支援学校―東京の場合、大阪の場合

妻(yuheimama)です。悠平が東京の支援学校に転入して1週間。心配していたバス乗車時のパニックも1回だけと、おおむね順調なスタートを切れました。始業式前に学校側と面談があった際、悠平への指導・支援を少しでも円滑に進めていただこうと、幾つかの資料を渡しておいたのも、少なからず役に立っているようです。2014年版に改訂した「サポートブック」や、教科の呼称が大阪と東京では異なるので、大阪での教科概要をコピーしたもの、悠平が学校で1年間取り組んだ運筆・書き方等を綴じたファイルなどです(サポートブックについては 「就学前、母の宿題「サポートブック」」 、大阪での教科概要については 「ゆっくり、楽しく、着実に――支援学校のカリキュラム」 を参照ください)。こうした資料を参考に、大阪とはちょっと違うカリキュラムに戸惑ったり、固まってしまう悠平を、うま〜く指導していただいているようです。

さて今回は、都府をまたいで2つの支援学校を体験する機会が得られたので、東京と大阪の支援学校の比較をしてみたいと思います。

まずは、クラス編成について。大阪では1クラス6人の児童に対して担任が3人。障害の程度は最重度から中・軽度のお子さんまでさまざまでした。授業はクラス単位・学年単位で取り組むものもあれば、クラスを超えた認知レベルによるグループごとの授業もありました。東京ではクラスによって人数が違うのですが、悠平のクラスは6人の児童に対して担任が2人です。単純に数だけ見れば、大阪より手薄になったように見えるかもしれませんが、クラス編成の仕方に違いがありました。都立では、自閉症クラス、知的障害クラス、少人数の重度・重複障害クラスという、特性毎の編成になっているのです。悠平は自閉症クラスです。

教室は、大阪のように畳のリラックスペースはなく、普通の教室という感じですが、活動空間を区切った空間の構造化や視覚支援はバッチリです。授業時間は大阪では1コマ30分でしたが、東京では45分です。授業時間が長くなったので、集中力が持続するかは今後の様子を見ていかなければ分かりませんが、放課後等デイサービスを利用していない我が家(私!)としては、帰宅時間が遅くなってくれて、大歓迎です!? 

授業の構成は、大阪とは呼称が違うものの、着替えや荷物整理をする「日常生活の指導」、「国語・算数」「図画・工作」「生活単元」「社会性の学習」「体育」と、内容は似ています。大阪では登校後、校内服に着替えて荷物を片付けると、感覚統合の運動器具などで遊んだり、走ったりしていましたが、こちらの学校では、毎朝20分間、授業として体育が設定されているのが特徴的だと思います。また、20分の体育のほかに、45分の体育の授業も週に1回あります。

「国語・算数」は月曜日から木曜日まで毎日あるのですが、その授業の中で週に1回、乾布摩擦を行っています。初回、乾布摩擦経験のない悠平は固まってしまったそうですが、見本を見ながらやり始めると楽しそうに取り組んでいたとのことでした。はじめは「なぜ、国語・算数の授業に乾布摩擦?」と思いましたが、国語的には体の部位の名前を覚えたり、算数的には回数を数えることなどが狙いとしてあるのかと思います。また、自分で自分の体を認識して行う乾布摩擦にはボディイメージを持つことにつながり、入浴で体を洗うための練習にもなるそうです。言われてみれば納得の、色々な要素が入った授業です。ちなみに悠平に乾布摩擦の感想を尋ねると、「気持ちよかった」とニヤリ。

大阪、東京ともに「学校と家庭が連携して子どもの教育に当たる」という方針は同様ですが、こちらでは家庭にも「生活面、運動面、お手伝い」の各項目に具体的な目標を立てて「チャレンジ日記」として記録し、取り組むように促されている点には、一歩、突っ込んだ印象を持ちました。「いつもと違う」が苦手な悠平は、逆に習慣化した行いに関しては強みを発揮するので、これを機に、家庭での役割を持たせていこうと思います。

新しい学校は自宅から遠いため、スクールバスでの乗車時間が長く、朝、家を出る時間が大阪の時よりも45分早くなりました。起きる時間も早くなったので、日中ボーっとしているyuheimamaですが、悠平とともに、少しずつこちらのペースに慣れていきたいと思います。


【写真説明】東急田園都市線桜新町駅前のサザエさん一家は、春の交通安全運動に一役買っています。

 yuheipapaです。わが家に最寄りの東急田園都市線桜新町駅の駅前通りには、地名の通り、桜の並木があります。大きな花がつく八重桜のようで、開花時期が一般的なソメイヨシノとずれるようで、数日前から見ごろを迎えています。駅前通りのサザエさん一家の像は、波平さんとフネさんが緑のタスキをかけて春の交通安全運動に一役。週末は、他地域からおいでになったとおぼしき子ども連れの方々が、サザエさん一家と記念写真を撮る光景も見られます。