キッズ携帯

 妻(yuheimama)です。2学期が始まって、早1カ月が経とうとしています。悠平は七夕の願いが叶って、放課後等デイサービスからの帰宅時、自分のキッズ携帯から母のスマートフォンに電話ができるようになりました(「七夕の願いごと」を参照ください)。携帯の電話帳には、家族の電話番号のほかに、学校、放課後デイの電話番号も入力しました。

  自分の携帯を手に入れた悠平は、宝物を探し当てたかのような喜びよう。同時に、少しお兄さんになったような誇らしげな表情を見せていました。その後、充電の仕方をやって見せると、自分で抜き差しの練習。スムーズにできるようになると、放課後デイに行って、スタッフにやり方をレクチャー。さらに後日、キーロックの掛け方を覚えると、放課後デイでまたまたレクチャー。帰宅時、私が送迎車まで迎えに行くと、スタッフから笑顔で「悠平さん、今日は充電の仕方を教えてくださいました」等々、報告を受けました。母、思わず苦笑い。スタッフの皆さん、温かな対応、毎回ありがとうございます。

 大人が取扱説明書を読んで、さっさとできる操作も、手先の力が弱く不器用な悠平にとっては一つ一つが練習を要するスキル。本人にとってこうしたスキルの獲得は、思わず人に伝えたくなるほどの大きな意味を持ち、さながら大人への階段を上がっているような体験だったのかもしれません。スキルと言うにはあまりにもささやかであるような気がしますが、こうしたスキルの積み重ねが、自分でできることを増やし、本人の自信と生活の質を上げることにつながるのだとあらためて思いました。

 今のところ、通話だけで利用しているキッズ携帯。いずれスマートフォンを持つようになれば、メールやSNSの使い方や付き合い方も教えていかなければなりません。本人の自由度が広がると、リスクも増えていきます。できるだけのリスクヘッジをしながら、本人の自由度を広げ、生活の質を上げる基盤を作る――課題をクリアするたび、新たな課題が見えてきます。