ご褒美とおあずけ

 妻(yuheimama)です。悠平の登園同伴を続けて1カ月。ここ数日は、午前・午後にそれぞれ30〜40分、母子分離できるようになってきました。次は午前中いっぱいの母子分離にトライしてみようかと担任の先生と話しています。

 以前のエントリー「またもや『いかない!』」で、登園の動機付けとしてトミカご褒美作戦を紹介したところ、トミカを渡すタイミングや登園以外の時にも渡すことがあるのかというご質問をいただきました(同コメント欄を参照ください)。そこで今回は「ご褒美とおあずけ」をテーマにしたいと思います。

 悠平へのご褒美はほとんどの場合トミカなのですが、何かを頑張ったとき、嫌なことを我慢してやり遂げた時に買い与えるのを原則にしています。初めは、苦手な耳鼻科を駄々をこねずに受診できた時のご褒美でした。大人の目から見たらほんの小さなことでも、悠平なりに何かをやり遂げた時に買ってもらえるのがご褒美であり、逆に言えばご褒美が何かをやり遂げるための動機付けになっています。ご褒美として「頑張ったね」「えらいね」などの言葉がけが有効ならば、それに越したことはないのですが、悠平の場合、発達検査の結果からも「褒められることへの動機付けがあまり見られず、具体的な刺激による動機付けは見られ、そのことによる達成意欲がわいたように思われる」とされているので、今しばらくはトミカを動機付けにして、苦手意識を持つものにもトライしていけたらと考えています。

 とはいえ、悠平の発達度合いを見極めながら、いずれは褒め言葉に移行していきたいものです。今は悠平なりに頑張ればトミカが手に入りますが、トミカはタダではありません。主人が禁煙したおかげで原資は確保できていますが(!?)、小学生や中学生になったらお金の概念も教えていかなくてはなりません。たまのご褒美やプレゼント以外は、お手伝いによってお金を貯めて「働いたお金でほしいものを買う」という意味・流れを徐々に理解させていきたいと思っています。

 また、動機付けに関連してご褒美と使い分けて実行しているのが「おあずけ」です。これは以前のエントリー(「発達障害啓発週間によせて〜ブックレビュー(2)発達障害当事者による体験談など」)で紹介した自閉症当事者であるテンプル・グランディンさんの著書『自閉症感覚』(NHK出版)を参考にしました。「いけない行動をとったときには、おしおきをしましょう。一貫性のある態度でおしおきをすれば、行動が大きく変わります。(中略)母は効き目のあるおしおきの方法も心得ていました。私が楽しみにしていたものをおあずけにしたのです」(pp.174-175)と、あります。グランディンさんの場合は、テレビを見せてもらえないというのがおしおきだったそうですが、悠平の場合はお風呂に入りたがらないときに「お風呂に入らなかったら夕食はなしだよ」(私と悠平は平日、夕食前に入浴します)と言うと、「たべる!」と言ってお風呂場に向かい、歯磨きを面倒くさがれば「歯磨きしなければ(寝る前の)絵本なしだよ」と言えば、そそくさと歯磨きを始めます。効果てきめんです。

 このようにご褒美とおあずけを使い分けながら、「欲しいものが手に入らないとき騒げば買ってもらえる」「やりたくないときは駄々をこねれば見逃してもらえる」という誤学習に陥らないように気を付けています。こうしたことは自閉っ子に限らず子ども全般に言えるように思いますが、自閉っ子はとりわけ習慣やルールを尊重するので、誤学習は大敵です。それにしても我が家のトミカ、いったい何台あるのやら…。

※悠平のコレクションのほんの一部です
Photo by yuheimama