幼稚園探し、再び(妻が書きました)

 今回のエントリーは妻が書きました。便宜上、ハンドルネームはわたしのアカウント「yuheipapa」にならって「yuheimama」とお呼びください。これからも時々、妻が書きます。

 はじめまして、妻です。うつ病との付き合いはまだ続いていますが、夫の人事異動(※初めての方は過去エントリー「親も自分の生き方を考える〜人事異動を機に思うこと」をご参照ください)のおかげで、心身ともに落ち着きを取り戻しつつあります。しかしそれ以前、特にこの春は寒暖差が激しく、体調も乱高下し、日々の暮らしで精一杯でした。そんなある日、世田谷区内のとある私立幼稚園の入園説明会のチラシを新聞折り込みの中に見つけ、ハッとしました。6月には早くも一部の私立幼稚園で来春の入園説明会が始まるのです。
 以前のエントリー(「春から保育園?」)で触れたように、悠平は3年保育の私立幼稚園2園に不合格となり、区立保育園も選にもれたため、来春から2年間幼稚園に通わせたいと思っています。入園テスト・申し込みは11月初旬なのですが、9月10月には多くの園で説明会や、運動会・バザーなどの行事見学、体験保育などがあるため、悠平のように固有の事情がある場合には、それ以前、つまり夏休み前の7月中旬までには下調べをしなければと考え、少々焦りを感じました。
 昨年は、悠平の発達障害を認識しないままに、友達ができやすいようにと、近所のお子さんの多くが通っている幼稚園を希望し、不合格となりました。今年は悠平の障害を前提に、悠平の個性に合う幼稚園を探したいと思いました。希望としては小規模で、先生の目が行き届き、親との連絡も密に取れる幼稚園。欲を言えば、体を十分に動かす遊びと、音楽や美術を取り入れた情緒面の発達を促す教育を行っている幼稚園です。
 世田谷区のホームページから幼稚園一覧を印刷して通園可能な幼稚園を絞りました。次に2年保育の募集の有無を確認した上で、募集がある場合には障害児の受け入れが可能かを聞き、可能な場合に見学を申し入れようと考えました。候補は6園。小規模で教育方針に関心の高い園から順に電話をしました。結果は、3園では障害児の受け入れをしているものの、年少時に受け入れているので年中での受け入れはできないとのこと。1園はスタッフ数が足りないため、受け入れ不可。あとの2園は、募集要項自体が未定ということでした。昨年はいずれも若干名の募集だったので、仮に募集があっても狭き門よりさらに狭い門であることには変わらないと思います。
 残念ながら、通園圏内の私立幼稚園への入園は断念せざるをえないようです。「悠平の個性に合う幼稚園」以前に、受け入れ枠がないのですから…。「ようちえんバス」のミニカーを手に、ニコニコ笑いながら遊ぶ悠平を、本物の幼稚園バスに乗せてやることもできません。ふと、「昨年の入園テスト以前に障害に気付いていれば、悠平も今頃は障害児枠で幼稚園に通っていたのでは…」との思いが心をよぎりましたが、ゆっくりしたペースで成長している悠平にとって、それがよかったのかどうかは分かりません。
 次の選択肢は区立幼稚園です。区立はそもそも2年保育で、定員オーバーの場合は抽選になりますが定員内ならば誰でも入園でき、必要な場合は相談の上、介助員をつけてくださいます。一番近い区立幼稚園には徒歩で約20分かかり(自転車の方も多いかと思いますが、大柄な悠平を乗せて、パニックを起こされたときに倒れずにいられる自信がありません!)、1学年2クラスで最大計68人と、小規模でも通いやすい園でもありませんが、今は悠平にとって初めての集団生活の場を提供していただけるならお願いしたいという気持ちになっています。
 幼稚園探しの厳しい現実は、「悠平と歩く道」の序章に過ぎないのでしょう。これから先、何度も悔しい思いをすることになるのかもしれません。「悠平のために」と思いながら、実は悠平の笑顔に支えられて、これからも歩いていくのだろうと気付かされた幼稚園探しの日々でした。

【追記】
 以前のエントリー(「パズルは最初の一歩、2ピースから」)で触れたように、悠平はのりもののジグゾーパズルに取り組んでいます。6ピースをクリアした後は、9ピース、12ピースをクリアし、最近では少しサポートをすれば16ピース〜20ピースを完成させることができるようになりました。ステップアップしていく過程で気が付いたことは、私を含め、おそらく多くの人が完成図を見ながらピースを探していくところを、悠平は主にピースの凸凹を注視しているようだという点。完成図という視覚から得る情報と手先の動きを統合するのが難しいからかもしれません。これからも、完成図を手がかりに組み立てていけるよう、声掛けやピースの置き方を工夫しながらサポートしていこうと思っています。

※写真はyuheipapa撮影