いいもの見っけ!~次なる教材

 妻(yuheimama)です。悠平は小学生の時から、自閉症の特性に合わせた四谷学院の通信教育「療育55段階」に取り組んできました。国語、算数、ソーシャルスキルトレーニングの3教科があり、国語はスムーズに終了したものの、算数は最近ようやく終了しました。終了したといっても、全てをマスターしたわけではなく、悠平の認知特性や認知レベルでは理解が難しい部分もあり、そうした領域は身に着けることを目的とせず、考えるトレーニングと位置付けて一緒に取り組んできました。療育55段階は社会生活に必要と考えられる小4までの学習内容を含んでいます(療育55段階については、2016年「夏休みの家庭療育&家庭学習」を参照ください)。

 悠平が小学生のとき、「5+5=10」が解けるのに、5円玉2つが10円になることが分からない様子に驚きました。お金の計算ができるようにと足し算を学習しても、悠平にとっては、足し算とお金は別物であり、学習内容を生活に結び付けていくことが必要であることに気付きました。一般的な算数では、中学、高校の数学へと続いていく過程にあるため、実生活を想定した問題はそう多くありません。そのため、悠平への家庭学習では生活場面に関連した時間やお金の問題を掲載した特別支援教育用の教材を使用することがあります(「およその時間、およその値段」を参照ください)。ただ、市販されている特別支援教育用の教材は非常に少なく、教材を参考に母が問題を作ることもしばしばです。

 そんなある日、書店に立ち寄ると、「おぉ、これは!」と心ときめくドリルを発見しました。その名も「鉄道ドリル」。鉄道好きの悠平が食いつきそうなタイトルです。小1から小4までの4種類あり、学年ごとに国語・算数・理科・社会の基礎的なドリルが、鉄道を題材に出題されています。小3と小4のドリルの内容を見ると、電車賃を計算したり、電車の所要時間を計算したりと、母が悠平の関心に合わせて作っているのと類似した問題があるではありませんか。国語の問題も駅名を題材にした漢字問題や電車についての読み取り問題があり、感動モノです。早速、小3と小4のドリルを購入しました。

 最初に悠平に提示したのは、新幹線の出発時刻と到着時刻から所要時間を求めるページ。悠平、新幹線の写真を見るなり、「それ、やるわ」と言って、ノリノリです。翌日、電車賃を計算するページでは、文章題に書かれていない電車の関連情報まで付け足して問題を読み上げました。今後は、駅弁の売り上げをグラフ化したり、7人掛けのロングシートに座っている乗客数を分数で表す問題にも取り組む予定です。

 悠平が楽しそうに学習する姿を見て、母もうれしくなりました。悠平に最も馴染みのある場面と学習を結び付けることで、悠平が楽しく学び、学習内容の活用が生活を便利にすることを体感していってほしいと思います。