正義の味方は国語の味方!?

 妻(yuheimama)です。中学部の日々が始まり、悠平は意欲的に通学しています。先日、体調を崩して2日欠席したのですが、2日目には「学校行きたい!」とアピール。あと1日様子を見ようかと思いましたが、体育を見学、予定していた放課後等デイサービスを休むことを約束して、登校しました。学校には小児科で処方された薬を持参。服薬は錠剤が苦手で、これまで粉薬にしてもらっていたのですが、身長が165センチほどになり、粉ではかなりの量になるということでついに錠剤に。給食後に自分で飲めるよう、前日にシートから錠剤を取り出し、飲み込む練習をしました。まだすんなりと飲み込めないこともありますが、なんとか一連の動作を1人でできるようになり、「飲めたよ!」と自信がついたようでした。

 さて、そんな具合に一つ一つできることを増やしている悠平ですが、何度やっても苦手なものもあります。その一つが、四谷学院療育55段階・国語で取り組んだ慣用句です(療育55段階については2016年「夏休みの家庭療育&家庭学習」を参照ください)。「火花を散らす」「歯が立たない」など、よく耳にする慣用句。こうした表現は比喩的で言葉どおりの意味を指すわけではないので、概念理解や想像力に困難を伴う自閉症児には難易度が高いようです。プリントに取り組み、間違えるたびに説明をしましたが、聞き流してしまうようで、再チャレンジしてもまた間違えます。どうしたものかと思い、取り組みの様子を四谷学院に伝え、アドバイスをもらいました。

 仮面ライダーが好きなら、「ジオウとゲイツが火花を散らす」「ジオウはディケイドに歯が立たない」など、テレビを観ながら言葉がけできそうですね、とのこと。その手があった!っと思いました。自閉症児は興味・関心の幅が狭いので、それを逆手にとって、学習の糸口にするやり方です(2012年「発達障害啓発週間によせて~ブックレビュー2」を参照ください)。

 さっそく、現在放送中の仮面ライダージオウや以前に観ていた仮面ライダービルド、ルパンレンジャーvsパトレンジャーなどに登場する主要キャラクターの力関係や特徴を素材に問題を作ってみました。
【問題】
・ウォズはゲイツ・リバイブに(歯が立たない)。
・ジオウ・ツーとアナザー・ジオウが(火花を散らす)。

・パトレンジャーが異世界につれていかれて(途方にくれる)。

・圭一郎は(気が短い)ので、すぐおこる。

 

 悠平はそれまでのプリントとは打って変わって、やる気満々。以前は当てずっぽうで答えていたのですが、仮面ライダー等が登場すると、しっかり意味を考えて、あっという間に正解できるようになりました。その後、四谷学院の復習プリントに戻っても正答。ちゃんと記憶に残ったようです。

 悠平には悠平に合った学び方があるのだなぁと再認識。正義の味方は今回、国語の味方となり、息子と母の味方にもなってくれました。