コチョコチョで感じるボディイメージ

 妻(yuheimama)です。自閉症児は関節の曲げ伸ばしや筋肉の動きを脳に伝える感覚である固有受容覚(こゆうじゅようかく)の認識の弱さから、自分の体の部位に関するイメージを持ちにくいといいます(参考:岩永竜一郎『もっと笑顔が見たいから』<花風社>)。よく乳幼児に「お耳はどこ?」「お鼻はどこ?」と聞くと、耳を触ったり鼻を触ったりできるものですが、悠平は最近まで、分かる部位と分からない部位がありました。そこで家庭療育の中で顔シールを活用したり(「2学期の家庭療育」をご参照ください)、「あーたま、かた、ひざ、ポン!」と歌いながら手を取って教えてきました。

 最近では、手・足・顔といった大まかな部位から一歩進んで、手の甲・二の腕・脇腹・かかとなど、より狭い部位を適当なメロディにのせて、コチョコチョしながら教えています。コチョコチョが大好きな悠平は大喜び。自分から「てのこう、してくださ〜い」と要求してきます。毎日のコチョコチョ遊びの中で、体の部位の名称と、ボディイメージをつかめたらと期待しています。

 ボディイメージとその名称を知ることは、身辺自立を促す上でも重要だと思います。例えば、しばしば悠平は靴の左右を間違えて履いたり、靴下のかかとをうまく合わせられなかったりします。そこで写真のような、ものすごくシンプルな視覚支援をしてみました。ときには言葉掛けも必要ですが、少しずつ左右やつまさき・かかとの位置を意識できるようになってきました。


 療育園では、エリアによって靴下・上履きを履く場合と裸足になる場合があるため、日に何度か履いたり脱いだりする機会があります。これはそのまま身辺自立の練習になるので、自分で確認して履けるようになるまでは柄物の靴下は休日専用に、通園用には「つまさき」記入の白いソックスが定番化決定です。

もっと笑顔が見たいから―発達デコボコな子どものための感覚運動アプローチ

もっと笑顔が見たいから―発達デコボコな子どものための感覚運動アプローチ

 追記 療育の成果か(「梅花での療育と家庭療育」をご参照ください)、悠平がついにパジャマのボタンを一つ、二つと自分でとめられるようになってきました! 悠平は達成感と自信を、療育ママは療育が生活につながったという手応えを感じています。