療育スタート

 妻(yuheimama)です。5月23日から、高槻市内の自閉症療育センターwill(ウィル)で悠平の療育がスタートしました。個別で隔週1回1時間の療育です。「悠平の療育」と書きましたが、このセンターでは子どもの指導と並行して、月に1回保護者を対象にした研修会も行っています。障害への保護者の理解と支援をサポートするためです。

 療育の時間帯が幼稚園の時間帯とぶつかるため、療育がある日は幼稚園を欠席することにしました。幼稚園が大好きな悠平が泣き出さないか心配しましたが、以前のエントリーで紹介したホワイトボードで、なんとなくその日は別のところに行くらしいということを感じたようでした。療育センターへは幼稚園入園前に発達検査のため訪れていましたが、少し時間がたっていたので名称やセンターのトレードマーク(星形)は忘れていたのでしょうか。悠平は初日、トレードマークのマグネットをいつの間にか外していました。どこへ行くのか思い当たらなくて、少々不安を感じていたのかもしれません。

 センターへは大人の足で20分位なのですが、すぐに車やバイクに気を奪われる悠平連れでは30〜40分は覚悟しなければなりません。たどり着くまでに私がエネルギーを使い切ってしまいそうなので、ちょっとぜいたくですがタクシーで行くことにしました(タクシー会社さん、お迎えに来ていただく上にいつもワンメーターでごめんさい!)。「タクシーに乗るよ」と声を掛けると悠平は、親の心配をよそに、どこへ行くのか気にも留めずに「タクシー! タクシー!」と飛び跳ねて玄関に向かってきました。タクシーはwillへ行くモチベーションを上げるのにも一役買ってくれました。

 療育は初回と2回目は、本人がセンターに慣れ、楽しみを見つけることと、療育者が療育のポイントをどこに置くかを評価するために行われました。悠平の療育担当は社会福祉士の女性です。1時間の療育時間は5分〜10分単位でこなす幾つかの課題や遊びで構成されます。悠平は遊びの時間のミニカーや、課題で使うパソコンのような教具が特に気に入ったようでした。2回の療育への取り組みを見た結果と療育開始前に親が提出した生活スキルチャックリストをもとに、7月から10月までの短期目標は以下のように決まりました。行動管理の領域では「タイマーが鳴ったら、活動を終える」「写真のスケジュールを確認し、次の活動を理解する」「手型に手を置いて、数秒待つ」、身辺自立では「決まった時間にトイレに行き、排泄する」「かぶりの服を着る」、学習スキルとして「手先を使う課題を行う」「カットアウトジグを用いて、線のなぞり書きをする」、コミュニケーションでは「視覚的な手がかりを用いて、『○○ください』と要求を伝える」です。willでは、それぞれの課題をパーテーションで区切った空間の中で行います。空間の構造化です。課題の合間に組み込まれた10分程度の遊びの時間に、療育者から保護者への課題内容の説明やアドバイスがなされます。世田谷のさくらポートで個別支援を受けた際には、悠平は心理士と机を挟んで向かい合って座り、1回1時間のうち最初の15分位の間に課題に取り組み、残りの時間を遊びながら過ごし、その間に心理士と保護者が話をするという構成でした。

 willでの療育時間は限られているため、家庭でもできることを並行してやっていきたいと思います。早いものでもうすぐ夏休み。まずは絵カードを使った日課表作りに挑戦しようと思います。夏休みの目標は脱オムツと、毎日数分でも何らかのトレーニングを行うこと。絵カードの日課表などを使って、課題の後に遊びが待っていると分かれば、悠平は短時間なら集中してトレーニングをすることができると思います。課題の下準備とスケジュールに合わせて過ごせるか、試されるのは親の方かもしれません。