爪切りができるまで

 妻(yuheimama)です。中3になり、悠平は自分で両手の爪切りができるようになりました。「えっ、今までできなかったの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここに至るまでに長~い道のりがあったのです。

  知的障害や自閉症がある場合、着替えや身だしなみ、歯磨き、入浴などの身辺自立を身につけるのに時間がかかります。障害がないお子さんであれば、見よう見まねでできることや、習うより慣れろで身につくことも、模倣が苦手であったり、手先が不器用であるために、行為を細分化して(=スモールステップ)、言葉での指示が伝わりにくいときには絵や写真で見せるなどの支援をしながら繰り返し練習する必要があるので、定着までに時間がかかるのです。

  身辺自立の中でも爪切りは、恐怖心や不安、お子さんによっては感覚過敏を伴うのか、難易度が高いように思います。悠平の場合、クリニックのOT(作業療法)で練習したものの、怖がって長らくできずにいたのですが、中学部になって学校で取り組んでいただいたのを機に、意欲が出てきました。そこで、家庭で爪を切るときに、母が爪切りを切る位置に合わせて支え、悠平にパチンと切る動作だけをやらせてみました。すると悠平「できた!」と、笑顔です。とっても時間がかかったのですが、何本か切るうちに自信がついてきたようで、「連絡帳に書く!」とリクエストがありました(「連絡帳」を参照ください)。その後も毎週末、練習し、ゆっくりではありますが、母の支援なしに、全てを一人で切ることができるようになりました。もちろん悠平からは「連絡帳に書く!」と、再度のリクエストがありました(笑)。

  まだまだ慎重に切っているので時間はかかりますが、悠平にとっては大きな前進。母も一つ、お役御免になって楽になりました。次の課題は足の爪。本人、今のところ嫌がっていますが、手の爪きりに慣れたところで、トライしていきたいと思います。

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