今度のST課題は4コマまんが⁉

妻(yuheimama)です。定期的に通っているST(言語)では、宿題としてワークシートが出されます。家庭学習はそのワークシートを中心に取り組んでいるのですが、それにプラスして私が作っている課題もあります。その一つが「4コマまんが」。私が勝手にそう名付けたものですが、「起承転結のある、4枚の絵の配列」課題のことです。起承転結でストーリーを展開することは、カードの絵を時間の経過に沿って並べることを意味します。時系列で考えることの重要性は、以前のエントリー「STでの新たな取り組み「バースデー・フォト」 」でも触れたように、「これをすると、次にこうなる」と自分の頭で組み立てられるようになると、段々と自分で先行きを考え、組み立てられるようになり、その結果、先行き不安からくるパニックを軽減させられる点にあります。

そこでまずは、「誕生日編」と称してバースデーケーキを食べて誕生日を祝う絵カードを作りました。悠平はスイスイと配列し、会話文も適切な文を考えることができました。

次は「キャンプ編」です。キャンプ編も配列はスムーズにできましたが、会話文を作る段階でちょっとつまづきました。というのも、悠平は会話の流れを考えずに、自分の言いたいことを登場人物に言わせようとするので、前後をつなげるのに自然な発話ではなく、不自然なつなぎが必要になったからです。例えば、私の想定ではまず、家族で車に乗ってキャンプに行こうという趣旨の絵が、悠平にとっては車に乗って高速道路を走るのが最重要になっています。また、最後の絵では、すでに全員目をつむっておやすみと声を掛けあい就寝する場面で、悠平は日頃の習慣からか、いきなり「お母さん 本読んで」と始めてしまいました。この会話文の創作から見えてきたのは、悠平が絵の配列という時系列の理解はできているものの、会話文では場をわきまえた発話をせず、自分の関心事を最優先に口に出しているということでした。

自閉症の特性として「自分の関心のあることにはこだわるけれど、関心がないと見向きもしない」「場の空気が読めない」といったことが挙げられますが、この会話文の創作でもその特性がはっきり出ています。同時に、この特性は悠平の日常の会話の仕方や、人との心理的な距離が近すぎたり無関心だったりする様子にピッタリと当てはまります。これは障害特性であるので一朝一夕には修正のきかないものなのですが、こうした療育を通じて、親である自分がどうやって適切な対応を教えていくかを考えるきっかけにもなりました。

悠平はこの4コマまんがの課題をとても喜んでいて、「次はバスに乗るお話!」「次はタクシーで病院に行くお話!」などとリクエストをしてきます。私にとっては障害特性に直面しては頭を悩ませる課題なのですが、悠平は一種の「ごっこ遊び」のように楽しんでいるようです。視覚優位の悠平にとって絵のある課題は楽しいようなので、めげずにこれからも4コマまんがを作って、悠平の療育と同時に、自分自身の考える材料にもしていきたいと思います。