「父子乗り鉄と巡礼」も視覚支援で

 yuheipapaです。
 前回のエントリーで少しお知らせしましたが、休日に悠平を連れて電車で寺社仏閣めぐりに出掛ける「父子乗り鉄と巡礼の旅」を続けています。西国三三所めぐりも2巡目になると、最初に訪ねた時には気付かなかったことがいろいろあって、2巡目ならではの面白さ、楽しさがあります。山道を歩く山寺への参拝は、悠平の体力づくりにもなると思いますし、日ごろ、仕事ではデスクワークばかりで運動不足になっている私にとっても、いい運動の機会です。

 ただ、悠平の乗り物に対するこだわり、例えば自分が乗ってきた電車やバスが発車するまで動こうとしない「出発進行ルール」などは相変わらずです。出発進行ルールに対しては、電車やバスを降りて次の行動に移るまでに十分な時間を見込んでおくことで対応していますが、最近、手を焼いているのが突然の「のらない!のらない!」パニック。以前はおとなしく乗ったことがあり、出掛ける前の予定の説明でも特段の拒否は示していなかったのに、いざ電車やバスに乗ろうとすると突然「のらない!」と激しい拒否反応を示すパニックです。今までは、あらかじめ用意しておいたトミカや、缶飲料のおまけに付いていた車のおもちゃなどを渡して気をそらせることで対応していましたが、拒否反応が激しい日はトミカやおもちゃを2台、3台とまきあげられたりすることも。妻が書いているように「騒げばトミカやおもちゃがもらえる」と思ってしまう誤学習の懸念もあって、あまりいい方法ではないようです。あれこれ考えて、妻にならって行動予定の説明に試しに視覚支援を取り入れてみることにしました。
 A4サイズの紙に、簡単な行動予定をひらがなで書き、移動に使う電車やバスの写真をはりつけただけでしたが、効果はてきめんでした。
 写真は先日、西国4番の観音霊場、大阪府和泉市施福寺を訪ねた際に作ったスケジュール表です。写真では見づらいので、PDFファイルも用意しました。下のリンク先からダウンロードできます。
 悠平お出かけスケジュール.pdf 直
 電車やバスの写真は、鉄道会社やバス会社のサイトから拾ってきたものが中心です。普通電車に乗るか、快速電車にするか選択肢があるものや、南海電車の車両か泉北高速鉄道の車両のどちらが来るか分からないものは、複数の写真を並べ、口頭で補足するようにしました。出かける前日に作って悠平に見せたところ、目がらんらんと輝き「なんかいでんしゃ!」「なんかいバス!」と早くも興奮状態に。私が「まず阪急電車高槻市から淡路に行きます。淡路から大阪市営地下鉄天下茶屋に行きます。南海線から泉北高速鉄道を経由して和泉中央まで行きます。電車は南海かな、泉北高速鉄道の白と青の電車かな」と順を追って説明する間は、じっとスケジュール表を見ながら聞き入っていました。説明が終わると、さっそく予定を復唱。その日は夜寝るまで繰り返し「はんきゅうでんしゃにのってー、おおさかしえいちかてつにのってー、なんかいでんしゃにのりかえてー、いずみちゅうおうでおりたら、なんかいバスにのるよ!」などと声に出していました。
 当日の行動も、とてもスムーズでした。一度だけ、帰りのバスに乗る際に小パニックを起こしかけました。1時間に1本しかないバスなので、やむなくトミカを1台渡してしのぎましたが、そのほかは乗り物の乗り換えは極めて順調。紙1枚を用意するだけでこんなに違うのかと、感心しました。やはり、悠平には目で理解させるのが有効なようです。
 この方式で一度スケジュールを見てしまうと、急に予定を変更しようとしてもおそらく悠平はパニックを起こすと思います。視覚で強固に理解していた分、予定通りに事が運ばなければ悠平の内心での混乱は大きく、パニックも激しいでしょう。この方式でスケジュールを見せる際には、周到に行動予定を練り上げることがポイントになりそうです。お出かけの都度、改良していこうと思います。

 施福寺弘法大師空海が出家得度した寺と伝えられています。和泉中央駅から路線バスとコミュニティバスを乗り継ぎ、さらに石段の山道を大人の足で30〜40分、登らなければなりません。西国霊場にはほかにも山寺はありますが、多くは車で上がってしまえます。このお寺が難所と呼ばれるのは、だれもが歩いて登らなければならないからかもしれません。
 途中にはお地蔵さまもあって、私の好きな参道の一つです。「悠くん、おじぞうさんに手を合わせよう」と促すと、「ぼくのあたまをらくにしてくださーい」と口にしながら、手を合わせました。
 施福寺 http://www.saikoku33.gr.jp/04/index.htm