歯科受診に挑戦

 妻(yuheimama)です。1学期に耳鼻科を受診した悠平(「久しぶりの耳鼻科受診」を参照ください)、この夏休みには歯科受診に挑戦です。悠平は幼児期に自治体の歯科検診やフッ素塗布のため歯科に行ったことがありましたが、当時は口に器具を入れられるだけで大パニック。検診では医師の指を噛み、フッ素塗布では医師が半分塗布してギブアップしてしまいました。以来、虫歯がないのをいいことに、歯科からは足が遠のいていました。母は自分が歯科で定期検診&クリーニングを受けるたび、大人になったら悠平はキーンと鳴る器具の音に耐えられるだろうか、虫歯になったら痛みを我慢して治療を受けられるだろうかと心配でなりませんでした。そこで、1学期の耳鼻科受診を弾みにして、夏休みに検診&クリーニングのため、歯科受診に誘ってみました。悠平、「行ってみる」と乗り気です。

 問題はどこの歯科を受診するかです。一般の歯科では幼児期の悠平のように、対応が難しい障害児者は受診を断られることもあり、周囲からは居住自治体に1か所しかない障害児者専門の歯科への通院や、抜歯する際に全身麻酔が必要になる場合には大学病院に行くという話を聞いていました。いずれも近所というわけではないため、特に子どもが特別支援学校在籍の場合、学校も近くなく、病院に行ってから学校、学校帰りに病院ということが難しく、学校を欠席しての歯科受診が珍しくありません。そこで、まずは母もyuheipapaも通院している歯科に相談することにしました。相談前に歯科のホームページを見てみると、なんと「障害児歯科」の文字が! 実は母、20年以上同じ歯科に通院していたため、これまでわざわざホームページを見ることがなかったのです。後日、母の通院時、受付で悠平のことを相談すると、「もちろん大丈夫ですよ」「最初は治療用の椅子に座るのも怖がるかもしれないので、ほかの患者さんがいないときに、少しずつ慣れるようにしていきましょう」と、配慮あるお返事をいただき、感激です。

 迎えた当日。悠平はやや緊張した面持ちでしたが、するっと診察室に入り、椅子に座りました。治療用の椅子の斜め前にも椅子が置かれ、悠平と母、お互いに顔が見えるように座らせていただきました。こちらのクリニックでは、診察室の外壁にあたる部分が全面ガラス窓になっていて、診察前、悠平は窓から見える国道と首都高を眺めて、「車が見えるね」とリラックス。その後、医師に挨拶をして、レントゲンを撮り、検診&クリーニング。虫歯になりかけの歯があったので、数回通って、治療と虫歯予防の処置をしていただくことになりました。悠平は診察が終わると、「ありがとうございました」とあいさつをして退室。どうやら心配しすぎて緊張していたのは、悠平よりも母の方だったようです。

 虫歯はならないに越したことはありませんが、歯茎の不調や老化による歯の不調など、どこかの段階で歯科受診が必要になる方は多いと思います。自閉症児者の場合、感覚過敏や不安感の強さなど、歯科受診はハードルが高いのですが、地域で受診できて幸運でした。どのような状態の方にも対応できる専門病院の確保と同時に、耳鼻科受診のときにも思いましたが、地域で対応してくれるクリニックや医院が増えていってほしいと願っています。