パニック・コントロール

妻(yuheimama)です。yuheipapaが「2015夏休み(1)パニックを乗り切るまでに成長」で紹介した通り、悠平はこの夏、不安やパニック状態に陥った時、自分からそれをコントロールしようとし始めました。

yuheipapaとのバスでの一件の後も、自力でどうにかしようとする姿が見られるようになりました。夏休みの1回目のプール登校日に、休み中なのに学校に行くのが気持ち悪かったのか、3年生になって初めてのバスパニックを起こしました。すると2回目の登校日には「この前はパニックになったから、今日は頑張る」と宣言して、涙目ながら、パニックを起こすことなくバスに乗ることができました。

また、夏休み中のクリニックでのST(言語)の際に、学校の担任の先生が同席してくださったのですが、「先生が来てくれたのはうれしいけれど、同席するのはいつもと違うからちょっと嫌」で、すぐには療育ルームに入れなかった悠平。先生方も悠平の特性はご存じなので、先に行って、療育内容について話し合いを始めてくださいました。5分ほど経つと、悠平が「ちょっと…行ってみようか」と自分から立ち上がりました。それでもなかなか中に入れずにいると、自分で「吸って、はいて」と声に出しながら、深呼吸を始めました。私は自分を落ち着かせようとしている悠平の姿に驚きながら、背中を押すつもりで「お母さんと一緒に入ろうか」と声を掛けました。すると「いや、僕が行くよ」と言って、自分から中に入っていくことができました。

パニックの対応は、親にとって心身ともに大変なものです。でも、それ以上につらいのは本人のはず。パニックを自力でコントロールできるようになれば、悠平自身が楽になり、自信もついてくるのではないかと思います。

自閉症の発達段階をとらえる「太田ステージ」によると、今の悠平の発達段階の重要課題の一つに「自己マネジメントの力を身につけさせる」ために「自分で自分に言い聞かせられるようにする」ことがあります(永井洋子・太田昌孝『太田ステージによる自閉症療育の宝石箱』<2011年、日本科学文化社> p128)。パニックや不安を自力で何とかしようとする姿勢に、成長を感じ、感動すら覚えています。まだまだ大人の支援は必要ですが、手を貸すだけではなく、時には見守ることが成長を促すことにつながっていく段階に入ってきたようです。

太田ステージによる自閉症療育の宝石箱

太田ステージによる自閉症療育の宝石箱