「自閉症の人はマズイ物は食べない」〜偏食考

 妻(yuheimama)です。悠平の偏食はたびたび触れました。障害児の偏食について、興味深い新聞記事を読んだので紹介したいと思います。岩手県の公立保育園に勤務する従姉が送ってくれたもので、胆江日日新聞という地元エリア紙に掲載された発達支援に関する講演会を起こした文章からの引用です。講演は、篁一誠(たかむら・いっせい)NPO法人PDDサポートセンター・グリーンフォレスト理事長によるものです。

自閉症の人たちはマズイ物は絶対食べません。最高のグルメです。(中略)
 偏食が悪いという考え方にとらわれすぎていないか。なぜ自閉症の人たちがこんなにも大勢偏食をしたり、独特の食べ方をするのか。もしかしたら、それが人間の本来の食べ方ではないかと私は思うんです。
 それが私たちと一緒に生活する時に、強制的に食べ方を直される。何でも食べることを求められる。
 私は、彼らの偏食によって病気が起きたら考える。それまでは彼らの食べ方、食べる範囲を認めていいのではないかと思うのです。ただし、丁寧に点検はしていかなきゃいけない。体重を量る、可能な限り健康診断が受けられるようにしていく必要はあると思います。」(2011年1月18日胆江日日新聞掲載)
※胆江日日新聞
http://www.tankonews.jp/

 この記事を読んだらホッとされる親御さんは多いのではないでしょうか。私は少し肩の力がぬけました。離乳食を作ったことのある方なら経験があると思いますが、親は自分のことはさておき、子どもに関しては栄養バランスに非常に気を遣うものです。私は悠平の離乳食が完了し、偏食が目立つようになりはじめたころ、栄養の偏りがとても気になりました。でもこれまで、偏食が原因と思われる体調不良は見受けられませんし、悠平は大柄ではありますが太っているわけでもなく、とても元気です。食の嗜好が偏っているというより、体が欲するまま、それなりにバランスを取りながら食べているのかもしれません。例えになるか分かりませんが、悠平は外で唐揚げを食べるとき、必ずと言っていいほど添えられたレモンを丸かじりします。見ている親は想像しただけで酸っぱい気分になるのですが、表情一つ変えないのです。篁さんが指摘されているように、可能な限り健康診断を受けてチェックをしていく必要はあると思いますが、あまり神経質にならずに、偏食も発達の特徴の一つというくらいに構えてもよいのかもしれません。

 食べ物に関しては奥手の悠平ですが、なぜが飲み物に関してはチャレンジャーです。普段は水のほかに麦茶やほうじ茶を飲んでいるのですが、親が別の物を飲んでいると自分でも飲みたがります。初めてファミリーレストランジンジャエールを口にした時には「うゎ〜○×△#$%*?」というようなしかめ面をしましたが、以来、炭酸のジュワジュワした感じが気に入ったのか、いろいろと試しています。最近のお気に入りは炭酸水のペリエ。服薬中でアルコールが飲めない私が買い置きしていたものを、毎日のように飲んでいます。先日はついにブラックコーヒーにチャレンジ! カフェインレスのコーヒーだったので大目に見たのですが、デミタスカップに一杯飲み干してしまいました。さすがにコーヒーはこれっきりにさせようと思いますが、飲み物から味覚の世界が広がってくれたらと思ってしまうのは、食の楽しみを広げてあげたいと願う親心か、あるいは偏食やむなしと言いつつも諦めきれない親の下心でしょうか…?

 yuheipapaです。先日、大阪に来て初めて自宅でから揚げを作りました。鶏のもも肉と豚ロースのミックス。おまけにフライドポテトも。写真は悠平用に盛り付けたものですが、から揚げ大好きの悠平はあっという間に平らげ、これだけでは満足せずにわたしや妻の皿にも次々に手を伸ばしていました。ほっとくと一体どれだけ食べるか分からない、というぐらい、から揚げは大好きです。興味深いのは、鶏肉もほかの料理法だとなかなか食べないことです。鶏肉好き、というわけではないのです。豚肉もなかなか口にせず、試しにから揚げにしてみたらぱくぱく食べました。これまでにカジキマグロやイカも、から揚げに混ぜて食べさせることに成功しました。
 から揚げだったら悠平は3食続いても文句はないでしょう。家族で外食するのは、から揚げを置いてある店が中心になります。高槻にはから揚げを出す回転ずし店があるので、魚好きの私は重宝しています。残念なのは、から揚げがあるお好み焼き屋さんがなかなか見当たらないこと。せっかく大阪にいるというのに、実はまだお好み焼きを食べていません。