東北地方、関東地方を中心とする大地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。被災者の皆さまに、重ねてお見舞い申し上げます。
発生4日目の14日を迎えても依然として被害の全容は分からず、自宅から避難されている方も何十万人にも上っています。マグニチュード9・0という地震の規模の凄まじさ、津波被害の凄惨さには言葉がありません。原発が炉心溶融を起こし、建屋も爆発するなど、わたしたちの社会が経験したことがないまさに未曽有の厄災です。14日からは東京電力が計画停電に踏み切り、東京など首都圏もかつて経験したことがない事態を迎えるに至りました。
被災地の避難所にも、発達障害のお子さんがいらっしゃることでしょう。つい先日まで住んでいた東京で、悠平とさくらポートで一緒だったお子さんたちは元気でしょうか。そして、親御さんたちがどんな思いで過ごしていらっしゃるかと思うと、本当に胸が痛みます。気休めにすらならないかもしれませんが、一冊の絵本を紹介します。
- 作者: いとうひろし
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/10/26
- メディア: ハードカバー
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おはなし
以前、僕とおじいちゃんは毎日のようにお散歩を楽しんでいました。
家の近くをのんびり歩くだけの散歩でしたが、僕の世界はどんどんひろがり、新しい発見や楽しい出会いがありました。
でも一方で、困ったことや怖いことにも出会うようになり、なんだかこのまま大きくなれそうにないと、思えるときもありました。
そのたびにおじいちゃんは僕の手を握り、
「だいじょうぶ だいじょうぶ。」
とおまじないのようにつぶやくのでした。
それは、この世の中、そんなに悪いことばかりじゃないってことでした。
【絵本ナビ】http://t.co/PjEbWTv
妻が探してきた絵本でした。やはり発達障害のお子さんを持つ親御さんが、「だいじょうぶだいじょうぶ」と声に出して読みきかせながら、気が付けば自分自身の気持ちが落ち着いていたというエピソードとともに。確かにその通りでした。わたしたち夫婦と悠平がこの先どんな道を歩むのか、不安がないと言えばウソになります。この絵本を悠平に読んでやりながら「だいじょうぶだいじょうぶ」と何度も口にしていると、気持ちが落ち着きました。「だいじょうぶ、前に進んでいける」と。
この数日、東北地方を中心に絶望的なニュースが報じられる中でも、例えばインターネットのツイッターには「善意」があふれんばかりにあるのに気付きました。未曽有の事態でも、わたしたちの社会は「善意」を信じて人と人がつながることができる、そういう希望を失っていないと思います。「だいじょうぶだいじょうぶ」。
もしかしたら、気休めにもならないかもしれません。でも、避難所で、自宅で、お子さんを抱き締めながら口にしてみませんか。「だいじょうぶだいじょうぶ」。