復習という課題

妻(yuheimama)です。悠平がタブレットPCを使った通信教育「スマイルゼミ」を始めたことは、以前にも触れました( 「家庭学習にお試し新アイテム」を参照ください)。悠平は、自分のタブレットが持てたことがうれしいようで、楽しく学習しています。この講座は、一度配信された学習内容を何度でも復習できるというスグレモノなのですが、ここに思わぬ課題が生まれました。

子どもに限らず大人でも、苦手な物事は避けたくなることがありますが、ことに自閉症児は一度、苦手意識を持つとそれがこびりついたかのように嫌がる傾向が強いようです。悠平は、間違った問題やすぐに理解できなかった問題をやり直すのをとても嫌がります。つまり復習を避けようとするので、一度つまずくとそれをなかなか克服できないのです。

これまで私が悠平の家庭療育を行ってきたときも、苦手な課題には「いや」と拒否反応を示すことがあり、そうしたときは、苦手意識をできるだけ持たせないように課題内容を変えたり、少し時間をおいてから再チャレンジさせてきました。いわば、家庭ならではの「オーダーメード療育」が可能だったのですが、既成の通信教育となるとそうはいきません。タブレットの通信教育は悠平に合っているとは思いますが、ところどころに「介入」は必要なようです。「スマイルゼミ」を始めて1カ月、講座を中心に据えた「セミオーダー学習」を模索する必要性を感じ始めました。

そんなことを考えながら、先日、学校の授業参観に行ってきました。今回は「えがく・つくる」という、普通校でいえば図工にあたる授業でした。ビニール袋に入った丸い粘土を自分で粘土版の上に出し、それを棒を使って平らにしてから葉っぱや型抜きなどで好きな模様をつけていく課題です。まずは先生がお手本を見せてくださるのですが、担当の先生はラジカセで音楽をかけて、オーバーオールの衣装とチューリップハットを身に着け、音楽に合わせて歌って踊りながら教室に入ってきました。子どもたちは先生の衣装と音楽で何の授業をするのかを理解し、どんなことをするのかワクワクして楽しく課題に取り組めるような工夫だと思いました。

悠平は以前は粘土が苦手でしたが、授業ではとても楽しそうに取り組み、作った作品を持って、「おかあさん できたよ〜!」と満面の笑みで見せにきてくれました。悠平の笑顔がとてもまぶしく、先生方の工夫に私自身、学ぶところが大きかったです。

授業参観で私も「教える技術」の授業を受けて帰ってきました。悠平をいかに楽しく「復習」できるように仕向けられるか、これからの私の課題です。


【写真説明】授業参観と並行して、校内作品展を見学してきました。写真は悠平が作った「折り染め」によるクリスマスツリーです。