妻(yuheimama)です。最近は心身の不調の波が小さくなり、疲れない程度に発達障害関連の本に目を通しています。その中には、療育・支援プログラムであるTEACCHプログラムやABAに関する本があります。各プログラムについて正確に説明するのは難しいのですが、私なりの理解は以下の通りです。
TEACCHとはTreatment and Education of Autistic and related Communication handeicapped CHildrenの略で、訳すと「自閉症スペクトラムでコミュニケーションに障害がある子どもたちのための治療と教育プログラム」ということになるでしょうか。言葉によるコミュニケーションが苦手な子に対して、絵や写真を使って物事の手順や何をする場所なのか、何がしたいか、してほしいかなどを知らせる方法です。
ABAとはApplied Behavior Analysisの略で、応用行動分析のことをいいます。ABAは自閉症スペクトラムに特化した療育方法ではなく、行動分析学の一分野なのだそうです。ABAでは行動の原因を「人の内部」に求めず、「環境」に求めます。例えばパニックや他傷などの問題行動を起こす状況を記録して、考えられる原因を環境を調整することで取り除き、問題行動を減らしたり、苦手なスキルを明らかにします。その上で、コミュニケーションや身辺自立などのスキルの向上には、好きな活動や物によるご褒美(好子)を使いながら小刻みに段階をつけて(スモールステップ)強化を図り、マイナス行動には嫌いな活動や物(嫌子)を示してご褒美を減らしたり除去し、その行動を弱めていこうとします。
特にABAは、やろうとしたら親も覚悟を決めて(!?)徹底して取り組まなければ効果がなさそうなので、今のところ本に掲載されているアイデアを参考にしている程度なのですが、TEACCHも含め、悠平に効果がありそうなものを「いいとこ取り」して、生活に取り入れています。今回はその中からいくつかを紹介したいと思います。
まず、TEACCHプログラムから視覚支援を一つ。トイレトレーニングが続いている我が家のトイレには、以前に紹介したとおり「お地蔵さまスタンプ」の台紙が張ってあります。その横に、トイレの手順を描いたイラストを貼ってみました(このイラストは発達障害児向けのDVDの付録です)。すると悠平はニコニコしながら手順通りトイレを済ませ、それまで忘れがちだったトイレの後の手洗いもしっかりできるようになりました。洗面所には手洗いの手順も同じシリーズのイラストを貼り、その通りにやろうと努力中です。努力中というのは、まだタオルできちんと手がふけないからなのですが。
TEACCHプログラムは自閉症療育センターwillで実践中なので、センターでの療育や視覚支援を参考にしていますが、willで紹介していただいた佐々木正美/宮原一郎著『TEACCHビジュアル図鑑 自閉症児のための絵で見る構造化』(学研)は非常に実践的で参考になります。
自閉症児のための絵で見る構造化―TEACCHビジュアル図鑑 (学研のヒューマンケアブックス)
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ちょうど夏休みから家庭療育や歯磨きの後に、カレンダーにシールを貼る習慣ができていたので、そのカレンダーの日付部分に付箋で「きのう」「きょう」「あした」と貼ることにしました。最近ではシールを貼る際に「今日は何日?」と尋ねると、そのカレンダーを見て「○日」と答えられるようになりました。いずれはABAの課題にあるように、昨日の出来事などを話せるようになれば申し分ありませんが、まずは初期目標達成です。
家庭で無理なく楽しくできるコミュニケーション課題30 (ヒューマンケアブックス)
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その結果、デパートでトミカを買った後、台紙を見せると乗り物に乗りたいのを我慢することに成功しました。が、これには思わぬ「副作用」がありました。トミカを買った後、ショッピングセンターの前を通ると突然パニックを起こしたのです。理由がその時には分かりませんでした。今、考えている原因はこうです。トミカを選んだことで、その日はショッピングセンターのガチャガチャと100円の乗り物はできません。その「できない」ということをショッピングセンターの前を通った際に強く思い出してしまったのかもしれません。普通にトミカを買っただけなら、ショッピングセンターの前を通ってもガチャガチャを意識することはなかったかもしれません。
その後も同じ場所で同じようにパニックを起こしたので、試しに「ガチャガチャ行く?」と声を掛けると、ケロッとしてショッピングセンターに入っていきました。
支援・療育は親にとってもトライアンドエラーの繰り返しですが、少しでも障害ゆえのストレスを軽減して生活していけるようにさらに勉強していきたいと思います。