中学部卒業

 妻(yuheimama)です。悠平は今週、特別支援学校中学部を卒業します。中学の3年間はあっという間だよと、とよく言われ、その短い期間中にコロナによる一斉休校や分散登校があり、予定されていた学校行事もずいぶんと中止になりました。残念なことが多かったと思う一方、この3年間を振り返ると、学校や放課後等デイサービスの工夫やご支援で、貴重な体験を積み重ねられたと思います。

 悠平は中学時代に、キッズ携帯を使えるようになり、いつの間にやらショートメールまで使えるようになりました。スクールバス乗車には一番乗りこだわりがありましたが、今では二番手でも乗れるように。爪切りができるようになり、美容院でのカットも定期的な習慣になりました。放課後デイでは自分でお弁当を買ったり、レストランのテイクアウトを利用するといった体験学習をしました。こども新聞購読は定着しませんでしたが、テレビのニュースにはちょっぴり関心が芽生え、テレビの旅番組に投書したこともありました。アイロンビーズで電車を作る楽しみを覚え、アートや音楽も楽しめるようになってきました。

 生活・学習面共に、方法を教え、繰り返し練習することでできることが増えましたが、慣れてくると雑になったり、例えば洗い物など、手順通りにやれば、汚れが落ちていなくても終えてしまうなど、行為の目的や意味理解には課題が残りました。

 学校や放課後デイでは、制約のある中で、できないことの代替手段を考え、工夫し、あらたな体験・学びの機会を作ってくれました。修学旅行やイベントなど、大きな思い出は作れなかったけど、粒ぞろいの思い出がギュッと詰まった3年間になったのではないかと思います。これからの悠平の人生を考えるとき、できないことを嘆くのではなく、工夫と支援で生活を充実させていく姿勢を、親としても学んだ気がします。お世話になった皆さまに、この場を借りて、感謝申し上げます。

 さて、悠平は4月、特別支援学校高等部に進学します。悠平の通う特別支援学校は小学部・中学部設置校なので、高等部は別の学校になります。場所も校舎も先生も変わり、他校出身のお友達もいるため、大きな環境変化となります。期待と緊張に胸を膨らませる悠平を、しっかりサポートしていきたいと思います。

 

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シュウマイの教え

 妻(yuheimama)です。先日、yuheipapaがシュウマイを買って帰りました。開けてみると、8個入です。我が家は3人家族なので、皆が同じ数ずつ食べることはできません。そこで悠平に、「3人で分けて、余ったら悠君とお父さんで分けていいよ」と言ってみました。計算式は「8÷3=2余り2」。余りを悠平とyuheipapaで1つずつ分ければ、悠平3つ、yuheipapa3つ、母2つになります。悠平は割り算の文章題を学習したことがあるので、解けるのではないかと思ったのですが、固まってしまいました。あぁ、余り2をさらに分けるのが難しかったのかな…などと思い、実際のシュウマイを取り分けながら、悠平に説明しました。

 後日、担任から、学校で取り組んでいる学習内容の説明を聞く機会がありました。これまでは文章題を読んで立式していたところを、今は、先生が口頭で言ったことを聞いて、式を考え計算しているとのこと。目で読むのと耳で聞くのでは、情報の取り込み方が違うので、読んで正解できた問題も、聞いて判断するのでは格段にハードルが上がるようです。

 学校での取り組みを知って、ハッとしたのが、シュウマイ問題。今から思うと、口頭での問題提起であっただけでなく、割り算の立式に加え、余りの処理まであったのですから、悠平が固まるのも無理はありません。改めて、学校での特別支援教育の専門性と、学習を生活に結び付ける難しさを感じました。今回のシュウマイ問題、母にとっては新たな学びであり、悠平の学習、努力を生活力の向上につなげるための糧にしたいと思いました。もっとも悠平にとってシュウマイは、おいしい糧であることに何ら変わりはないのでしょうが…。

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フェイシャルエステ?

 妻(yuheimama)です。悠平は中学生になってから、ニキビが出るようになりました。母は、自分にニキビ経験がなかったので、そのうち、治るかなぁと悠長に構えていました。しかしながら、1年経っても、2年経っても、一向に治る気配がありません。さすがに気になって、何かケアしたほうがよいのかと考えるようになりました。そこで、冬の保湿を兼ねて、ニキビ対応のクリームを購入しました。

 悠平は毎夜、母に「シューとクリーム」とリクエスト。母が、横たわった悠平の顔全体にシューっとハーブ水をスプレーしてから、クリームを塗ります。さながらフェイシャルエステです。中学生の男の子が、母親にクリーム塗ってもらっているの?過保護?と思われるかもしれませんが、これには理由があります。クリームを「適量」出すのが難しいのです。

 例えば、我が家のポンプ式のシャンプー。1回押すだけで適量が出るにもかかわらず、悠平はかつて、ガッポン、ガッポン何度も押していました。悠平が上がった後の浴室の洗い場はヌルヌル、シャンプーもあっという間になくなってしまいました。言葉がけで「1回でいいんだよ」と何度言っても、すぐに忘れるのか同じことの繰り返し。結局、シャンプーのボトルに油性のマジックで「1回だけ」と書いて改善を図りました。同じようなことはチューブ式の歯磨き粉でもあり、悠平が歯を磨いた後は、毎回と言っていいほど、洗面台にドボッと落ちた歯磨き粉の塊があるのです。

 顔にクリームを塗るにも練習が必要なのですが、購入したチューブ式のクリームは歯磨き粉より少々お高いこともあり、今のところ、母が塗っています。冬休み中、悠平の手に適量を出して見せ、まずは自分で塗らせるようにとも考えましたが、毎日、悠平の頬に触れながら、「そういえば、大きくなってスキンシップもなくなったな~」などとしみじみ感じてしまい、タイミングを逸してしまいました。クリームを塗り始めて、ニキビは若干、改善。もうしばらくはクリーム習慣が続きそうなので、春休みこそは本人にやらせなければと自分に言い聞かせています。

 

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やる気満々のお正月~新年のごあいさつ

 yuheipapaです。
 2022年になりました。明けましておめでとうございます。
 昨年は、このブログに大勢の方にお立ち寄りいただき、ありがとうございました。

 元日の朝、わたしとyuheimamaへの悠平の第一声は「2022年になりました。僕が高校生になる年だ」でした。そうです。この春には特別支援学校の中等部を卒業し、高等部に進学します。悠平の人生で大きな節目になる年。正月早々から、やる気満々、気合十分です。既に身長は175センチ超でわたしを追い越し、最近では肩幅もついてきて横にもがっちりしてきました。
 振り返れば、悠平が中学生になってからの3年間は、あっという間でした。新型コロナウイルスの感染拡大で授業参観などが中止になってしまい、学校での悠平の姿を見られなかったのは残念ですが、とにもかくにも、よくぞここまで成長してくれたなと思います。
 高等部に進めば、社会の中でどんな居場所を見つけられるか、将来に備えた準備も本格的に始まります。悠平なりの社会参加と自己実現のために、親としてもできるだけのサポートをしていきたいと思います。

 引き続き、悠平との日々をyuheimamaと一緒に、このブログにつづっていきます。
 本年もよろしくお願いいたします。

 

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やっぱり肉が好き

 妻(yuheimama)です。先日、授業参観で悠平の学校に行きました。コロナの影響で昨年度は授業参観が中止となり、今年度は3週間程度の期間から参観希望日を学校に伝え、調整の上、日時指定がなされました。親同士もできる限り日程が重ならないよう配慮され、授業は廊下から参観と、感染対策が徹底されていました。

 参観した1コマの授業が終わると、担任が悠平の取り組んだプリントのファイルを持ってきて、見せてくださいました。悠平は文字を書くときに、雑になって形が崩れたり、マス目や行をはみ出して書いてしまうことがあり、決められたスペースに丁寧に書くことが課題の一つです。課題プリントには長さの異なる例文が4文、印字されていて、それぞれの文を長さの異なる空欄に文字の大きさを考えながら書くことになっています。但し、4文の内、1文は文をそのまま写すのではなく、悠平への質問文が書かれていて、それに対する悠平の考えを書くことになっていました。

 ある日の課題プリントには「給食を食べるときに気を付けることを二つ書きなさい」とありました。悠平は「①しせいにきをつけて食べる ②肉をさいごにのこさず食べる」と書いていました。②について、一瞬「ん?」と疑問に思ったものの、すぐに意味が分かりました。悠平は、好きな食材を最後に残して一気に食べることが多々あり、例えば、肉野菜炒めのときなど、先に野菜を全部食べて、最後にとっておいた肉だけを食べるのです。家庭では、母もyuheipapaも、自分も子どものころそうだったな~と笑って見ていたのですが、学校では注意されたことがあったのかもしれません。この悠平ならではのオリジナルな回答、担任は「まぁ、いいんですけどね~」と、笑いながらおおらかに受け止めてくださいました。模範解答を押し付けない担任の姿勢に感謝しつつ、母も思わず廊下で小さく笑ってしまいました。

 さて、肉をしっかり食べているおかげか、悠平、ぐんぐん身長が伸びています。学校では何人かの先生方に「大きくなりましたね!」と声をかけられました。コロナ禍での中学生活、母が学校へ行く機会が減ったこともあり、たまに見かける同級生たちの成長ぶりにも驚かされました。特に男の子は顔つきが変わり、マスクをしているので、一瞬、誰だか分からなかったり、先生と間違えてしまうことも。

 残り少ない中学生活、しっかり食べて、よく学び、お友達とともに、心も体も成長していってほしいと改めて思った授業参観でした。

 

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唐揚げをめぐって

 妻(yuheimama)です。悠平は幼少期、偏食があり、連日のように唐揚げを食べていました。小学校入学後は、給食と先生方の取り組みのおかげで、食べられるものが増え、今は好き嫌いこそありますが、偏食は卒業しました。偏食卒業後も、ファミレスや中華料理店などではメニューから唐揚げを選ぶことが多かったため、母は悠平の一番の好物は唐揚げだと思っていました。

 先日、学校の連絡帳に、クラスで給食のリクエストメニューを話し合ったときのことが書かれていました。悠平の学校では年度末の給食に、卒業予定の学年からのリクエストを取り上げたメニューが登場します。悠平のリクエストは「ラーメン、マーボーナス、春雨サラダ、リンゴゼリー」だったとのこと。中華セットのようなメニューで、バランスもよく、ちょっと驚きました。さらに母は、「唐揚げ、入ってないんだ~」と思いました。

 そういえば、その数日前の放デイの連絡帳にも、好きな食べ物の話になったときに悠平は、「ラーメン、そば、レーズン」と答えていたと書かれていました。

 長らく、唐揚げが一番好きなのだろうと思っていた母は、自分の思い込みに気づかされました。幼児期から唐揚げを頻繁に食べていたのは、好きだからと理由と、それ以外が苦手だからという二重の理由があったのだろうと思いました。唐揚げはもちろん今でも好きなのでしょうが、食べられるものが増えて、絶対王者ではなくなったようです。本人の成長、変化を喜ぶとともに、ちょっと大げさかもしれませんが、「この子はこれが好き」「この子はこういうもの」という親の思い込みを戒めなくてはと再認識しました。

 ラーメンやそばを食べると、スープやつゆまで飲んで完食する悠平。振り返れば確かにラーメン、そば好きです。塩分取りすぎに気を付けて、スープやつゆは飲み切らないように注意したほうがいいのかなと思いつつ、偏食だったころからは想像もつかない食べっぷりに、ついつい母も甘くなってしまいます。

  yuheipapaです。yuheimamaの記事を読みながら、そう言えば最近の悠平は外出先で唐揚げを食べなくなっていることに気付かされました。「食」の大きな進歩だと言っていいと思います。悠平が幼児のころは、一緒に外出する際にはまず、唐揚げを置いていそうな店をリサーチして計画を立てていました。ほぼ何でも食べてくれる今は、予定作りもぐっと楽になっています。手元には、悠平が食べてきた数々の唐揚げの写真が残っています。そのほんの一部を紹介します。

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スクールバスこだわりの軽減

  妻(yuheimama)です。いつもと違うことが苦手な悠平には、生活習慣と乗り物への強いこだわりがあります。中でも、生活習慣こだわりと乗り物こだわりが合体したスクールバスへのこだわりは最強です。

 小1、バス停でいつもはお母さんが送ってくるお子さんの付き添いが、お父さんだったことでパニック。小3、夏休みにプール登校しようとしたものの、学校休業日にスクールバスが現れたらパニック。バス停の近くに路上駐車している車があったために、スクールバスの乗車位置がずれるとパニック。バス停への送迎は母でなければならないこだわり。また、バス乗車には一番乗りこだわりがあるために、いつも定刻の20分前にバス停に着いています。

 こうしたこだわり、難攻不落かと思われていましたが、毎朝の経験、家庭-学校-放課後等デイサービスの連携による働きかけによって、少しずつ改善してきました。お友達に関してはどなたが付き添ってきても問題なし。プール登校も、自分で「この前はパニックになったから、今日は頑張る」と、涙をこらえて小3の内に克服しました(2015年「パニック・コントロール」を参照ください)。乗車位置に関しては、放デイの送迎車にもこだわりがあったのですが、中1のときに大騒ぎして学校の先生と放デイスタッフに車中に押し込まれ(?)、以来、スクールバスにも対応できるようになりました。残るは一番乗りこだわりです。

 下校時のこだわりならば、多少の荒療治もありなのですが、登校時の場合、バスに乗れないと学校に行けなくなるため、母も慎重に考えてきました。そんなある日、小学生のお子さんが、ひょいっと悠平を追い越してバスに乗車したことがあり、母は「まずい!」と思ったものの、悠平は騒がずに乗車することができました。帰宅後に、「朝、○○君が先に乗っても大丈夫だったね。また、先に乗せてあげられる?」と尋ねると、「まぁ、たぶん、大丈夫だと思う」と渋々ながら答えていました。担任にもそうしたことを伝えたところ、最近、先生方が悠平に話をしてくださり、ついに一番でも二番でも、問題なく乗車できるようになりました。スクールバスに乗り始めて9年目! なんと長い年月がかかったことか…と思う半面、卒業前に克服できてよかったとしみじみ思いました。悠平自身も苦手だったことができるようになり、自信につながっているのではないかと思います。バス停への送りは、やはり母でなければ嫌なようですが、母の発熱時など、緊急事態には父でも対応できるようになりました。

 こだわりを守ることは本人にとって安心なことなのだろうと思う一方、こだわりを崩して適応力を上げることによって行動の自由度が上がり、生活が楽になるのではないかと思います。日々の積み重ねとあきらめない働きかけの大切さを改めて感じる中3の秋です。

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