうございました。良いお年をお迎えください。