冬休みのOTにて

妻(yuheimama)です。新学期が始まって早1週間。ようやくいつものペースが戻ってきました。今回は冬休みに行ったクリニックでのOT(作業療法)での出来事を紹介します。

その日は、夏休み以来約5か月ぶりのOT(作業療法)でした。病院に向かう途中、悠平は「(担当の)I先生に、大井川鉄道に乗りましたって言う」と宣言。冬休み中にyuheipapaと乗り鉄した、SLが走る静岡県大井川鉄道へ行ったことがとても楽しかったようです。自分の気持ちや体験を相手に伝えることはいいことなのですが、相手がそれを聞いて分かるかどうか、相手の状況を想像できないのが自閉症ならではです。そこで私から悠平に質問。「I先生、大井川鉄道のこと知っているかな?」――悠平はちょっと考えて「知らないと思うよ」と返答。そこで、「じゃあ、先生に大井川鉄道のこと、説明してあげなくちゃ。大井川鉄道はどこを走ってるの?」と尋ねると、「静岡県!」と答えました。さて、悠平は先生に説明できるでしょうか?

新年のあいさつをして悠平と先生が療育ルームに入ると、ドアの近くに座っていた私の元に二人のやりとりが聞こえてきました。悠平は「先生、僕、大井川鉄道に行きました」――あぁ、やっぱりストレートに言っちゃったか…と残念に思った私。でも、先生が「大井川鉄道? うーん、聞いたことがあるような…」と返答すると、悠平は「静岡県にあるんだよ」と補足説明。先生が「そっかぁ、そっかぁ。静岡なんだ〜」と会話が成り立ちました。

photo by Yuhei

状況にお構いなしに自分の言いたいことをぶつけてしまうのは自閉症の障害特性なので、そう簡単に変わるとは思えません。これまでも唐突に話し掛け、相手を驚かせたり、戸惑わせてしまうことがたびたびありました(「どうにも止まらない」を参照ください)。それでも、言いたいことの前後に何かしら説明を加えると、相手に話が通りやすくなります。ST(言語)で積み重ねてきた説明力を日常会話でも生かせるよう、これからもサポートしていこうと思いました。

さて、肝心のOTの評価です。体のバランス感覚が向上し、課題への取り組みにもだいぶ柔軟性が見られるようになってきたとのうれしい評価。夏休みには手首の動きが硬いと言われていたのですが、学校にその評価を伝え、日常の療育に組み込んでいただいた成果か、手首の動きもよくなってきているとのこと。今後、肩甲骨周りの筋肉をつける運動を意識して取り入れていけば、腕全体がしっかりして、手の動きもより向上が望めるだろうとのアドバイスをいただきました。

冬休み明け、これらの評価を学校に伝えました。3学期も、病院・療育―学校―家庭の連携をはかりながら、悠平の成長を後押ししていきたいと思います。