悠平のりもの図鑑 (2)ケーブルカー・モノレール

yuheipapaです。前回の蒸気機関車編に続いて、「悠平のりもの図鑑」の第2回はケーブルカーとモノレールです。


▼宮ケ瀬ダム「インクライン
鉄道好きの悠平はケーブルカーやモノレールも大好きです。東京近郊のケーブルカーと言えば、有名なのは高尾山や箱根などですが、そうした商業路線とは一味違ったユニークな路線もあります。そのうちの一つ、神奈川県の宮ケ瀬ダムにある「インクライン」に先日、悠平と行ってきました。
宮ケ瀬ダムへのメーンのルートは、小田急本厚木駅から神奈川中央交通バスで約1時間、終点の宮ケ瀬で下車します。インクラインへはさらに遊覧船でダムサイトに移動します。ところがこの日は1時間に1本のバスにタッチの差で間に合わなかったため、別路線のバスに乗り、神奈川県立あいかわ公園へ。そこからロードトレインで宮ケ瀬ダムの下部へ向かいました。
インクラインは、巨大なダム本体の脇の斜面に設置されています。仕組みはケーブルカーなのですが、もともとはダム工事の際に、資材をダンプカーやコンクリートミキサー車ごと台車に乗せて、山の上に運ぶための施設だったそうです。インクライン(incline)の言葉の意味は「傾斜面にレールを敷き、動力で台車を動かして船・貨物を運ぶ装置」(デジタル大辞泉)のことで、京都の南禅寺の近くには、琵琶湖疎水の船を台車で移動させた「蹴上インクライン」の遺構があります。
宮ケ瀬ダムのインクラインは大人片道200円、往復300円。高低差は約120メートルとのことで、所要時間は約4分。車体は小ぶりで、観光用のほかのケーブルカーとは一味違った趣を楽しむことができました。ダムの上とふもとを行き来する手段は、ほかにダム本体の中にエレベーターが設置されており、こちらは無料です。
※ぐるり宮ケ瀬湖 https://www.miyagase.or.jp/index.html
※あいかわ公園 http://www.aikawa-park.jp/
 
 
湖上の遊覧船のほか、ロードトレインも宮ケ瀬ダムーあいかわ公園と宮ケ瀬湖畔地区の2カ所で運行しており、親子でたっぷり1日遊べる場所です。帰途、坂東観音霊場六番の長谷寺(神奈川県厚木市)に立ち寄り、お参りしました。
 


飛鳥山公園「アスカルゴ」
悠平とのお出掛けでは、モノレールもあちこちで乗りました。大阪時代には大阪空港を発着する大阪モノレール、東京では多摩モノレール湘南モノレール上野動物園内のモノレールです。実は羽田空港に向かう東京モノレールは、悠平はまだ乗ったことがありません。
これらの本格的なモノレールとは違った、ユニークなミニモノレールもあります。その一つが東京都北区王子の飛鳥山公園にある「スロープカー」の、あすかパークレール「アスカルゴ」です。こういう設備があるとはわたしも知らなかったのですが、パソコン好きの悠平がいろいろyou tubeで乗り物動画を検索しているうちに見つけたようです。わたしの目的は近くの王子神社参拝で、ついでに飛鳥山公園にもと思い「悠くん、王子神社飛鳥山公園に行くよ」と声を掛けたとたん「アスカルゴに乗るよ!」と反応してきました。
JR京浜東北線、地下鉄南北線王子駅を出てすぐに、乗り場があります。飛鳥山は桜の名所として有名で、江戸時代から庶民の行楽の場でした。あすかパークレールは路線名で、アスカルゴは形がカタツムリに似ていることから付いた車両名とのこと。足の弱い方でも飛鳥山公園を楽しめるようにと、北区が設置、運営しており、利用は無料。全長50メートルたらずで、乗車時間は2分ほどです。
すぐ横の坂道を都電荒川線チンチン電車が走るほか、JR王子駅付近は京浜東北線のほか東北・上越北陸新幹線も走っており、ちょっとしたトレイン・ビューが楽しめました。
飛鳥山三つの博物館 http://www.asukayama.jp/index.html
 飛鳥山モノレール「あすかパークレール」「アスカルゴ」 http://www.asukayama.jp/stroll/st/st-39.html
 
 
※4枚目の写真は都電荒川線の「王子駅前」。真上の高架は新幹線。


待乳山聖天「さくらレール」
東京・浅草の東武鉄道東京メトロ浅草駅を出て、隅田川に沿うように北へ15分ほど歩くと「待乳山聖天(まつちやましょうでん)」というお寺に着きます。浅草寺一山のお寺の一つで、正式名称は本龍院。ちょっとした丘の上にあり、浅草駅方向からお参りすると、緩やかな石段が続きます。高齢者などの利便のためと思いますが、ミニモノレールが設置されています。
大阪から東京に移った後、東京でも寺社巡りを始め、このお寺のことを知りました。石段を上がって本堂に着くと、脇に何やら気になるものが。それがこのミニモノレールでした。思いもかけない発見で悠平は大喜び。お参りを済ませた後、乗ってみました。定員は3人。わずか十数メートルですが、途中には「寺務所駅」もあります。「さくらレール」の愛称が付いており、車体には龍のデザインも描かれていました。使い方としてはエレベーターの感覚です。
 
 
この寺のご本尊・歓喜天は江戸時代から信仰を集めています。大根と巾着がシンボルで、提灯にも描かれたりと、境内のあちこちで見られます。外国人観光客もほとんど足を延ばしてこず、浅草寺のような混雑はありません。静かで心安らぐ場所です。