繰り上がりの足し算――認知特性に合わせた学び方

 妻(yuheimama)です。この夏休み、悠平は繰り上がりの足し算を習得すべく、学習を続けています。

 繰り上がりをなかなか理解できない悠平にも分かりやすい教材はないものかといろいろと探しました。国語を継続している四谷学院の療育55段階は繰り上がりでつまずいて以来、ストップ。続いて購入した『ゆっくりさんすうプリント』も、途中から進めなくなりました。

 

 一般に繰り上がりの理解を促すには、ドッドやタイルなどの図解が用いられます。

 例えば「8+4」の場合、
 ●●●●● + ○○○○
 ●●●
 4つのドッドの内、2つを8にくっつけて、
 ●●●●● + ○○ 
 ●●●○○
 10の固まりと2で答えは「12」。

 

 この手の図解をいろいろと試しましたが、悠平はいつも困り顔でした。また、足し算ではなく、お金の問題に取り組んだときのこと。下の写真のように、お金と値段の関係を図解しておつりを求めさせようとしたのですが、これまた「?」。

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 さらには、2つの時計を並べて何分経ったかを考える問題でも大混乱。

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 どうやら悠平は、1つの問題を解くのに、2種類の絵図が示されると、その関係が把握できないようなのです。試しにおつりを求める上記の問題を、実際の100円玉を用いてやりとりしたところ、意味を理解して、正しいおつりを言い当てることができました。また、時計の問題も時計版を使って長い針を動かしながら時間の経過をたどると、正解できました。分かりやすいようにと示した図が、かえって悠平の理解を妨げていたのです。1つの問題を解くには、1種類の道具でという手法がカギになりそうです。

 ここに至り、悠平の認知特性が分かったところで、肝心の繰り上がりにどう取り組むか? yuheimamaの作戦は100玉そろばんの徹底活用です。

「100玉そろばん+れんしゅうちょう」セット

「100玉そろばん+れんしゅうちょう」セット

 

 まずは、上記の「8+4」の場合、悠平は初め、8に「1、2、3、4」と数えながら4を足していました。そこでyuheimamaが一工夫。まず、10の固まりを意識させるために、8にくっつける2つのそろばん珠を一気に動かして、「悠くん、2・・・3,4だよ」と、デモンストレーション。これは目力の強い悠平には効きました。以降、「7+5」では、元気に「3! 4,5」、「6+6」では「4! 5,6」と、絶好調です。こうした問題を何日も何日も続け、そろばん珠の動きを徐々に数字の操作にリンクさせていきました。初めこそ、そろばんの動きと数字の関係に戸惑っていたものの、こちらも繰り返し取り組む内に、理解が進んだようです。

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  ついに、そろばんなしで数字の操作のみで正解できるようになり、悠平と母は2人で「できたね、分かったね!」とおおはしゃぎ。悠平は「難しい問題が簡単になったね~」と感想まで言うことができました。もちろん、まだまだ練習は必要ですが、悠平の頑張りと発達に母は感動。そして、昨年9月に繰り上がりに引っかかって以来1年弱、諦めなかった自分自身を「頑張ったね、私」とちょっぴり自画自賛したのでありました。