驚きの挑戦~お弁当を買いに パート3(最終回)

 妻(yuheimama)です。夏休み中、いつもはお弁当持参で通所していた放課後等デイサービスで、悠平はスタッフに同行してもらい昼食の買い出しに3回行きました。1回目はスーパーの山賊焼き弁当、2回目はインド料理のレストランでインドカレーとナンをテイクアウト。

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スーパーでお弁当を買うものと思っていた母はインドカレーのテイクアウトにびっくり。3回目は何を買うのかと、俄然、期待が高まりました。

  3回目「買弁(かいべん)」の日、帰宅後、連絡帳を開くとなんと文面がいつもの倍以上あり、詳細をお知らせいただきました。今回、悠平は担々麺をチョイス。スタッフが「辛いけど、大丈夫?」と尋ねたところ、「大丈夫です」と言って、購入。放デイに戻ってからパッケージを開け、自分で具とスープを入れて、準備。食べ始めると、段々と辛くなってきたようで、お茶を何度もおかわりしたとのこと。連絡帳の最後には「昼食後も口がヒリヒリするようでした。次からは担々麺は買わないと思います(笑)」と書いてありました。

 お弁当を買いに行って、麺類を購入したことにも驚きましたが、一度も食べたことのない担々麺に挑戦するとは、またまた驚きです。幼児期の偏食を卒業した後も、好き嫌いはかなりあり、家庭では新しい食材や調理法に対してまずは「嫌!」と言って拒否することが多いので、担々麺を選ぶとは、またも母の想像を超えていました。今回、スタッフが「辛いけど、大丈夫?」と声を掛けてくださいましたが、同じことを親に言われたら、その言葉を確認や助言としてではなく、「止めた方がいいんじゃない?」という抑止と捉えて止めていたかもしれません。そう考えると、親以外の大人とのかかわりが、失敗する可能性も含め、悠平の体験を広げてくれたのではないかと思いました。

  さて、この日も2回目同様、昼食の予算は1000円でした。500円玉1枚と100円玉5枚を財布に入れ、連絡帳には適切な硬貨の組み合わせで支払いができるか本人に考えさせ、長く迷うようなら支援をお願いしたい旨を書いておきました。結果は…代金706円に対して悠平が出したのは700円。迷ってしまい、スタッフからの助言で100円追加して支払いを完了したとのことでした。惜しい! もう一息です。

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  旅行はなく、お出掛けも少ない夏休みでしたが、放デイならではの大切な体験学習ができました。そして家庭ならではの取り組み(?)としては、言わずもがなのアイロンビーズ! 休み中に48点、制作しました。悠平は1点、1点、〇〇線の△△系と、電車の「顔」を把握しています。大きな思い出は作れなかったけど、小さな思い出いっぱいの夏休みだったのではないかと思います。

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お弁当を買いに パート2

 妻(yuheimama)です。前回、放課後等デイサービスで昼食用のお弁当を買いに行ったエピソードを紹介しました(「お弁当を買いに」を参照ください)。先日、悠平は2度目の買い出しに行ってきました。

 放デイの前日夜から、「明日はインドカレーにします」と言っていた悠平。スーパーのお弁当にインドカレーがあるのかしらと疑問に思ったものの、悠平は前回、売り場を見たはずなので本人の選択に任せることにしました。

 当日、放デイから帰宅した悠平に「インドカレー、あった?」と尋ねると、「うん、あったよ。インドカレーとナン!」とニコニコです。えっ、ナン? スーパーでよく売っているお弁当のケースにインドカレーとナンが入っている様子を今一つイメージできなかった母は、「もしかして、スーパーの中にカレー屋さんが入っているの?」と、フードコートを想像して聞きました。すると、「違うよ、スーパーの向うにあるんだよ」との返答。よくよく聞いてみると、スーパーとは全く関係のない、近隣のインド料理のレストランからテイクアウトしたことが判明しました。放デイからの連絡帳を開くと、悠平はインドカレーへの想いに朝からそわそわ。レストランの開店時刻が11:30だったため、それより早く出かけたスーパーへの買い出しチームとは別に、スタッフが同行してくれたとのことでした。悠平の気持ちを尊重して、手間がかかるにもかかわらず、丁寧な支援をしてくださった放デイに感謝です!

 ちなみに前回はお弁当代として、1000円札1枚を持たせましたが、今回は500円玉1枚と100円玉5枚を持たせました。1000円札があれば、1000円以下の買い物で支払いに迷うことはないのですが、硬貨を持たせた場合、例えば580円のお弁当なら600円を出すなど、適切な金額で支払うための判断が必要になります。放デイへの連絡帳ではその旨を伝え、支払いに迷った場合には支援をお願いしたいとあらかじめ伝えておきました。今回のインドカレーは600円で、ぴったりの支払いができました。帰宅後、悠平に「お財布にいくら残ってる?」と質問を投げかけると「300円」という答えが返ってきてしまいましたが…(もちろん財布には400円入っていました)。

 悠平は、母の想像を軽く飛び越えて、レストランのテイクアウトで好きなランチを楽しむことができました。次回はどんなランチを選択するのか、今から楽しみです。

 

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お弁当を買いに

 妻(yuheimama)です。緊急事態宣言が続く夏休み、旅行も墓参も控えて、ひたすら「日常」が続いています。悠平は週に3回、放課後等デイサービスに通所。学校が休みの日には午前中から行くので、いつもはお弁当を持参するのですが、今年は放デイからの提案で、何回か近所のスーパーにお弁当を買いに行くことになりました。社会生活を送る上で必要な練習、ソーシャルスキルトレーニングです。

 知的障害がある方の、お弁当にまつわるエピソードを幾つか聞いたことがあります。就労に向けたトレーニングを受けている方が、スーパーに昼食を買いに出かけたら、お刺身のパックを買ってきたとか、放デイからお弁当を買いに行ったら2000円のうな重を買ってきたというもの。お刺身もうな重も、もちろんいけないわけではないのですが、ちょっと珍しいというか、微妙な選択のような気もします。

 そんなわけでソーシャルスキルトレーニング。悠平は初回、何弁当を買ったのでしょう? 母はから揚げ弁当かとんかつ弁当だろうと踏んでいたのですが、帰宅後、尋ねてみたら「山賊焼き弁当」と、意外な答え。っていうか、山賊焼き弁当ってどんなの? 悠平によると鶏肉料理だったとのことで、ネットで検索してみると、山口県と長野県のご当地グルメであることが分かりました。悠平はから揚げや鶏の照り焼きが大好きなので、納得しました。

 我が家でも時々、スーパーでお弁当を買うことがありますが、親が一緒だと、悠平にどれがいいか選択こそさせるものの、あとは親がかごに入れて支払いをし、帰宅後、お弁当をテーブルに乗せ、無意識にふたまで開けて準備してしまうことがあり、振り返れば体験の機会を奪っていました。放デイでは、選択、支払いはもちろんのこと、蓋を開けるために輪ゴムやセロテープを自分で取って、食べ終わったら、ごみの処理まで自分でやることになります。些細な行為に見えますが、こうしたことも悠平にとっては体験学習です。

 障害のある子どもの場合、一人で外出したり、友達同士で遊びに出かけることが難しい場合が多いので、「体験」が圧倒的に不足しがちだと言われます。家庭と学校のほかに、「第三の居場所」としての放デイがあり、遊んだり、親から離れて生活に活きる体験ができることは貴重です。放デイのサポートを得て、この夏、さらに体験を積み重ねてほしいと思います。

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夏休みの予習?

 妻(yuheimama)です。現在、東京都では新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言が発令されています。宣言中は都県境をまたぐ移動を控えようと、宣言発令前に、yuheipapaと悠平は、事前予約をして、神奈川県海老名市にある小田急電鉄の「ロマンスカーミュージアム」を訪れました。

www.odakyu.jp

  休日の乗り鉄巡礼は父子2人での男旅が定番。ただ今回は、行き先がロマンスカーミュージアムであったため、子ども時代を小田急線沿線で過ごした母も「一緒に行きたいなぁ~」とつぶやいてみました。悠平は即座に「嫌~」と、しかめっ面で却下。生活習慣へのこだわりが強烈に強い悠平には、父と母の役割分担が厳然とあるようで、スクールバスのバス停への付き添いは母でなければならないように、休日の乗り鉄の共は父でなければならないのです(但し、休日に乗り物で出掛けるにしても、宿泊を伴う場合は母が一緒でなければ、これまたダメなのですが…)。

 結局、いつものように男旅に決定。出かける前にyuheipapaがネットで情報収集したところ、ミュージアムにはガチャポンがあり、ミュージアムショップもあることが分かりました。悠平は「お小遣いを持っていくよ!」と買う気満々です。お小遣い帳で残高を確認し、財布に2000円を入れました。500円のガチャは絶対にやると決めていたのですが、残り1500円の使い道は未定です。母からは「1500円以内で欲しいものがあったら買っていいし、特に欲しいものがなかったら、無理して買わなくていいんだよ。今回、お金を使ってなくなったら、次に欲しいものがでてきても、お金が貯まるまで我慢しなくちゃいけないからね」と念押し。悠平は「分かった!」と言って、出かけて行きました。

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 「楽しかったよ~」とご機嫌で帰宅した悠平は、ガチャとロマンスカーのイラスト入りキーホルダーを買ってきました。キーホルダーは早速、通学リュックにつけました。お小遣いも全部は使わず、いい買い物ができたようです。

 翌週、緊急事態宣言下の日曜日。夏休みを前に悠平は、「もうすぐ夏休みだから、アイロンビーズ、やっておくよ」と、夏休みの予習(?)に取り組むことにしました(アイロンビーズについては「アイロンビーズ愛」を参照ください)。題材はもちろんロマンスカー。納得の仕上がりで、お出掛けを自粛しながらも楽しく過ごすことができました。夏休みにも作品がどんどん増えていく予感がしています。

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6秒間の質疑応答

 妻(yuheimama)です。悠平は放課後等デイサービスから帰宅する際、送迎車の中から自分の携帯電話で電話を掛けてきます。

 悠平「もう間もなく到着します。また一人で帰ります」

母 「はい、気をつけてね」

 母が通話の終了ボタンをタッチすると、通話時間は決まって9秒。必要で十分な会話とも言えますが、遊びがないというか、柔軟さが足りない感じでもあります。5月に放課後デイで個別面談があった際にも、責任者の方から、「セリフを言っているみたいで、もう少し会話が広がらないか、考えてみます」と言っていただきました。

 後日…

悠平「もう間もなく到着します。今日は買い物に行きましたか?」

母 「今日は行かなかったよ」

悠平「…はい。また一人で帰ります」

母 「はい、気を付けてね」

 別の日には下線部が「昼ご飯は何でしたか?」「エアコンは何度に設定しましたか?」といった具合に変化していきます。唐突な質問に初めは「ん?」と思いましたが、どうやらスタッフの方がお題を出して、会話が広がるように仕掛けてくださっているようです。今のところ会話というよりは質疑応答といった感じで、通話時間は大体15秒。それでも以前より6秒長くなりました。

 自然に会話が広がるまでには、まだまだ時間がかかりそうですが、放課後デイの送迎車やスクールバスの車中から送ってくるメールではやり取りが膨らむようになってきました(携帯メールについては「ある日、突然…」を参照ください)。毎回、新型コロナの東京都内の感染者数の確認に始まり、翌日の天気や気温、夕食のみそ汁の具まで質問されます。メールが来そうな時間になると、母はネットで必要事項を確認してメモを片手に臨んでいます。感染者が増加した日には「緊急事態宣言レベルでしょうか?」といったやりとりが生まれ、先日は、静養していた東京都知事の動向が気になったらしく、「都知事はどうでしょうか?」との質問まで飛び出しました(笑)。

  メールにせよ、電話にせよ、コミュニケーションの楽しさや利便性を知って、悠平の生活の質が上がっていくといいなぁと思い、母もやり取りを楽しんでいます。放課後デイのスタッフにはお世話をかけますが、もうしばらく会話のネタ探しをお願いしたいと思っています。

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爪切りができるまで

 妻(yuheimama)です。中3になり、悠平は自分で両手の爪切りができるようになりました。「えっ、今までできなかったの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、ここに至るまでに長~い道のりがあったのです。

  知的障害や自閉症がある場合、着替えや身だしなみ、歯磨き、入浴などの身辺自立を身につけるのに時間がかかります。障害がないお子さんであれば、見よう見まねでできることや、習うより慣れろで身につくことも、模倣が苦手であったり、手先が不器用であるために、行為を細分化して(=スモールステップ)、言葉での指示が伝わりにくいときには絵や写真で見せるなどの支援をしながら繰り返し練習する必要があるので、定着までに時間がかかるのです。

  身辺自立の中でも爪切りは、恐怖心や不安、お子さんによっては感覚過敏を伴うのか、難易度が高いように思います。悠平の場合、クリニックのOT(作業療法)で練習したものの、怖がって長らくできずにいたのですが、中学部になって学校で取り組んでいただいたのを機に、意欲が出てきました。そこで、家庭で爪を切るときに、母が爪切りを切る位置に合わせて支え、悠平にパチンと切る動作だけをやらせてみました。すると悠平「できた!」と、笑顔です。とっても時間がかかったのですが、何本か切るうちに自信がついてきたようで、「連絡帳に書く!」とリクエストがありました(「連絡帳」を参照ください)。その後も毎週末、練習し、ゆっくりではありますが、母の支援なしに、全てを一人で切ることができるようになりました。もちろん悠平からは「連絡帳に書く!」と、再度のリクエストがありました(笑)。

  まだまだ慎重に切っているので時間はかかりますが、悠平にとっては大きな前進。母も一つ、お役御免になって楽になりました。次の課題は足の爪。本人、今のところ嫌がっていますが、手の爪きりに慣れたところで、トライしていきたいと思います。

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エリック・カールさん、ありがとうございました

 yuheipapaです。
 先日、米国の絵本作家、エリック・カールさんの訃報が伝えられました。
 代表作の「はらぺこあおむし」を始め、悠平はエリック・カールさんの作品が大好きでした。悠平が幼児のころは、yuheimamaもわたしも、何度となく読み聞かせしました。
 わが家に残っている絵本を、久しぶりに並べてみました。「はらぺこあおむし」は表紙がはがれてボロボロ。それでも手元に残っていたのは、それだけ悠平が気に入っていて、わたしたちも処分するのが忍びなかったからだろうと思います。カルタや外出用のおむつケースもありました。
 絵本を間に、親子、家族が幸せな時間を過ごすことができました。
 エリック・カールさん、ありがとうございました。

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※NHK「絵本『はらぺこあおむし』の作者 エリック・カールさん死去」
  https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210527/k10013053971000.html