夏の始まりは富士山

 yuheipapaです。タイトルに「富士山」と書きましたが、実はミニチュアの富士山、「富士塚」のことです。富士山は信仰の対象として知られますが、江戸時代は庶民がそう簡単に登れるわけではなく、江戸の町や近郊のあちこちに富士塚を作って富士登山の代わりとしたそうです。念の入ったことに、富士山から運んだ溶岩で覆われているところが多いようです。現存する富士塚の中には、本物と同じく7月1日に山開きをし、1年のうちでこの日だけ登ることができるところもあります。そうしたことを知って去年、今年と、たまたま7月1日が週末に当たっていたこともあり、悠平と一緒に東京の富士塚の山開きを巡りました。

※ウイキペディア「富士塚」
 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E5%A1%9A

 ことしまず訪ねたのは練馬区の「江古田富士」。西武池袋線で池袋から三つ目の江古田駅で下車、すぐそばにある江古田浅間神社の境内にあります。国の重要有形民俗文化財に指定されています。直径約30メートル、高さ約8メートルとのことですが、実際に行ってみると、小山全体がこんもりと木に覆われており、うっそうとした林の印象です。天狗や猿の石像もあって、厳粛な信仰の場であることを実感しました。

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【写真】江古田富士の頂上から麓を望む

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【写真】江古田富士の中腹を登る悠平

 次は池袋へ出て、東武東上線に乗り換えて二つ目の下板橋駅から徒歩で10分足らず。池袋氷川神社の境内にある「池袋富士」へ行きました。こちらは高さ約5メートル、すそ野は南北に幅約18メートルの大きさです。木がなく溶岩がむき出しで、山容がよく分かります。好天だったこともあり、江古田富士とは違った「陽」の明るい印象でした。

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【写真】池袋富士の登山道に並ぶ参拝者

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【写真】池袋富士の山頂から

 昨年の山開きでは台東区下谷の小野照崎神社にある「下谷坂本富士」、文京区本駒込の駒込富士神社、北区中十条の十条富士塚にお参りしました。駒込富士神社は富士塚の上に神社の本殿があります。駒込富士神社、十条富士塚は山開きの日だけでなく、1年を通じて登ることができますが、6月30日と7月1日は祭礼で、境内や周囲に露店も出て大にぎわいでした。

 年間を通じて登れる富士塚はほかにもあります。品川区北品川の品川神社にある品川富士は都内有数の規模。頂上からは京浜急行の電車がよく見えます。渋谷区千駄ヶ谷の鳩森八幡宮では、境内の千駄ヶ谷富士登山の御朱印もあります。

 今回の記事は、何だか観光案内のようになってしまいました。