気になっていた事件の結末

 ずっと気になっていた事件がありました。産経新聞のサイトに詳しい記事がアップされているので、リンクを二つ紹介します。広汎性発達障害の診断を受けていた4歳の長男を絞殺したなどとして、殺人罪などに問われた母親に東京地裁立川支部が17日、懲役5年の実刑判決を言い渡しました。裁判員裁判でした。

「『信頼の母に殺害された長男哀れ』 発達障害の長男殺害の母に懲役5年判決」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120117/trl12011714260007-n1.htm

 記事の一部を引用します。

 昨年1月、東京都内の自宅で長男(4)の首を絞めて殺害し、長女(6)を殺害しようとしたとして、殺人と殺人未遂の罪に問われた母親(36)の裁判員裁判の判決公判が17日、東京地裁立川支部であり、毛利晴光裁判長は「犯行は執拗(しつよう)で残虐だ」として懲役5年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。
 判決などによると、母親は昨年1月12日、自宅2階の居間で長男を絞殺し、1階居間にいた長女の首を絞めたが、暴れて苦しむ姿を見て、かわいそうになり途中でやめたため、全治一カ月の重傷を負わせた。
 母親は検診で長男が広汎性発達障害と診断され、幼稚園の入園も断られて以来、悩んでいた。

 産経新聞は前日にも前触れ記事をアップしていました。

発達障害の4歳長男を殺害した母親にきょう判決 東京地裁立川支部
http://sankei.jp.msn.com/region/news/120116/tky12011617550006-n1.htm

 昨年の転勤前に起きた事件でした。わたしはマスメディア企業に勤務していますが、自分で何か取材したり、調べたわけではありませんでした。報道で「広汎性発達障害」の子どもということを目にしていて、ずっと気になっていました。悠平に同じ診断を告げられた日のことを思い出したり。悠平も東京では幼稚園2カ所の選考に落ちました。妻の心療内科通いも3年目です。何より悠平も当時4歳で、亡くなった子と同い年でした。
 わが家とこの母親の間には、そんなに違いはなかったのかもしれません。かなうなら、この母親に会って、声を掛けてあげたかったと思います。「だいじょうぶ、あなたは一人ではありません。同じような親と子は、ここにもいますよ」と。

 判決前日の産経新聞の記事には、長男は最後まで母親に遊んでもらっていると思っていたようだ、とあります。あまりにも不憫です。自閉症スペクトラムの子どもは他人の感情を読み取ることが苦手です。悠平も、私が怒っているのにケタケタ笑うことがあります。よく分かります。亡くなった子が、本当に不憫です。

 まずは、自閉症や広汎性発達障害の知識が広く知られてほしいと願っています。何よりも、当事者になった親たちが「わたしは一人ではない」と思えるように。産経新聞はていねいに事件をフォローしたと思います。
 わが家も、ほんの一石ですが、このブログをこつこつ続けていきます。