大人の(!?)金銭管理

 妻(yuheimama)です。就労移行支援事業所に通所2年目の悠平は、就労に向けて日々、取り組みを続けています。事業所では作業訓練のほか、履歴書の作成や面接の練習にも臨んでいます。面接では、どうして働きたいのか、給料は何に使いたいのかなどが、定番の質問らしいので、給料の使い道について、悠平が具体的にイメージしやすいように、家庭学習をすることにしました。

 家庭学習は、学校卒業後も週1回のペースで続けてきました。主に、時間やお金に関する復習問題を中心に、時々、新聞を切り抜いた鉄道関連記事の音読にも取り組んできました。母が新しい教材を作ることはしばらくなかったので、今回の教材は新作です。

 就労移行支援事業所では、作業の対価としていただいた工賃で、悠平は散髪代や衣類、趣味のトミカやCD、DVDなどの支払いをしてきました。就労できた場合にいただく給料は工賃よりも多く、食費や交通費、医療費など、生活全般にかかる費用を自分で支払うようになることの理解を促したいと考えました。プリントには、生活費の主な項目と、そこに含まれる具体例を書き添えました。さらに、具体例に対応するイラストを、悠平が自分で確認しながら貼り、視覚的に分かりやすいリストに仕上げるようにしました。イラストは「いらすとや」さんのフリー素材をお借りし、それぞれのイラストの裏には両面テープを貼りました。

 悠平、「イラスト(を使った教材)、久しぶりだね~」と言って、ニコニコしながら取り組みました。乗り物好きだけに、最初に埋まったのは、交通費の欄でした(笑)。完成したプリントはクリアケースに挟んで保管。実際に給料をいただくようになったら、これを見ながら、何にどれくらいお金がかかるのかを確認して、金銭管理の練習を続けていきたいと考えています。

 就労移行支援事業所について、「厳しいけど、楽しいこともあるから頑張れる」と言っている悠平。親は見守り、励ますくらいしかできませんが、就労に向けて、もう一頑張りしてほしいと思います。

「パラスポーツ・レクリエーションのひろば」に参加

 妻(yuheimama)です。8月最後の日曜日、悠平と母は、東京都と東京都スポーツ文化事業団が主催した「パラスポーツ・レクリエーションのひろば」に参加しました。特別支援学校の体育館で開催され、ボッチャやパラスポーツ、eパラスポーツの体験ができました。

 悠平はまず、eパラスポーツに挑戦。モニターに映る画面を見ながら、手元のスイッチを操作します。徒競走、だるま落とし、フライングディスクの3種目で母と対戦し、悠平は2種目、勝ちました。短時間でしたが、かなり集中して汗ばむほどで、悠平共々、とても楽しめました。悠平はさらに、背丈よりも低めに設置したバスケットボールのゴールにボールを投げ入れるバスケットシュートゲームも楽しみました。ビームライフルという光線を使った射撃体験では、ライフルを固定し、標的を見やすくする工夫があり、悠平は試射3発、本射3発の全てでど真ん中の10点を獲得できました。

【ビームライフルのスコアカード】 

 こうしたスポーツ体験のほか、会場には国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長の来場があったり、書道家の金澤祥子さんのパフォーマンスがあったからでしょうか、報道関係者も多く詰めかけていました。

 特別支援学校を卒業して約1年半、悠平は短い時間ではありましたが、休日の余暇としてようやくスポーツを楽しむことができました。イベント開催とその報道によって、パラスポーツの認知度が向上し、障害がある人々への理解が広まることを期待しつつ、障害がある人にとってのスポーツの機会が、イベントではなく日常的なものになるよう願わずにはいられませんでした。

久しぶりのカラオケ

 妻(yuheimama)です。悠平の余暇活動の機会がなかなか見つからない状況を以前に紹介しました(「yuheimamaの入院で考えた、悠平の余暇活動問題」を参照ください)。その後もスポーツ系を中心に情報収集を続けましたが、悠平の興味に合わなかったり、タイミングが合わなかったりで、機会を得られずにいます。最近、移動支援の行き先について話をしていた時に、カラオケが浮上しました。新型コロナの感染拡大で自粛して以来、カラオケという選択肢が頭から抜けていました。悠平も乗り気になり、数年ぶりに母と2人、カラオケボックスへ向かいました。

 近隣のカラオケボックスでは、利用時間が30分とフリータイムの2種類あります。悠平に希望を聞くと、「久しぶりだから30分で」とのこと。当日は休日で混んでいたせいか、受付で「延長できませんが、よろしいですか?」と聞かれました。悠平も「いいよ」ということで、30分で申し込み。部屋に入ると、悠平はさっそく歌いたい曲をタブレットに入力し始めました。悠平は、大好きな新しい学校のリーダーズや、ゴールデンボンバーの曲を選びました。合間に1曲、母も入力しましたが、悠平はノリノリで5曲歌って、あっという間に30分が過ぎました。支払いを済ませて、店の外に出ると、「物足りなかったから、今度は1時間にしよう」とのこと。ちょっと慌ただしい30分でしたが、楽しめたようです。

 2回目は、最初から1時間を申し込み、悠平2曲、母1曲のペースで入力しました。またまた、新しい学校のリーダーズを何曲も歌いました。1時間、ゆったり歌えて、前回より充実感があったのではないかと思います。支払いは2回とも母がしましたが、店を出ると悠平から「今度は僕が払うよ」と言われ、うれしい驚きもありました。「じゃあ、今度は割り勘にしようか。割り勘というのはね…」と、割り勘について説明しました。

 楽しい時間を過ごしながら、悠平に「自分のことは自分で」という意識が芽生えてきたことを頼もしく思いました。そのうち、カラオケには移動支援のヘルパーさんと行くことになるのかもしれませんが、もうしばらく母と2人の余暇活動として楽しんでいきたいと思います。

 

ビールで乾杯! 20歳になりました

 妻(yuheimama)です。先日、悠平は20歳の誕生日を迎えました。誕生日には「ケーキよりメロン」という悠平の希望で、メロンを用意。ビールも「飲んでみたい」ということだったので、わが家で一番小さいグラスに2~3口分、ビールをついで乾杯しました。初めてのビールは苦いと感じるのでは思いきや、「おいしい!」と一気飲み。もっと飲みたそうでしたが、初回はここでストップ。どの程度飲んでも大丈夫か、これから少しずつ家呑み(?)で試しながら、安全に楽しめる範囲を探っていこうと思います。

 「20歳になったら…」と、悠平と話し合っていたことの一つに、散髪に一人で行くことがあります。これまでは家を出てから帰宅するまで母が付き添っていたのですが、今後は付き添いを減らしていきたいと思っています。付き添い場面は、家から理容店に行く―散髪(母は待合スペースで待機)―理容店から帰る、または買い物等へ行く、と3つに分けられます。悠平の希望を聞きながら、1つずつ付き添いを減らすスモールステップでの取り組みを考えています。

 20歳になったら、ということではなかったのですが、先日、移動支援の事業所とも契約しました。移動支援は、障害福祉サービスの一つで、ヘルパーによる外出付き添いの支援です。以前から利用の希望はあったものの、ヘルパー不足でなかなか契約ができませんでした。悠平が通所している就労移行支援事業所を運営する法人にも、移動支援の事業所があるのですが、ヘルパー不足で新規契約の見合わせが続いていました。先日、ようやく新規受け入れが可能となり、契約にこぎつけました。実際の利用はもう少し先になりそうですが、まずは一安心です。親と一緒だと、本人が親に気を使ったり、親が本人の希望や行動を先回りして考えてしまうことがあります。本人がどうしたいか、自分でヘルパーに伝えて自分の行動を組み立てていけるようになればいいなと思っています。

 20歳というと何かの区切りのように聞こえますが、実際には何かが急に変わるわけではありません。あえて言えば、わが家の場合、「悠平と歩く道」の歩き方を考える時期なのかもしれません。子ども時代には親が少し前を歩いて悠平の手を引き、徐々に並んで歩くようになり、時に悠平の後ろに少し下がって悠平の歩みを支えるというイメージでしょうか。これからも悠平が頑張ること、楽しむことを続けていけるように、親の立ち位置を考えながら、「悠平と歩く道」を一歩一歩、踏みしめていきたいと思います。

 

 

いよいよ企業実習へ

 妻(yuheimama)です。前回、悠平が見守りなしで買い物ができたことを紹介しました。後日、スモールステップの一つとして、お店の外で母が待ち、悠平一人で買い物をするというステップを設けたところ、悠平、コンビニでの買い物を一人ですることができました。悠平は「一人で買い物ができる!」と自信がついたようです。母としては、企業実習(=就職活動)が始まる前に、一人で買い物ができるようになっておかなければと思っていたので、ホッとしました。というのも、実習先によっては、昼ご飯を自分で買いに行く必要があるかもしれないからです。実習、さらにはその先の社会人生活に必要なスキルの習得が、なんとか間に合いました。

 就労移行支援2年目の悠平は、これから企業実習をしていくことになります。初めての実習は、以前に見学した企業に決まりました。障害者雇用にとても積極的な企業で(法定雇用率<7月から2.7%>をはるかに超えて雇用)、今回は入社試験的な実習ではなく、体験的な実習を設定してくださいました。悠平が希望している清掃での実習です。清掃は、世の中が動き始める前の時間帯に作業が集中するため、始業時間は朝7時半。悠平は6時半前に家を出発することになるため、家族も含め、5時半には起床しなければなりません。悠平も緊張していますが、朝が苦手な母はもっと(?)ドキドキしています。

 障害者雇用をめぐっては企業によって取り組み姿勢が異なり、就労移行支援事業所で聞いた範囲でも、積極的な企業もあれば、法定雇用率をクリアする目的の求人ではないかと思える企業がありました(例えば、仕事は屋外作業なのに、なぜか半日は在宅勤務としている会社など)。大学生等の新卒一括採用とは違い、求人のタイミングも企業によりけりなので、巡り合わせに左右される部分もあります。就労移行支援事業所は、障害者雇用の「目利き」でもあるので、支援を受けながら、企業実習に一つずつ向き合っていきたいと思います。まずは、悠平も母も、寝坊しないように頑張ります。

 

 

後日談~ミニカーをめぐって

 妻(yuheimama)です。先月、プレミア価格のバスを3台も購入し、節約モードになった悠平。その数日後、散歩がてら地域の大きな公園へ出かけると、フリーマーケットをやっていました。ほとんどの出店が古着を販売していたのですが、トミカを売っている出店もありました。母、悠平が節約モードであることを忘れ、思わず「悠君、トミカがある!」と声をかけてしまいました。そこには箱入りトミカがずらり。中には日に焼けた箱もありました。悠平は少し日に焼けた箱を手にしました。値付けがされてなかったので、ちょっと心配になり、悠平に値段を聞くよう促しました。悠平が値段を尋ねると出店者は少し迷ったように「う~ん、600円でいいや」と返答。600円はトミカの定価と同じくらいなので、悠平は「これください」と言って、バックから財布を取り出しました。悠平が希望したトミカは、すでに新しいバージョンが販売されているので、プレミアがついてもおかしくない商品だったようです。悠平はそれが旧バージョンであることが分かっていて、選んだとのこと。悠平と出店者、お互いに「価値」を共有した様で、双方、笑顔でした。

 先月はたっぷり買い物したものの、なんとか残金を繰り越して、次なる工賃支給日を迎えました。ゴールデンウィークには、仮面ライダー生誕55周年記念作である映画『アギト―超能力戦争―』を観に行きました。悠平は仮面ライダーアギトのグッズを買おうとお金を用意していたのですが、公開から1週間経っていなかったにもかかわらず、訪れた映画館では売り切れていました(ちなみに、仮面ライダーアギトは悠平が生まれる前の2001年からテレビ放送されたシリーズで、映画館には放送当時小中高生であったであろう30~40代と思しき男性が多数、来場。通常の仮面ライダー映画とは違って、子どもの姿は見られませんでした。悠平は現在、東京のローカル放送局である東京MXテレビでテレビシリーズ『仮面ライダーアギト』を視聴しています)。そこで、帰りにやっぱりトミカを買うことになりました。

 映画鑑賞後、よく行く大型スーパーに立ち寄りました。すると悠平、トミカ売り場があるフロアとは別のフロアで買い物予定があった母に向かって、「トミカ、一人で買えるよ。お母さん、〇〇売り場に先に行ってて」と言いました。悠平はこれまで、支払い等は一人でできていたのですが、不安感が強いため、見守りを必要としていました。ついに、見守り不要に一歩踏み出したようです。数分後、買い物を終え、母がいる売り場へやってきた悠平。安どの表情を見せました。「一人でできたね」とねぎらいました。次のステップは、一人で入店して買い物をすることです。

 ときにお金を使いすぎて焦ったり、フリーマーケットでのやり取りを楽しんだり、見守りなしで支払いができるようになったりと、少しずつではありますが、悠平は確実に経験の幅を広げてきたように思います。将来を見据え、生活の利便性を高め、買い物を楽しめるよう、スモール・ステップの設定と見守りを続けていきたいと思います。

 

 

買い物から学ぶ金銭管理~ミニカーをめぐって

 妻(yuheimama)です。悠平は、就労移行支援事業所での作業の対価としていただく工賃で、買い物を楽しんでいます。支払いのたびにお小遣い帳に記入し、散髪代や生活用品などの必要経費と共に、趣味・娯楽のためにもお金を使います。これまでに、トミカやCD、DVDなどを購入してきました。

 先日、悠平は通販サイトで、トミカではない、バスのミニカーを見つけました。すでに販売を終了して希少品になったミニカーをプレミア価格で販売しているサイトのようでした。普段悠平が購入しているトミカは1台600円程度ですが、その通販サイトのバスは2000円前後のものが多く、高いものでは5000円以上の値段が付いていました。悠平は2200円のバスを買いたいとのこと。少し高いけれど、自分で稼いだお金でほしいものを買う喜びを大切にしたいと思い、注文しました。数日後に届いたバスは、塗装がきれいで、悠平はとても気に入ったようでした。

 悠平はさらにネットを検索し、もう一台買いたいと言い出しました。「じゃあ、次の工賃で買う?」と尋ねたところ、悠平、母のもとにお小遣い帳を持ってきて、まだ残高に余裕があるのですぐに買いたいとアピールしてきました。ほしいから次々に買うというのではなく、お小遣い帳を確認して、お金の使い方を自分で考えることができたのだと思い、注文を請け負いました。今回のバスは、悠平が特別支援学校小学部のときに乗車していたスクールバスと同型だったので、これは本当に欲しかったのだろうと納得しました。

 2台購入して満足したかと思いきや、悠平、さらにもう一台買いたいと言い出しました。ミニカー2台ですでに4000円ほど支払っていたので、さすがにお金を使いすぎなのではないかと思い、止めたくなったのですが、思いととどまりました。悠平の意思の尊重ということもありますが、使い過ぎを経験することで、お金の使い方をこれまで以上に考え、時には節約することも必要だと学んでほしかったからです。3台目を注文した後、カード決済する母に代金を支払った悠平、翌日に行く散髪代を用意すると、残高がガクッと減ったことに気付いたようです。ちょっと慌てた声を出した悠平に、すかさず「バス1台分のお金で、トミカだったら3台買えるよね。バスを買うとき、そういうことも考えて、買うかどうか決めるといいと思うよ」と声をかけました。すると悠平、「このシリーズはこれでおしまいにする」と宣言。翌日、スーパーに買い物に行くときは「今日は食玩(おもちゃ付きのお菓子)やめとく」と、節約モードに入りました。

 コレクターにとっては、プレミア価格の品でも買いたくなることがあると思います。今回使いすぎたから次回は節約しようという経験も、誰にでもあることです。親が先回りをして、常に安全な道を用意するのではなく、親元にいる間に少しでも経験の幅を広げて、悠平が自分で判断できることを増やしていってやりたいと思います。親にとっての「正論」を飲み込むのは、なかなか大変ですが…。